子どもの成長81 2026/07/06 心血管に関する考慮事項 心臓突然死(sudden cardiac death;SCD)は、競技アスリートにおけるスポーツ関連死の主要な原因である。若年持久力アスリートではSCDはまれであるが、SCDを来し得る基礎疾患の発見とその管理がその子どもの命を救う可能性がある。 若年アスリートに見られることの多い異常は、肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopathy;HCM)、冠動脈異常、不整脈などであり、小児持久力アスリートに接する医療従事者は、HCMのスクリーニング法を理解しておくことが欠かせない。また、運動誘発性の胸痛または失神を呈する小児アスリートでは、冠動脈病変の可能性を除外する必要がある。さらに、緊急行動計画や自動体外除細動器(AED)の設置場所の認識も不可欠と言える。
子どもの成長80 2026/07/03 持久系競技を行う子どもに対するプライマリケアの留意事項 成長と発達のための十分な栄養摂取が必要 今回は、持久系競技に参加している子どもに医療従事者が接する際の留意事項をまとめた、米国の小児整形外科医らによるレビュー論文を取り上げる。内容は、心血管リスク、メンタルヘルス、睡眠、栄養、内分泌、オーバーユースと広い範囲にわたっており、栄養の項を中心としながら全体の要旨を紹介する。 イントロダクション 全米州立高校協会(National Federation of State High Schools Associations;NFHS)の2021~22年の調査によると、陸上競技は女子で最も人気の高いスポーツであり、男子では2番目の人気となっている。より詳細にみると、クロスカントリーは女子で5番目、男子で4番目に人気があり、水泳は女子で9位、男子で10位であって、米国では年間170万人を超える高校生が持久力スポーツを行っている。 若年の持久系競技アスリートのケアには、彼らに特有の要求に関する知識が必要とされ、また成長と発達の変化に関する知識が不可欠である。それにもかかわらず、現状では小児持久力スポーツ選手に特化した文献は限られている。
子どもの成長79 2026/07/02 子どもたちの朝食摂取を推奨すべき新たなエビデンス 以上の結果を基に論文の結論は、「子どもや若年者の場合、朝食の頻度が高いほど生活満足度が高くなるという、ほぼ直線的な関係が認められた。十代という重要な年齢段階における朝食摂取の健康上のメリットを考慮すると、子どもや若年者に対して朝食摂取を推奨することの意義が強調される。ただし、この因果関係は明らかではなく、考慮されていない他の要因が生活満足度に影響を与えている可能性があるため、この推奨事項は慎重に解釈する必要がある」とまとめられている。 なお、朝食摂取頻度と生活満足度との間に有意な関係が存在し得る理由として、以下の4点が考察として述べられている。 まず、朝食の欠食は十代に限らず、すべての年齢層で、ストレス、抑うつ、精神的苦痛を有する割合が高いことと関連していることが報告されているとしている。次に、朝食に含まれる必須栄養素、とくにビタミンやミネラルの役割が考えられ、朝食はそれらを摂取する重要な機会であるという。三つ目には、朝食を習慣的に摂取することは、生活スタイル全体が健康的であることにつながる可能性があるとのことだ。 そして四つ目の理由として、朝食摂取と学業成績の関係を挙げている。過去の研究で、朝食を摂取している子どもは学業成績が良いことが報告されており、これには認知機能に必要なエネルギーと栄養素が朝食によって供給され、集中力、記憶力、学習能力が向上することの関与が想定されており、欠食によりそのメリットを得られなくなることが、生活満足度の低下につながるのではないかとのことだ。
子どもの成長78 2026/07/01 朝食摂取頻度が生活満足度と有意に関連 生活満足度の平均は7.8±1.9点だった。これを1週間の朝食摂取頻度別にみると、0日(全く食べない)では6.9±2.4点、1日では7.0±2.2点、3日では7.5±2.0点、4日では7.5±1.9点、5日では7.6±1.9点、6日では7.7±1.8点、7日(毎日食べる)では8.1±1.7点だった。 共変量(性別、年齢層、BMI、社会経済的地位、果物摂取量、野菜摂取量、ソフトドリンク摂取量、スイーツ摂取量、朝食摂取量、家族での食事の頻度、身体活動習慣)で調整すると群間差はやや縮小したが、依然として朝食摂取頻度が高いほど生活満足度が高いという有意な関係が維持されていた(傾向性p<0.001)。調整後の各群のスコアは0日から順に、5.7点、5.8点、6.1点、6.1点、6.1点、6.2点、6.2点、6.4点。 調査した42カ国すべてにおいて、生活満足度は朝食を毎日食べる参加者よりも朝食を全く食べない参加者で低かった。生活満足度が最も高かったのは、朝食を毎日食べるポルトガルの参加者であり(7.7点)、反対に生活満足度が最も低かったのは、朝食を全く食べないルーマニアの参加者だった(3.5点)。
子どもの成長77 2026/06/30 十代の子どもの朝食の摂取頻度は生活満足度と関連 42カ国、15万5,451人の横断的解析 HBSCの調査対象校・対象者は無作為に抽出され、調査は母国語、回答は匿名で行われている。42カ国の中には、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、イングランド、ウェールズ、エストニア、フィンランド、フランス、ジョージア、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イスラエル、イタリア、カザフスタン、リトアニア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スコットランド、セルビア、スペイン、スウェーデン、ウクライナなどが含まれている。なお、この調査に日本は参加していない。 朝食の摂取頻度に関する質問は「通常、どの程度の頻度で朝食(牛乳またはフルーツジュース1杯以上)を摂るか?」という質問で、1週間に朝食を摂る回数を把握した。生活に対する満足度は、0~10のビジュアルアナログスケールで、考え得る最高の満足度を10点、考え得る最低の満足度を0点としてスコア付けしてもらった。 そのほかに、共変量として、年齢、性別、BMI、身体活動(60分以上行う日が週に何日か)、朝食摂取量、果物・野菜・加糖飲料の摂取量、家族との食事の頻度、社会経済的地位(自分寝室・自家用車・食洗器・バスルームの有無、パソコンの台数、過去1年での海外旅行数などで評価)などを把握した。