幼児教育の質の向上27 2026/03/04 (1)地方公共団体における体制の構築 ○ 公私や施設類型の垣根を越えて、研修機会の増加や幼小接続22の推進、幼児教育の質の向上に寄与する取組を促進する観点から、都道府県等が広域に幼児教育の内容・指導方法等に関する調査研究、幼稚園教諭・保育士・保育教諭や幼児教育アドバイザーに対する研修や相談業務、市町村や幼児教育施設に対する指導・助言・情報提供等の施策を総合的に実施するための拠点である「幼児教育センター」を設置することは重要である。幼児教育センターの設置により、公私合同研修の実施回数の増加や、幼小接続に向けた様々な活動の推進に効果がある。 ○ この幼児教育センターにおいては、幼児教育の専門性を有し指導・助言を行う指導主事の配置を進めることはもちろんのこと、公私や施設類型に共通する課題である教職員等の専門性の向上を図るため、幼児教育の専門的知見や豊富な実践経験を有し、域内の幼児教育施設への訪問支援等を通じて、教育内容や指導方法、環境の改善等について助言等を行う「幼児教育アドバイザー」を育成・配置することが重要である。 ○ 幼児教育アドバイザーは、園内研修の支援、実践力の向上、幼小接続の支援、特別支援教育など役割が多様化しており、求められる役割に応じた研修等を検討することが必要である。 ○ また、各地域、各園によって抱えている課題は多様であることから、異なる専門性を持った幼児教育アドバイザーを複数人で派遣することは効果的である。その際、特に保育所の場合、訪問日程の調整が難しい場合も多く、幼児教育センターが園のニーズと幼児教育アドバイザーの専門性や訪問日程等のコーディネートを行うなどの工夫をすることは有効である。一方で、様々な専門性を持った幼児教育アドバイザーを確保する必要があり、多様な幼児教育アドバイザーを採用できるよう工夫することが重要である。 ○ 都道府県と市町村の間で、幼児教育センターや幼児教育アドバイザーに関して役割を明確にしたり連携強化を図ったりすることも幼児教育推進体制の充実を図る上で重要である。地域の実情に応じ、都道府県を中心に幼児教育センターの設置が行われるとともに、市町村を中心に幼児教育の経験を持った指導主事の配置や幼児教育アドバイザーの育成・配置が行われることが期待される。また、幼児教育アドバイザーの役割分担として、例えば、市町村所属の幼児教育アドバイザーが園訪問を行い、都道府県所属の幼児教育アドバイザーは訪問先を限定し、域内の幼児教育アドバイザーの育成を主に担うことも考えられる。 ○ このように、地方公共団体においては、幼児教育センターの設置や幼児教育アドバイザーの育成・配置等の幼児教育を推進する体制を構築し、持続可能なものとして充実することが望まれる。また、地域の幼稚園教諭の教職課程を有する大学等やその附属幼稚園等と連携し、域内の取組内容の充実を図ることも期待される。 ○ 国においても、地域の実情に応じた取組が可能となるよう、こうした地方公共団体における幼児教育を推進する体制の充実・活用のために必要な支援を引き続き行うとともに、幼児教育アドバイザーの活用に当たっての留意事項の整理や好事例の収集等の検討を行う必要がある。
幼児教育の質の向上26 2026/03/03 5.幼児教育を推進するための体制の構築 ○ 幼児教育段階においては、幼稚園、保育所、認定こども園といった複数の施設類型が存在し、その多くが私立であるという現状がある。このため、教育内容面の支援に関しては、私学の特性を踏まえた対応が求められている。 ○ また、地方公共団体における幼児教育の担当部局の一元化は近年増加傾向にあるものの、地方公共団体によっては、公私、施設類型に応じて担当部局が異なり、一体的な取組を実施する上で課題がある場合がある。加えて、他の学校段階と比べて地方公共団体における幼児教育段階に係る体制が手薄な状況となっている。 ○ 子ども・子育て支援法(平成24 年法律第65 号)に基づく、教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業の提供体制の整備並びに子ども・子育て支援給付並びに地域子ども・子育て支援事業及び仕事・子育て両立支援事業の円滑な実施を確保するための基本的な指針(平成26 年内閣府告示第159 号)においては、令和2年4月1日からの改正部分において、幼児教育・保育に関する専門的知識・技能に基づき助言その他の支援を行う者の配置、教育・保育に関する施策を総合的に実施するための拠点の整備等の実施を通じて、質の高い教育・保育等の提供を図り、これらの事項について、都道府県及び市町村が作成する子ども・子育て支援事業計画に具体的に記載することが求められている。
幼児教育の質の向上25 2026/03/02 (3)幼児教育施設における子育ての支援の促進 ○ 地域の幼児教育の中心として、幼児教育施設がその専門性やノウハウを生かし、保護者が子育ての喜びや生きがいを実感できるよう、幼児教育施設における親子登園や相談事業、一時預かり事業等の取組の充実を図ることなどにより、子育ての支援の充実を図ることが必要である。 ○ 預かり保育については、幼稚園の多くがその実施に取り組むなど、教育活動であるだけでなく、3歳以降の子供の保育の受け皿としても重要な役割を果たしていると言える。質の向上を図りつつ、幼稚園利用者の保育ニーズにも適切に応えられるよう、一時預かり事業及び私学助成の双方における支援の充実を図る必要がある。 ○ 保護者参観だけでなく、降園後の園庭開放など、親子が一緒に活動する機会の重要性を再認識するとともに、園でしか見られない子供の姿を教職員が保護者に対して解説・助言することも有効である。
幼児教育の質の向上24 2026/02/27 (2)関係機関相互の連携強化 ○ 経済的困窮や虐待など、支援を必要としながらも支援が届きにくい様々な問題を抱える家庭に対しては、当該家庭の子供が通う幼児教育施設と教育委員会、市町村福祉担当部局や児童相談所等の関係機関が連携強化を図るなど、より十分な支援を行っていくことが必要である。 ○ また、地方公共団体において、障害者福祉関係の施策や外国人関係の施策については首長部局が担っていることが多く、教育委員会と首長部局の緊密な連携による支援が必要であり、関係機関相互の連携を促進する取組を充実することが必要である。 Japanese, father, baby, cute
幼児教育の質の向上23 2026/02/26 (1)保護者等に対する学習機会・情報の提供 ○ 教職員が保護者や地域住民と協働して子供の育ちに関わっていく上で、子供の発達や学び、各園での実践の意図やねらいを保護者や地域住民に知ってもらうことは重要であり、幼児教育施設の取組と併せて地域全体としての努力も必要となる。 ○ そのためには、教職員が自身の園の状況を把握・分析し、言語化するなどした上で、保護者や地域住民に発信することにより、保護者や地域住民の幼児教育に関する理解を深めていくことが重要である。特に、幼児教育は、小学校以降での教科等の学習に比べて、教職員の指導のねらいやその中で育まれている資質・能力が見えにくいと言われており、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」等を活用して、保護者や地域住民に丁寧に伝えることも有効である。 ○ 家庭教育の担い手である保護者の学びを支援するためには、幼児教育施設における子育て広場等の開催や地域の子供・保護者に対する相談体制の整備に加え、公民館等の地域の多様な場において、子育て経験者等による保護者向けの講座や親子で参加できる行事・プログラム、子育てに悩みや不安を抱える保護者への訪問相談の実施など、地域における家庭教育支援を充実することが必要である。その際、幼児教育施設をはじめとする関係機関との連携や、家庭教育支援に係る知見を有した地域人材の養成など、家庭にとって身近な支援体制とすることが重要である。