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2026年 3月

子どもの成長16

2026/03/31

SNS利用が小学生の身体イメージに影響か? 女児は自分が実際より太っていると認識しやすい傾向

SNS利用状況の把握

「自宅で勉強以外の目的で頻繁に利用するメディアを選択してください」という質問と、その選択肢として、通話、テキストメッセージ/チャット(LINE、カカオトークなど)、テレビ視聴、ゲーム、動画視聴(YouTubeなど)、アプリ利用(Instagram、X、Snapchat、Facebookなど)、情報検索、漫画鑑賞、読書などを挙げた。これらのうち、LINE、カカオトーク、Instagram、X、Snapchat、Facebookを選択した子どもを「SNS利用群」とし、それらを選択しなかった子どもを「SNS非利用群」とした。

このほかに、スクリーンタイム(自宅での勉強以外の目的でのテレビ、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などの利用時間)を質問した。

身体イメージの把握

身体イメージは7段階のシルエットチャート(1:非常に痩せている~7:非常に太っている)から、自分自身があてはまるものと、理想と考えるものを選択してもらい、両者の差を計算。差がない(スコア0)は、自分の体型が理想と一致していることを意味し、スコアがプラスの場合は痩せていることを望んでいる、スコアがマイナスの場合は太っていることを望んでいると判定した。

また、自分自身の体型を5段階スケール(痩せすぎ、やや痩せている、標準、やや太っている、太りすぎ)の中から選択してもらい、これを実際の体型(学校保健統計の身長・体重の標準値からの乖離の程度で分類)との差を計算。差がない(スコア0)は、自分の体型を適切に認識していることを意味し、スコアがプラスの場合は実際よりも太っていると考えている、スコアがマイナスの場合は実際よりも痩せていると考えていると判定した。

このほかに、理想的な身体イメージ像を、家族、親しい友人、クラスメート、メディアに登場する人(有名人、モデル、アイドル、アスリート、インフルエンサー、SNS上の人など)、および「該当する人はいない」の中から選択してもらった。

子どもの成長15

2026/03/30

SNS利用が小学生の身体イメージに影響か? 女児は自分が実際より太っていると認識しやすい傾向

若年男子の痩せ問題

他方、従来、メディアによる身体イメージへの影響は、性別で比較した場合、男子よりも女子により強く現れると考えられている。その理由として、女子は男子よりも外見を重視すること、対人関係によって考え方が影響されやすいこと、男子よりも思春期が早く発来し体格が変化してくることなどの関与が想定されている。それらの結果として、若年女性の痩せすぎが、しばしば公衆衛生上の課題として指摘されている。

しかし近年、日本の思春期前の男児の間で痩せが増加していることが報告されるようになってきた。女児と同様に男児にも、過剰な痩身願望が広がっている可能性が考えられる。

これらを背景として馬場氏らは、国内の小学生男児・女児を対象として、SNSの利用状況と身体イメージの調査を実施し、両者の関連性を検討した。

研究の方法:小学校2校の3~6年生を対象として横断的に解析

この研究は、公立小学校2校の3~6年生を対象とする横断研究として行われた。1,525人が参加し、回答内容の不備を除外し1,261人(82.7%)を解析対象とした。解析対象者は平均年齢が9.64±1.15歳、女児52%だった。

子どもの成長14

2026/03/27

SNS利用が小学生の身体イメージに影響か? 女児は自分が実際より太っていると認識しやすい傾向

国内の小学生のSNS利用状況と身体イメージとの関連性を調査した研究結果が報告された。SNSを使っている女児は、自分が実際よりも太っていると考える傾向があることや、性別にかかわらず、SNSを使っている子どもは、身近にいる友達やクラスメートよりもメディア上の人の体型を理想と考えていることが明らかにされている。筑波大学大学院人間総合科学研究科の馬場朝美氏、麻見直美氏らの研究によるもので、論文が「European Journal of Investigation in Health, Psychology and Education」に掲載された。

研究の背景:SNS利用は小学生の身体イメージにも影響を及ぼしている?

SNS利用の拡大と低年齢化

テレビや雑誌などに登場する人の体型が、若者の身体イメージに影響を及ぼし、痩身願望を強めたり、過度の食事制限、メンタルヘルスの不調、摂食障害などのリスクを高めたりする可能性が指摘されている。さらに今世紀に入って以降、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が台頭し、従来型メディアよりも強い影響力を持ちうることが指摘されるようになった。

ただし、これまでのところ、このトピックに関する研究は若年成人や思春期以降の青年を対象に行われている。その一方でSNSの利用は低年齢化していて、2023年の調査では、日本の小学校高学年の58%がLINEやTikTok、Instagram、XなどのSNSを利用していると報告されている。

子どもの成長13

2026/03/26

小学生のスクリーンタイムの長さは朝食欠食、夜食習慣、寝不足などと関連 小学5・6年生400人の横断研究

スクリーンタイムを減らして身体活動を増やす働きかけも必要

本研究では上記のように、スクリーンタイムが2~3時間未満の子どもは入眠困難が多く、スクリーンタイムがより長い3時間以上の子どもはそうでなかった。この点について著者らは、電子デバイスの使用は基本的には入眠を妨げると考えられるが、3時間以上に及ぶ場合、睡眠時間そのものが短縮することや、疲労が蓄積するために、入眠困難を来しにくくなるのではないかと考察している。

また、身体活動時間はスクリーンタイムと有意な関連がなかったが、過去の複数の研究から、スクリーンタイムの長さは身体活動の少なさや座位行動の多さと関連が示されているため、スクリーンタイムを減らし身体活動を増やすという働きかけが、今後も重要と考えられるとしている。

なお、本研究の限界点としては、研究対象校が1校のみであり、スクリーンタイムに影響を及ぼし得る社会経済的地位(世帯収入や保護者の就業状況など)を把握していないことなどが挙げられている。

子どものスクリーンタイムの上限を設定すべきではないか

以上、一連の調査結果に基づく考察のうえで著者らは、「日本の小学校高学年の児童において1日3時間以上のスクリーンタイムは、多くの食事・睡眠習慣の悪化と関連していた。海外では子どものスクリーンタイムを『1日2時間まで』としている国が多いが、日本ではそのような推奨がなされていない。諸外国の事例を参考にしつつ、我が国では学習目的での電子デバイスの利用も多いこと、子どもの睡眠時間が諸外国の子どもより短いことなどを考慮したうえで、独自の基準を設けるべきではないか」と提案している。

子どもの成長12

2026/03/25

小学生のスクリーンタイムの長さは朝食欠食、夜食習慣、寝不足などと関連 小学5・6年生400人の横断研究

食習慣や睡眠習慣がスクリーンタイムの長さと独立して関連

次に、スクリーンタイムを独立変数、調査で把握したその他の因子を従属変数とする多変量解析を実施。スクリーンタイムが2時間未満の群を基準として、スクリーンタイムが3時間以上の群は、食事・睡眠の不良が多いことがわかった。その関係は、性別、学年、肥満度、新体力テストの体力合計得点を調整後にも、以下のように有意性が保たれていた。

朝食を全く/時々食べないことはオッズ比(OR)2.37(95%CI;1.05~5.38)、夜食をよく/ときどき食べることはOR2.72(1.41~5.23)、睡眠時間6時間未満はOR10.45(2.78~39.30)、就寝時刻が午後10時以降はOR2.81(1.43~5.53)、午後11時以降はOR3.97(1.95~8.07)。身体活動時間と入眠困難は有意な関連がなかった。

なお、スクリーンタイムが2~3時間未満の群は、入眠困難のみが有意な関連因子だった(OR2.05〈1.17~3.58〉)。

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