子どもの成長29 2026/04/17 幼児期の「屋外で過ごす時間」や「スポーツクラブなどへの参加」が3年後の運動能力に関連 外で過ごす時間の分布と、組織化されたスポーツの参加状況 この研究は2015~16年に、フィンランド国内の人口の分布を考慮して選ばれた24地域から、3~8歳の子どもとその保護者を募集。その3年後の子どもが6~11歳になった時点で追跡調査を行った。両方の調査に参加した627人(女児51.0%)を解析対象とした。 ベースライン(3~8歳時点)における年齢は5.5±1.1歳で、平日1日に屋外で過ごす時間は、全くない2.9%、30分未満22.8%、30~60分58.1%、60分以上16.3%、休日1日に屋外で過ごす時間は、全くない0%、30分未満1.0%、30~60分10.4%、1~2時間48.8%、2時間以上39.9%。性別で比較すると、平日の屋外で過ごす時間については、男児が女児よりも有意に長く(p=0.004)、休日については群間差が非有意だった(p=0.064)。 組織化されたスポーツの参加は、非参加が43.9%、参加が56.3%で、後者は単一スポーツが38.1%、複数のスポーツが18.0%だった。性別で比較すると、非有意ながら男児の参加率のほうが高い傾向にあった(p=0.057)。 追跡調査時点の年齢は、8.7±1.1歳だった。
子どもの成長28 2026/04/16 幼児期の「屋外で過ごす時間」や「スポーツクラブなどへの参加」が3年後の運動能力に関連 3~8歳の子どもが屋外で過ごす時間、および、スポーツクラブなどの組織化されたスポーツ活動に参加しているか否かが、6~11歳に成長した時点の運動能力の予測因子であるとする研究結果が報告された。また、これらの関連性はそれぞれ独立したものであって、屋外で過ごす時間が長く、かつ、組織化されたスポーツ活動に参加していることによる、成長後の運動能力に対する相互作用は観察されないという。 子どもの外遊びやスポーツへの参加による運動能力への影響を縦断的に解析 運動能力の発達は小児期を通じて比較的安定しており、幼少期に何らかの理由で運動能力の発達が阻害された場合、後年まで影響が持続することが多いとする報告がある。子どもの運動能力の発達を促す因子として、いわゆる「外遊び」と言われる屋外での一般的な(組織化されていない)身体活動と、指導を受けながら体力や技量向上を目指す、組織化されたスポーツへの参加という、二つの因子が考えられる。 ただ、それらが成長後の運動能力にどの程度、影響を及ぼすのかという点や、両者が相乗的に運動能力をより高めるのかという点を、縦断的に検討した研究は少ない。今回取り上げる論文は、フィンランドで行われた子どもの運動能力に関する縦断研究のデータを解析した結果であり、屋外で過ごす時間と組織化されたスポーツへの参加の有無と運動能力を調査し、その3年後に再度運動能力を評価して関連を検討している。
子どもの成長27 2026/04/15 「授乳や栄養摂取の制限は慎重にすべき」乳児期の体重増加は将来の肥満リスクと関連しない可能性 国立成育医療研究センター 研究の方法:妊婦の母子健康手帳に記録されていた体重と現在の体重の関係を検討 2017年4月~2021年12月に同センターへ通院し、研究参加と母子健康手帳のデータ提供に同意した1,501人のうち、妊娠前体重データがそろっていた1,441人を対象とした。対象者には、出生体重、生後1・3・6カ月の体重、授乳方法などの情報が記載された自身の母子健康手帳を持参してもらい、データを収集した。 生後1・3・6カ月時の体重増加量を5カテゴリーに分類(人数で均等割)し、妊娠前の体重から、それぞれのカテゴリーの中で「やせ」と「肥満」になった人の割合を算出。乳児期の体重増加量と「やせ」「肥満」との関連を解析した(図5)。 研究者コメント:乳児期の体重増加に基づく授乳・栄養の制限は慎重に 研究者らは、今回の研究結果について以下のように述べている。 「赤ちゃんの体重が大きく増えると『将来肥満になるのでは』と、ミルクをこのままの量であげていいのか心配なる母親もいるかもしれない。しかし今回の研究から、乳児期の体重増加が多くても将来の肥満の割合は上昇せず、むしろやせの割合は低下する可能性があることが明らかになった。乳児期の栄養環境は将来にわたって影響する。成長曲線のグラフの範囲よりも多く体重が増えているからといって、授乳や栄養摂取について安易に制限するのは慎重であるべきと考える」。
子どもの成長26 2026/04/14 「授乳や栄養摂取の制限は慎重にすべき」乳児期の体重増加は将来の肥満リスクと関連しない可能性 国立成育医療研究センター 研究の背景と目的:日本人女性の乳児期の体重変化は成長後の体重に影響するのか 成人期の肥満・やせは、心血管疾患や妊娠合併症などの将来的な健康リスクと関連することが知られている。さらに妊娠前の肥満・やせは、母体のみならず子どもの予後にも影響を与えることが知られている。これは「DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)」という、発育初期の栄養環境が将来の健康に影響を及ぼすとされる概念に基づいている。 DoHADは、胎児期に母体から供給される栄養の不足や過剰が、子どもにどのような影響を及ぼすのかを長期的に検討する考え方で、近年ではこの概念が拡大し、出生後~乳幼児期(1~2歳)までの体重増加量と、その後の肥満・やせとの関連にも関心が寄せられている。 これまで、日本人女性を対象に出生直後から乳児期早期(生後1~6カ月)の体重増加量と成人期の体重との関連に着目した研究はなかった。そこで今回の研究では、母子健康手帳に記載されているデータを利用して、出生体重や乳児期の体重増加量が成人期の肥満・やせに与える影響を調査した。
子どもの成長25 2026/04/13 「授乳や栄養摂取の制限は慎重にすべき」乳児期の体重増加は将来の肥満リスクと関連しない可能性 国立成育医療研究センター 明らかになった主なポイントは以下のとおり。 研究のポイント ・乳児期に体重が多く増加しても、成人期に肥満になる割合は上昇していない。生後6カ月時点で体重増加が大きかった上位20%の群(5,230~7,700g)でも、妊娠前の肥満との関連はない。 ・一方で、乳児期に体重が多く増加すると、成人期のやせの割合は低下。生後6カ月の時点で体重増加が大きかった上位20%の群(5,230~7,700g)では、妊娠前にやせになる割合が低下していた。十分な体重増加が、将来のやせを予防する可能性が示唆された。 ・ただし、生後1・3カ月時点での体重増加量は、妊娠前の肥満・やせの割合に関連がなかった。 ・授乳や栄養摂取が適正かどうかを判断する際、乳児期の体重増加量だけを根拠に、安易に授乳量の制限をすべきではない可能性が示唆された。 ・授乳や栄養摂取が適正かどうかを判断する際、乳児期の体重増加量だけを根拠に、安易に授乳量の制限をすべきではない可能性が示唆された。 ・母子健康手帳に記載されている成長曲線は、赤ちゃんの発育を評価するための目安。必ずそのとおりに発育していないといけないわけではなく、乳幼児健診で医師や保健師などに見てもらうべき。