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2023年 8月

Ⅱ 令和の日本型学校教育 41

2023/08/31

3.新時代に対応した高等学校教育等の在り方について

連載してきていますがこの項目以降がしばらく高等学校の在り方、特色や魅力化ですので、項目のみ紹介します。

(1)基本的な考え方

○高等学校の在り方の検討に当たっては,令和4(2022)年度から新しい高等学校学習指導要領が年次進行で実施されることを見据えて,現在在籍している生徒及び今後入学してくる生徒の可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びが実現されるよう検討を進める必要がある。

○また,新型コロナウイルス感染症対応においては,緊急時においても生徒の学びを保障するために,遠隔・オンライン教育の活用を含めた柔軟な取組が行われたところである。こうした中,感染拡大を通じて再認識された高等学校の福祉的機能(安全・安心な居場所の提供)や社会的機能(社会性・人間性の育成)といった役割や価値も踏まえ,遠隔・オンラインか対面・オフラインかという二元論に陥ることなく,高等学校の役割を最大限に果たすために,その最適な組合せを探ることが必要である。

○なお,後期中等教育機関としては高等学校の他にも,専修学校高等課程(以下「高等専修学校」という。)や特別支援学校高等部等があり,高等学校と同様に重要な役割を担っている。高等専修学校は生徒の興味・関心や将来の進路希望等に応じて,実践的な職業教育を基軸にしながら,選択幅の広い柔軟なカリキュラム編成や教育機会の提供を行っているところであり,高等学校と同様に,学びの場としての充実を図っていくことが求められる。

(2)高校生の学習意欲を喚起し,可能性及び能力を最大限に伸長するための各高等学校の特色化・魅力化

(3)定時制・通信制課程における多様な学習ニーズへの対応と質保証

(4)STEAM教育等の教科等横断的な学習の推進による資質・能力の育成

(5)高等専修学校の機能強化

 

義務教育ではないが、現在在籍している生徒及び今後入学してくる生徒の可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びが実現されるよう検討を進める必要がある。としています。要は社会につながる教育をより深めていくことだと思います。長時間の部活動や遠征等で学びたくても十分な学習ができない生徒、おかれている環境、様々な生徒の状況を把握する必要がありますね。そのことがさらなる専門的な知識技能を取得するための学校や大学へと進む支援の礎であり、職に就こうとしても工夫や新たなものへの挑戦する思考とな支援が必要ですよね。社会ではICTツールを使うことは今や必然であり、協力して活用すること、その有効活用となる思考能力が求められます。そのためには仲間と楽しく過ごすことが重要なことであります。ルールや規律を守ることは当然でありますが、将来を見据え、仲間と過ごす時間を大切にして欲しいですね。

 

Ⅱ 令和の日本型学校教育 40

2023/08/30

3.新時代に対応した高等学校教育等の在り方について

(1)基本的な考え方

○高等学校は,義務教育機関ではないものの,既に進学率が約99%に達し,今日では中学校を卒業したほぼ全ての生徒が進学する教育機関となっている。それゆえ,高等学校には多様な入学動機や進路希望,学習経験,言語環境など,様々な背景を持つ生徒が在籍していることから,義務教育において育成された資質・能力を更に発展させながら,生徒の多様な能力・適性,興味・関心等に応じた学びを実現することが必要である。

○また,高校生の現状の一つとして,学校生活への満足度や学習意欲が中学校段階に比べて低下しており,高等学校における教育活動を,高校生を中心に据えることを改めて確認し,その学習意欲を喚起し,可能性及び能力を最大限に伸長するためのものへと転換することが急務である。

○さらに,高校教育を取り巻く状況をみると,産業構造や社会システムが「非連続的」とも言えるほどに急激に変化しており,少子化の進行によって,高等学校としての教育的機能の維持が困難となっている地域・学校も生じているなど社会経済の有り様を踏まえた高等学校の在り方の検討が必要である。高等学校は初等中等教育段階最後の教育機関として,高等教育機関や実社会との接続機能を果たすことが求められており,また,選挙権年齢や成年年齢が18歳に引き下げられることなどを踏まえ,生徒が高等学校在学中に主権者の一人としての自覚を深めていくための学びが求められている。このため,高等学校においては,社会経済の変化を踏まえながら,自己のキャリア形成と関連付けて生涯にわたって学び続けていけるよう,2.(2)①で述べた義務教育段階での取組をより発展させる形で,学びに向かう力の育成やキャリア教育の充実を図ることが必要である。

 

学校生活への満足度や学習意欲が中学校段階に比べて低下しており,高等学校における教育活動を,高校生を中心に据えることを改めて確認し,その学習意欲を喚起し,可能性及び能力を最大限に伸長するためのものへと転換することが急務である。としています。さらに、少子化によって,高等学校としての教育的機能の維持が困難となっている地域・学校も生じている。と捉えています。

熊本県内においても熊本市内の高校は都市部の利を生かし、倍率も高く、当然入学が叶わないこともあります。小学校中学校までは補完教育に通う熱心さもありますが、高校において学校で学ぶことや補完教育を受けることを継続している生徒はさらに上級学校への進学にも有利なように感じます。特に熊本は出身高校による仲間意識も強く、特徴でもあろうが、実は社会に出てからがとても大事なのです。地元愛、高校愛に特徴的な地域であります。社会に出てからも学び続けるような自覚、キャリア形成をどう描くかなども高等学校教育としては必要なことだと思います。何よりも高等学校では仲間と楽しむことが大切です。夢や希望を持てる高校生活を送れるような学校体制が大切です。そのことを奪うようなことがあってはなりません。

 

 

Ⅱ 令和の日本型学校教育 39

2023/08/29

2.9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について

(6)いじめの重大事態,虐待事案等に適切に対応するための方策

○このため,児童生徒が主体となった自己有用感や社会性を高める活動の促進,生徒指導上の課題との関連も指摘される背景等の困難を抱える児童生徒への包括的な支援の在り方の検討,SOSの出し方に関する教育を含む自殺予防の取組の推進等を図ることが重要である。

○また,スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの配置時間等の充実や,SNS等を活用した相談体制の全国展開などの教育相談体制の整備や,いわゆるスクールロイヤー等を活用した教育委員会における法務相談体制の整備などの取組を引き続き進めていくことが必要である。

○さらに,学校いじめ防止基本方針の実効化やいじめ等の状況に関するデータの活用の促進,虐待の早期発見・通告,保護・自立支援を円滑に行うための学校における対応の徹底や研修などの支援策を講じるとともに,更に効果的な対策を講じるための調査研究を進めていくことが必要である。

 

生徒のSOSに気づく人間味ある体制。いじめた側は「そのくらい」としか考えません。今の社会では、多くの方が「いじめは犯罪」という認識です。特に報道に出るような問題は卑劣で耐え難い。なぜもっと早く対応をといった問題ばかりです。生徒間や職員からのいじめも問題です。職員も人ですが、教育者であるなら自己保身ではなく、児童生徒を守ることが先決です。報道で流れるものは、児童生徒が命をなくしたケースばかり、命がなくなってからでは遅いのです。早期対応、見逃さない体制が必要です。さらには、公立学校には教育委員会が関与しますが、私学には関与がありません。なぜか重大事態にもならない対応なのです。条例等は公立に適用されることが基本だからです。こども家庭庁が設置され、司令塔として、子どものことはすべて管轄すべきことなのですが、文科省、教育委員会において私学について建学の精神に配慮していることからすべての児童生徒が救われないのです。悲惨な報道は公立学校ばかりです。私学は伏せられているのでしょうか?不思議なことは止めましょう。すべての子どもの命を守ることが大切なのです。

いじめや暴力は犯罪。虐待も犯罪。見逃す学校、教員も罪に問われて当然です。子どもの人生を潰すわけですから。それほど重要な問題だということを認識する必要があります。学校の立場や教員自らの立場を守るために隠ぺいする、また、自らを擁護して都合のいいように解釈するような学校では令和の学校教育やグローバル社会に通用する人材の礎を託せるのでしょうか。

 

Ⅱ 令和の日本型学校教育 38

2023/08/28

2.9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について

(6)いじめの重大事態,虐待事案等に適切に対応するための方策

○令和元(2019)年度の小中学校におけるいじめの認知件数は591,069件,重大事態の発生件数は593件とそれぞれ過去最多で,近年は増加傾向にある。暴力行為の発生件数については,令和元(2019)年度は72,132件であり,過去5年間の傾向として,小学校における暴力行為が大幅に増加している。

○また,令和元(2019)年における日本の自殺者の総数は20,169人と,近年は減少傾向にある中,小中学生の自殺者数は120人となっており,児童生徒の自殺が後を絶たないことは,極めて憂慮すべき状況である。児童相談所における児童虐待相談対応件数も増加しており,令和元(2019)年度は193,780件と過去最多となっている。このうち,学校等が相談経路となっているのは14,828件と,約8%を占めている。

○こうした課題に対処するためには,児童生徒の問題行動の発生を未然に防止するために,成長を促す指導等の積極的な生徒指導の充実,生徒指導上の課題の発生や深刻化につながることも指摘される背景や要因といった困難の緩和,教育相談体制の整備,教育委員会・学校における組織的な対応の推進を図るとともに,児童虐待防止に向けては,教育委員会・学校と市町村,児童相談所,警察等の関係機関との連携強化を図っていくことが必要である。

 

昨年発表された義務教育機関の不登校、長期欠席者の状況は、22019年25万人から、2020年には28万人、2021年度には42万人に増えています。コロナ禍での学校生活が大きく変化したことが要因とされています。コロナ禍で他者との接触がなくなり、リモートでのやり取りなど人と人をつなぐ方式が増え、戸惑う児童生徒が増えたことも要因です。そこに足りないのは人の直接的な関わり、温かみでもあるように感じています。

コロナによって人間関係が希薄化し、関わりに難しささえあることは事実で、何かにぶつけたといった心理もあろうかと思います。しかし、いじめや暴力は犯罪です。学校側がいじめや暴力を常に意識し、事実を認識することです。

暴行や教員による行き過ぎた指導も今や虐待につながります。問題行動とし、背景をしっかり調査するなどの原因究明、再発防止にどれだけ本気で向かい合えるかは学校の姿勢です。どれだけ早急に、的確に問題視して取り組むかによってその後が変わってきます。毅然とした態度で許さない姿勢。もちろん謝ったら終わりではありません。原因究明と再発防止。学校管理者の資質が問われる問題なのです。

学校や教員が見て見ぬふり、認めたくなくとも認めなければ子どもの命にかかわることにつながるのです。報告義務にて都合のいい報告をあげるのではなく、事実をすぐに伝える必要があります。学校でにいじめなど多くが児童生徒の命がなくなってからの報道ばかりであり、調査を始めることが遅いのです。命がなくなってからでは遅いのです。命は尊ぶ。すべての子どもを守るために学校側の認識を変えていく必要があります。

 

Ⅱ 令和の日本型学校教育 37

2023/08/25

2.9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について

(5)生涯を通じて心身ともに健康な生活を送るための資質・能力を育成するための方策

○また,今後,ますます多様化する社会の変化の中で,子供たちの置かれている生活環境も様々であり,食育においても今まで以上に個別に寄り添った支援が求められる。加えて,学習指導要領にもあるとおり,現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力の一つである,食に関する資質・能力を定着させるには,教科等横断的な視点での学びが求められるとともに,児童生徒が他者と協働して主体的に学習活動に取り組むことが重要である。このため,健康教育の基盤となる食育の推進を担う栄養教諭等の専門性に基づく指導の充実を図るとともに,学校栄養職員の栄養教諭への速やかな移行を図るなど,栄養教諭の配置促進を進めることが必要である。

 

健康を害してはじめて気づく食の大切さです。若い時にはあまり影響もないことですが年を重ねるごとに若い時の食生活の影響を感じてしまう現実があります。食の大切さ、基盤となることなどより専門家による教育を充実させる必要がありますよね。このことについても都会と地方では大きな違いもありますが、人の配置や巡回教育、ICT活用での遠隔授業など必ず食について専門家の授業や指導が受けられ体制にして欲しいものです。保育所等には栄養士の配置等が推進されています。

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