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2024年 10月

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 15

2024/10/18

3.こども基本法等

○ 令和4年6月、こども基本法が成立し、「次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ること」ができる社会の実現を目指して、こども施策を総合的に推進していくこととなった。

○ また、こども施策は、全ての子供について、教育基本法の精神にのっとり教育を受ける機会が等しく与えられること等を基本理念としながら行われなければならないとされた。

○ さらに、令和5年4月には、こども施策を強力に推進する司令塔としてこども家庭庁が発足する予定であり、子供と家庭の福祉の増進・保健の向上等の支援、子供の権利利益の擁護に取り組むこととされている。 また、子供にとって必要不可欠な教育は、文部科学省の下で充実することとされ、文部科学省は、こども家庭庁と密接に連携を図ることとされている。

○ 上記を踏まえ、文部科学省においては、こども家庭庁等と連携を図りながら、全ての子供が格差なく質の高い学びへと接続できるよう、幼児期及び架け橋期の教育の充実に取り組むことが求められる。

 

子どもの権利というものが強調されています。誰一人取り残さない精神です。しかしながら現状は家庭環境の違い、経済的環境の違い、多様なのです。地域によっても大きな格差があってはならず、学校への期待も大きくなります。その上で、教育を受ける機会が等しく与えられることは基本理念としており社会としても責務であるように感じます。決して誰一人取り残さない。その社会的な理念も必要だと感じます。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 14

2024/10/17

○ 小学校学習指導要領においても、幼児期の教育から小学校教育に円滑に移行できるよう、各教科等の指導において「幼稚園教育要領等に示す幼児期の終わりまでに育ってほしい姿との関連を考慮すること」が求められている。また、「特に、小学校入学当初においては、幼児期において自発的な活動としての遊びを通して育まれてきたことが、各教科等における学習に円滑に接続されるよう、生活科を中心に、合科的・関連的な指導や弾力的な時間割の設定など、指導の工夫や指導計画の作成を行うこと」とされ、スタートカリキュラムの編成・実施に関わる規定がなされた。これを受け、国立教育政策研究所においては、「発達や学びをつなぐスタートカリキュラム ~スタートカリキュラム導入・実践の手引き~」(平成30年)が作成されている。

○ これらを踏まえ、これまでの幼保小の学びや生活をつなぐ工夫としては、交流行事や合同研修など、子供同士や先生同士の交流・相互理解を促す取組、発達の段階に応じた教育の特質について理解を促す工夫(「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の共有など)、子供一人一人の学びや生活の過程で考えられる困難さと指導上の工夫の共有などが行われてきている。

 

幼保小の学びや生活をつなぐ工夫としては、交流行事や合同研修など明記されましたが未だにありません。熊本市だけなのでしょうか。これが縦割り行政の現実です。文科省と厚労省。公立幼稚園は県の教育委員会主管。保育所は市町村町保育行政課の管轄。保育は市町村の実施義務だからです。さてここで、こども家庭庁が設置されました。頭が三つにならなければいいのですが。交流しようと思っても管轄の違いが子どもの成長を支えることに影響を与えています。ましてや学校教育においても公設は教育委員会ですが、私立は私学振興課の管轄なのです。

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 13

2024/10/16

○ また、保育所保育指針や幼保連携型認定こども園教育・保育要領についても、教育に関わる側面のねらい及び内容に関して、3要領・指針の更なる整合性を図る改定・改訂が行われた。また、育みたい資質・能力として、「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」を示した。これらの資質・能力が、5領域におけるねらい及び内容に基づいて展開される活動全体を通して育まれていった時、幼児期の終わり頃には具体的にどのような姿として現れるかを、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として明確化した。併せて、小学校教育との円滑な接続を重視している。

 

「育みたい資質・能力として、「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」を示した。これらの資質・能力が、5領域におけるねらい及び内容に基づいて展開される活動全体を通して育まれていった時、幼児期の終わり頃には具体的にどのような姿として現れるかを、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として明確化した。併せて、小学校教育との円滑な接続を重視している。」。こう示されているのですが、保育の現場においては、姿として現れるためには、何をどう引き出し、促していくかが大切なのですが、「させる」「やらせる」ことで到達したと勘違いも起きているのです。させるやらせるは主体性が大人であって、子どもが主体ではないのです。「教えるから学ぶ」そのために同環境を準備するかなのです。しかも活動全体を通して育まれるものですが、そのものズバリを一斉にやらせることでもないはずです。やらされてばかりだと小学校へ行っても学ぶことに苦慮するのですが。指示や命令で動く時代ではないのです。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 12

2024/10/15

2.現行3要領・指針、小学校学習指導要領等

○ 現行幼稚園教育要領の改訂に当たっては、幼児教育から高等学校教育までを見通して教育課程の基準の在り方について議論がなされ、中央教育審議会「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(平成28年12月21日)が取りまとめられた。

○ この答申を踏まえ、平成29年に改訂された現行幼稚園教育要領では、「よりよい学校教育を通してよりよい社会を創る」という目標を学校と社会が共有し、連携・協働しながら、新しい時代に求められる資質・能力を子供に育む「社会に開かれた教育課程」の実現を目指し、育成を目指す資質・能力の明確化や「主体的・対話的で深い学び」が実現するようにすること等が示されている。

 

まず「よりよい学校教育を通して」とは当時から云われておりますが7年経ってどうなのでしょうか。質の高い学校教育を子どもがどのような環境においても学ぶ権利が保障されてきたでしょうか。ようやく最近になって改善されてきたこともありますよね。このころから不登校児童といったことが取り上げられてきました。学校になじめない、いじめや暴力といった不適切なことで学校に通うことができなくなる。友達関係先生との関係が構築できなかったり、ありえないことをされてしまう世の中で、オンラインといったことで再度つながることにもつながっています。開かれた学校教育とは今一度考えることが大切です。不祥事を隠蔽する学校があったり、大人の都合で解釈することさえ横行しています。子どもを育むとはどういうことなのか、しっかり社会として許されざることは許さないとはっきり示すことも必要ではないでしょうか。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 11

2024/10/11

○ 平成21年には、文部科学省と厚生労働省の共同で「保育所や幼稚園等と小学校における連携事例集」が作成され、平成22年には、文部科学省の調査研究協力者会議(オブザーバー:厚生労働省)において「幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方について(報告)」が取りまとめられた。当該報告においては、学びの芽生えの時期である幼児期から自覚的な学びの時期である児童期への円滑な移行を図ることが重要であること、幼児期から児童期に求められる教育、幼小接続における教育課程編成・指導計画作成上の留意点、幼児期の終わりまでに育ってほしい幼児の具体的な姿(参考例)などが示され、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」をはじめ、現行の3要領・指針の改訂・改定にもつながった。

○ また、この間、文部科学省と厚生労働省とで連携し、幼稚園と保育所の施設の共用化の推進、幼稚園教諭と保育士の合同研修の実施、免許・資格の併有の促進等の取組も行ってきた。平成18年には、急速な少子化の進行や家庭・地域を取り巻く環境の変化に伴い、多様化するニーズに柔軟かつ適切に対応するため、就学前の子供に教育・保育を一体的に提供し、地域における子育て支援を実施する施設として、認定こども園制度が創設された。さらに、幼保連携型認定こども園制度の創設に伴い、平成26年には、幼保連携型認定こども園教育・保育要領が公示された。

 

「学びの芽生えの時期である幼児期」いやですねこの表現。医学的に胎児のころから母体の中で音や言葉、どうやら喜怒哀楽、母体の感情まで感じ取るともいわれています。OECDのECECにおいても発達は胎児からであることも示されています。それは学びの始まりですよね。さらに生まれてからも視覚や聴覚だけでなく、人との関わりも出てきます。真似をする、共鳴する、共感する。すべて学びの始まりです。学びは教師がいて、机に座って聞くことだけが教育と思い込んでいるとこの改定にはついていけません。学びとは何かの理解も必要です。

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