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2023年 1月

人間の本性 6

2023/01/31

『群れがまとまってどこかに出発しようとするときに、まずリーダーであるオスのゴリラが胸をパカパカとたたいて「さあ、あっちへ行こう」と宣言する。だけどメスや子どもたちが「いや、私たちはこっちに行くんだ」と言うと、声を出し合います。その声が多い方にみんなが従って、結局しぶしぶゴリラのオス・シルバーバックも、メスたちに従ってそっちの方向に行くことになる。こういう暮らしを研究者たちがつぶさに観察をして、結果として「ゴリラは決して暴力的な動物ではなく、平和な暮らしを好む」ということが分かりました。その結果、祖先を共有する人間の祖先も、決して暴力的ではなかったのではないか。平和な暮らしを好む性質を持っていたのではないかと考えられるようになったんです。』

きっとそうですよね。生き延びるためには平和的な暮らしが基本にあるでしょう。共有、共感、民主主義的を感じますよね。

人間の本性 5

2023/01/30

『背中の白いシルバーバック(大人のオス)が、自分の力を示したいために、ちょっと暴れ始めました。群れのメンバーがなかなか自分を認めてくれないので、自分の力を誇示して認めてもらおうとしているわけです。この暴れているオスのゴリラに、小さなゴリラが近づいていきました。子どもが、そうっと手を触れて「やめなさいよ」と言っているように見えませんか。そしてその後ろから、もうちょっと体の大きい若いゴリラが近づいてなだめます。シルバーバックは、なだめられておとなしくなりました。こういったことがしょっちゅうあるんです。「ゴリラの民主主義」と言われる行動なのです。』

言葉がなくとも「やめなさいよ」「あなたを認めていますよ」といった平和的行動をする。ヒトの歴史でも我々の祖先においてもきっとそういったことがあり、今に繋がっているのではないかと感じる事柄ですね。他者を認める。共感するとか、認め合うといったことが平和な生活に繋がっているのではないでしょうか。

人間の本性 4

2023/01/27

『しかし1950年代以降、つまりゴリラの発見から100年たって、野生のゴリラの群れの中に入ってゴリラの生態を詳しく観察できるようになると、だんだん真実が明らかになってきた。「ドラミング」という行動は、戦いの宣言ではなく、むしろ戦いを避けるために自己主張し合う、戦わずにお互いメンツを持って引き分けるという提案。コミュニケーションだということが分かってきた。実はゴリラはとても平和な生活をしているのです。その暮らしの中では、けんかやトラブルを巧妙に仲裁する行動も見られています。』

言葉はなくともコミュニケーションで自己主張する。平和的な生活を望むからこそ生き延びてきたのではないかとも感じるところです。ヒトの祖先も初めは言葉やましてや文字なども持ちません。コミュニケーションによって平和的な生活をして生き延びてきたと想像できますね。

人間の本性 3

2023/01/26

『一方で同じ頃1846年に、欧米の探検家によって、アフリカでゴリラが発見され、ヨーロッパに紹介された。そのときに探検家たちは「ゴリラというのは凶暴で悪魔のような性質を持っている戦争好きな動物だ」と紹介しました。なぜそんな印象を抱いたかというと、探検家と出会ったときに、ゴリラが二足で立って両手で交互に胸をたたき、「ドラミング」を行った。この大仰な行動を見ると「襲われるんじゃないか」という恐怖に駆られる。確かに大迫力です。だって、人間より2倍以上も大きいですからね。だから当時の探検家もこの行動を見て、ゴリラは凶暴だと判断してしまったわけです。

その結果、ゴリラが発見されてから100年以上も「ゴリラは凶暴だ」という印象が定着してしまった。その凶暴なゴリラをモデルにしたのが「キングコング」という映画です。1932年にハリウッドで製作された映画ですけれども、ゴリラに非常によく似ているのです。』

1933年に公開され、映画監督も「「恐ろしいゴリラの映画」を撮影するためとコメントを残しています。その後日本でもキングコングを題材にキングコングとゴジラ、キングコング逆襲などの映画か作られています。ゴリラは凶暴なのでしょうか。

人間の本性 2

2023/01/25

『人間に近い類人猿には、オランウータン・ゴリラ・チンパンジーがいる。それぞれ複数の種が現在まで生き残っている。でも人間は、これまでにもいろんな種類の人類が現れてきたけれども、みんな絶滅してしまって、現在はたった一種しか生き残っていない。我々の祖先のルーツを知るためには、複数種の人類がいないんだから、人間に近いゴリラやチンパンジーの暮らしを参照してみなければいけない。』

進化論と化石などから様々な種がいたことは解明されています。ただ、ヒトはたった1種類のホモ・サピエンスのみ生き延び、袂を分かち合ってゴリラやオランウータンも生き延びてきていることにも興味があります。

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