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2024年 2月

教育・保育要領解説53

2024/02/29

キ 自然との関わり・生命尊重 2

保育教諭等は、園内外の自然の状況を把握して積極的に取り入れるなど、園児の体験を豊かにする環境をつくり出し、園児が好奇心や探究心をもって見たり触れたりする姿を見守ることが大切である。ときには、園児の体験していることや気付いたことを保育教諭等が言葉にして伝えることによって、園児がそのことを自覚できるようにしたりしながら、それぞれが考えたことを言葉などで表現し、更に自然との関わりが深まるようにすることが大切である。

また、保育教諭等は、飼育や栽培を通して単に世話をすることを教えるだけでなく、動植物への親しみや愛着といった園児の心の動きを見つめ、ときには関わり方の失敗や間違いを乗り越えながら、命あるものをいたわり大切にする気持ちをより育むように援助することが重要である。身近な動植物との関わりの中での様々な出来事に対して、それぞれの生き物に適した関わり方ができるよう、園児と一緒に調べたり、園児の考えを実際にやってみたり、そこで分かったことや適切な関わり方を、学級等の友達に伝えたりする機会をつくることも大切である。

こうした幼児期の経験は、小学校の生活や学習において、自然の事物や現象について関心をもち、その理解を確かなものにしていく基盤となる。さらに、実感を伴って生命の大切さを知ることは、生命あるものを大切にし、生きることのすばらしさについて考えを深めることにつながっていく。

 

園児の体験を豊かにすることを目的に畑の活動や山に行くことなど力を入れています。もちろん、させる、やらせるでは子ども達のこころには響きませんし、体験をしただけにしかなりません。好奇心探求心につながる更にもう一歩の活動を意識しています。例えばこの冬も随分と野菜の収穫、特に大根やカブは毎日のように収穫に出かけましたが、種まきをして、芽が出て、日々水やりをして、間引く機会には葉大根の炒め物を食したり、少し大きくなったころに食してみると辛かったり、大きく成長するとスティックにして食べたり、塩もみして漬物にしたり、柚子味にした吏、甘酢味にしたり、そして何よりおでんにしたり、野菜の成長と収穫だけでなく成長に応じていろいろな料理に変化していくことなどを体験し、言葉に示す以上の経験や体験をしています。そこに食べ物を大切にする心や成長の期待感や好奇心など様々なことを経験しています。

 

教育・保育要領解説52

2024/02/28

キ 自然との関わり・生命尊重

自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる。また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命

の不思議さや尊さに気付き、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わるようになる。

幼児期の自然との関わり・生命尊重は、領域「環境」などで示されているように、幼保連携型認定こども園の生活において、身近な自然と触れ合う体験を重ねながら、自然への気付きや動植物に対する親しみを深める中で育まれていく。なお、自然との関わり・生命尊重は、領域「環境」のみで育まれるのではなく、第2章に示すねらい及び内容に基づく活動全体を通して育まれることに留意する必要がある。

園児は、園内外の身近な自然の美しさや不思議さに触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、関心をもつようになる。5歳児の後半には、好奇心や探究心をもって考えたことをその園児なりの言葉などで素直に表現しながら、身近な事象への関心を高めていく。園児が身近な自然や偶然出会った自然の変化を遊びに取り入れたり、皆で集まったときに保育教諭等がそれらについて話題として取り上げ、継続して関心をもって見たりすることなどを通して、新たな気付きが生まれ、更に関心が高まり、次第に自然への愛情や畏敬の念をもつようになっていく。この頃の園児は、身近な自然事象などに一層好奇心や探究心をもって関わり、気付いたことや考えたことを言葉などで表現しながら、更なる関心をもって自然に触れて遊ぶようになる

例えば、冬に容器に入れた水が凍り、誰が一番厚い氷ができたかを比べる中で、なぜある場所に置くと厚い氷ができるのだろうかと疑問が生まれる。園児は実際にそれぞれの場所に行き、「こっちの方が寒いよ。だからたくさん凍るんだ」「こっちはお日様が当たるから凍らないんじゃない」「いろんな場所に入れ物をおいて、調べてみよう」「水に葉っぱを入れておいたらどうなるかな」などと、それぞれの園児がいろいろな考えを言葉で表現しながら、予想を立てたり確かめたりして考えを深め、身近な自然に多様に関わっていく。

また、園児は、身近な動植物に愛着をもって関わる中で、生まれてくる命を目の当たりにして感動したり、ときには死に接したりし、生命の不思議さや尊さに気付き、大切にする気持ちをもって関わるようにもなる。5歳児の後半になると、動植物との関わりを積み重ねる中で、ただかわいがるだけではなく、命あるものとして大切に扱おうとする姿も見られるようになっていく。

例えば、学級等で飼育しているウサギの世話をしているとき、ケージを掃除している間に年下の園児にウサギを抱かせてあげている。掃除が終わると「あったかいでしょう」「ギュッとすると苦しいから、やさしくね」「ずっと抱っこしてるとウサギが疲れちゃうから、そろそろお家に帰してあげようね」などと、日頃のウサギとの関わりから感じていることを、年下の園児に伝える姿が見られる。

 

記載のとおり自然との関わりについては、山に行く、畑の活動をする。飼育することで探求心や好奇心の多くの体験に繋げていきたいですね。保護者の皆様にはご迷惑をおかけしますが、山に行くには虫や草に負けない服装も大切であり、長袖長ズボンの用意をお願いしたり、畑に行くと靴もズボンも汚れてしまいます。泥団子作りではさらに汚れてしまいます。せっかくの洋服が台無しになってしまうこともあるかもしれませんが、それ以上に子どもが体験することの好奇心、探求心には代えがたいものであるのです。目の前の自然を5感をフル活動させ、体験できる環境を大切にしています。

 

教育・保育要領解説51

2024/02/27

カ 思考力の芽生え 2

保育教諭等は、園児が不思議さや面白さを感じ、こうしてみたいという願いをもつことにより、新しい考えが生み出され、遊びが広がってくことを踏まえる必要がある。このため、保育教諭等には、環境の中にあるそれぞれの物の特性を生かしつつ、その環境から園児の好奇心や探究心を引き出すことができるような状況をつくるとともに、それぞれの園児の考えを受け止め、そのことを言葉にして園児に伝えながら、更なる考えを引き出していくことが求められる。また、園児が他の園児との意見や考えの違いに気付き、物事をいろいろな面から考えられるようにすることやそのよさを感じられるようにしていくことが大切である

幼児期の思考力の芽生えは、小学校生活で出会う新しい環境や教科等の学習に興味や関心をもって主体的に関わることにつながる。また、探究心をもって考えたり試したりする経験は、主体的に問題を解決する態度へとつながっていく。

 

様々な事象に気づき、言葉で表現して、伝えていくことの大切さを多く経験することが、小学校生活における新たな環境に関わり、対応していくことができる。そのことは教わるのではなく、自ら経験し体感していくことであり、指示されて学ぶもので張りません。多くの経験、体験からこういったことに気付き、多方面から捉えることのできる日々の生活でありたいと思います。さらに大人が決めつけることのないようにする配慮も必要です。子どもにとって感じ取ったこと、思考したことを大人の意見に従わせることも避けなければなりません。子ども自身が気付き感じることが大切です。ここが知識を覚えるだけなのか、子どもの創意工夫を育むかの分かれ道だと思います。

教育・保育要領解説50

2024/02/26

カ 思考力の芽生え

身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。

思考力の芽生えは、領域「環境」などで示されているように、周囲の環境に好奇心をもって積極的に関わりながら、新たな発見をしたり、もっと面白くなる方法を考えたりする中で育まれていく。なお、思考力の芽生えは、領域「環境」のみで育まれるのではなく、第2章に示すねらい及び内容に基づく活動全体を通して育まれることに留意する必要がある。

園児は、身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりするようになる。5歳児の後半になると、遊びや生活の中で、物の性質や仕組みなどを生かして、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、身近な環境との多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにしようとする姿が見られるようにもなる。

例えば、数人の園児が友達と砂場でゆるやかなV字型に樋をつなげて遊んでいるときに、片方の樋の端からバケツで水を流すと、水がもう一方の樋の方に上って流れ込むことを発見する。いつもと違う水の流れ方に興味をもち、空のペットボトルをロケットに見立てて手前の樋に置き、水を流して反対側の樋から飛び出させるという遊びに発展する。なかなかうまくいかないが、「もっとたくさん水がいるんじゃない」「ああ、今度は強すぎだ」「じゃあ、少しずつ流してみる」などと友達と考えを出し合い、水の量や流す勢いを変えながら、繰り返し試す。しばらく試した後、バケツ一杯に汲んだ水を、始めはゆっくりと流し出し、半分ほど流したところで、勢いをつけて一気に全部流すとうまくいくことを発見する。ペットボトルは水の勢いに合わせて、始めはゆっくりと手前の樋から流れ出し、最後は勢いよく反対側の樋の先端から飛び出す。園児は「やったあ」「大成功」と言って喜び合い、遊びが続いていく。

 

思考力についてはSTEAM教育に取り組み、「なんでだろう」といった不思議さについて学ぶ機会を増やしています。もちろん普段の生活においても不思議さを経験し思考力を育むことにも力を入れています。そのことは探求心を育むことでもあり、日々の生活において様々な経験ができる工夫をしています。そして、一つのことについても様々な感じ方や思い、意見があること、感じることが違うことも大切にしています。そこことで新しい考えを生み出す喜び、自分の考えをよりよいものにしようとする姿などしっかりと子どもの成長を確認していきたいと考えています。園生活を通して学ぶことが大切であり、授業の一コマで行うべきことでもなく普段の生活で身近な事象に触れる機会が大切です。

 

教育・保育要領解説49

2024/02/22

オ 社会生活との関わり 3

保育教諭等は園児の関心に応じて、絵本や図鑑や写真、新聞やインターネットで検索した情報、地域の掲示板から得られた情報などを、遊びに取り入れやすいように見やすく保育室に設定するなどの工夫をし、園児の情報との出会いをつくっていく。その際、家族から聞いたり自分で見付けたりするなど園児なりに調べたことを加えたり、遊びの経過やそこで発見したことなどを、園児が関わりながら掲示する機会をもったりすることも考えられる。ときには保育教諭等がモデルとなり、情報を集める方法や集めた情報の活用の仕方、そのことを周囲に伝える方法などがあることに気付かせ、園児が楽しみながら体験できるようにすることが大切である。

こうした乳幼児期の身近な社会生活との関わりは、小学校生活において、相手の状況や気持ちを考えながらいろいろな人と関わることを楽しんだり、関心のあることについての情報に気付いて積極的に取り入れたりする姿につながる。また、地域の行事や様々な文化に触れることを楽しんで興味や関心を深めることは、地域への親しみや地域の中での学びの場を広げていくことにつながっていく。

 

図鑑や写真の提示、実物の提示矢見る経験を大切にしています。「百聞は一見に如かず」、こういったことが子どもの興味や関心につながり、社会生活とのつながりを感じたり、さらに地域の方々との交流も含めて親しみや学びも広がっていきます。この記載部分も大切にして活動を行っていきたいと思います。教職員も自分の興味あるものだけでなく、深い理解まではできませんが、幅広い見地、社会での話題などの知見も必要だと思います。世の中に敏感であることが必要なようです。

出典 熊本県観光協会、御船町観光協会

 

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