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2024年 4月

こども大綱35

2024/04/30

(ヤングケアラーへの支援)

本来おとなが担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこども、いわゆるヤングケアラーの問題は、ケアが日常化することで学業や友人関係等に支障が出てしまうなど、個人の権利に重大な侵害が生じているにもかかわらず、こども本人や家族に自覚がない場合もあり、顕在化しづらいことから、福祉、介護、医療、教育等の関係者が情報共有・連携して、早期発見・把握し、こどもの意向に寄り添いながら、必要な支援につなげていく。家族の世話などに係る負担を軽減又は解消するため、家庭に対する適切なアセスメントにより世帯全体を支援する視点を持った対策を推進する。

 

ニュース等での大きく取り上げられる「ヤングケアラー」。ケアが日常化することで学業や友人関係等に支障が出てしまう。個人の権利に重大な侵害が生じている。こども本人や家族に自覚がない場合もあり、顕在化しづらい。祉、介護、医療、教育等の関係者が情報共有・連携して、早期発見・把握し、こどもの意向に寄り添いながら、必要な支援につなげていく。家族の世話などに係る負担を軽減又は解消する。まさしくそのもので、しっかりと支援を社会で行っていくことが重要です。理由は何であれ、保育や教育に関わる費用の負担とともに、子どもが学ぶ機会を保障し、そのためのケアを国や地方自治体が寄り添い支援することが大切ですね。

 

こども大綱34

2024/04/26

(社会的養護を必要とするこども・若者に対する支援)

社会的養護を必要とする全てのこどもが適切に保護され、養育者との愛着関係を形成し、心身ともに健やかに養育されるよう、家庭での養育が困難又は適当でない場合は、パーマネンシー保障を目指して、養育環境の改善、親子関係再構築や家庭復帰の支援、親族等による養育(親族等による里親養育・普通養子縁組含む)への移行支援、特別養子縁組の判断・支援に取り組みながら、家庭養育優先原則に基づき、こどもが「家庭における養育環境と同様の養育環境」において継続的に養育されるよう、里親支援センターなどの関係機関の支援等を通じた社会的養護の受け皿としての里親やファミリーホームの確保・充実を進めるとともに、家庭や里親等での養育が適当でない場合は、「できる限り良好な家庭的環境」において養育されるよう、児童養護施設等の小規模化・地域分散化等の環境改善や、その人材確保に努める。あわせて、児童養護施設等の多機能化・高機能化を図る。また、社会的養護の下にあるこどもの権利保障や支援の質の向上を図る。これらの際、社会的養護を必要とするこどもの声に耳を傾け、その意見を尊重した改善に取り組むとともに、家庭養育優先原則とパーマネンシー保障の理念に基づく支援の在り方に留意して、児童相談所におけるケースマネージメントを推進する。

施設や里親等の下で育った社会的養護経験者は、施設退所後等において、進学・就労や自立した生活を営む上で、家族からのサポートが期待できないといった背景から、様々な困難に直面している場合が多いことを踏まえ、多職種・関係機関の連携による自立支援を進めるとともに、一人一人段階を経て自立をしていけるような地域社会とのつながりをもてるよう支援する。社会的養護の経験はないが同様に様々な困難に直面している若者についても支援の対象として位置付けて支援に取り組む。

 

すべての子どもが支障なく、保護され、健やかに成長することと、学びに支障を来タス社会ではいけません。どんな理由、背景であろうとも子どもの育ちを保障する社会であってほしいです。最近はヤングケアラーといった問題、大人でもそうですよね、親の介護や子の養育に時間やお金も投入しなければならない立場の方も多い社会です。子どもの養育についても様々な困難も出てきます。社会で支える国であって欲しいと願うところです。

 

こども大綱33

2024/04/25

(児童虐待防止対策等の更なる強化)

さらに、こどもにとって不安が大きく、ケアの困難度も高いという一時保護の性質を十分に踏まえ、こどもの状況等に応じた個別ケアが可能となるよう一時保護所の環境改善を進めるとともに、委託一時保護も含めてこどもの権利擁護を推進する。また、虐待等により家庭から孤立した状態のこども・若者がそのニーズに合わせて必要な支援を受けられるよう取り組む。

児童相談所が一時保護や措置を行う場合等においては、こどもの最善の利益を保障しつつこどもの意見又は意向を十分に勘案した判断を行うために、児童福祉法に基づく児童相談所等による意見聴取を適切に実施するとともに、こどもの意見表明やこどもの権利擁護を実現できる環境整備を積極的に推進する。また、一時保護開始時の司法審査の円滑な導入を図る。

また、措置解除等に際して、親子の生活の再開や傷ついた親子関係の修復などのために、親子関係の再構築支援を推進する。

性被害の被害者等となったこどもからの聴取における関係機関の連携を推進し、二次被害を防止する観点から、こどもの精神的・身体的な負担軽減等に取り組む。また、こどもからの聴取を適切に行えるよう、聴取を行う側の知見や技術の向上を図るとともに、こどもが安心して話すことができる環境整備を進める。

こども家庭福祉分野は、こうした虐待を受けたこどものトラウマ等を含めたケアや要支援・要保護家庭への相談支援を含むものであり、これに携わる者にはこどもと家庭の双方に対する高い専門性が求められる。このため、新たな認定資格である「こども家庭ソーシャルワーカー」等の専門資格の取得促進に取り組むとともに、市町村及び児童相談所の体制強化を図るための人材の採用・育成・定着支援、専門人材の活用促進等を進める。また、支援現場の業務効率化のためのICT化を推進する。

 

自治体の児童相談所の業務がひっ迫し、十分な支援につながっていない、見落としやフォローができずに不幸な事態につながる、といった事理が多く報道されます。絶対的な配置不足、専門性の不足が指摘されるのであればここは公的に十二分に整備される必要があります。このことが障害を持った方や子ども若者支援に繋がり、障がいの有無や発達について個別に対応が必要な場合の支援につながると考えられます。自治体によって資金がなく充実できないとされる場合もあるようですが、ここには十分な人と資金が必要なのです。

 

 

 

こども大綱32

2024/04/24

(6)児童虐待防止対策と社会的養護の推進及びヤングケアラーへの支援

(児童虐待防止対策等の更なる強化)

児童虐待は、こどもの心身に深い傷を残し、成長した後においても様々な生きづらさにつながり得るものであり、どのような背景や思想信条があっても許されるものではない。一方で、虐待に至った親にも自らの被虐待経験や、貧困、疾病、障害等の様々な困難が背景にある場合が多いという現実もあり、子から親になった養育者自身が置かれている困難に対する支援を社会全体で提供することにより、どのような困難があってもこどもへの虐待につながらないようにしていく必要がある。虐待相談対応件数の増加など、子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化してきている状況等を踏まえ、子育てに困難を抱える世帯に対する包括的な支援体制の強化を行う。

虐待は決して許されるものではないが、あらゆる子育て当事者が無縁ではないという認識の下、不適切な養育につながる可能性のある家族の支援ニーズをキャッチし、こどもや家庭の声を、当事者の文脈を尊重して受け止め、子育ての困難や不安を分かち合うことで、子育てに困難を感じる家庭、こどものSOSをできる限り早期に把握し、具体的な支援を行う必要がある。このため、こども家庭センターの設置や訪問家事支援等の家庭支援、こどもや親子の居場所支援の推進等を行うとともに、市町村の支援の中心となるこども家庭センターが、地域の保育所、学校などや支援の担い手である民間団体を含め、要保護児童対策地域協議会などの地域のネットワークと一体となって継続的に支え、虐待予防の取組を強化する。

また、虐待による死亡事例(心中以外)の約半数を0歳児が占め、さらにその多くを月齢0カ月児が占めている現実を踏まえ、孤立した環境の中で予期せぬ妊娠に悩む若年女性等に対する相談・日常生活の支援や関係機関との調整等の支援の強化に取り組むとともに、こうした支援の存在が、予期せぬ妊娠に悩む若年女性などの支援を必要としている本人に届くよう、相談窓口の周知などに取り組む。

 

乳幼児の虐待ということに心を痛めます。特に生後間もない乳児の虐待による死亡例の報告については妊娠期、出産期の手厚い支援や相談の充実と把握が大切です。妊娠出産の困り感にいち早く支援する体制や把握の体制が必要です。中には望まない妊娠、予期せぬ妊娠によって不幸なことにつながりかねません。寄り添い、親身に相談に乗る窓口の周知は大々的に必要です。まずもって児童虐待を未然に防ぐ社会、制度、支援が必要です。

 

 

こども大綱31

2024/04/23

(5)障害児支援・医療的ケア児等への支援

こども基本法に加え、障害者の権利に関する条約の理念を踏まえ、障害のあるこども・若者、発達に特性のあるこども・若者の地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進し、それぞれのこども・若者の置かれた環境やライフステージに応じて、一般の子育て支援との連続の中で、その発達や将来の自立、社会参加を支援する。

特別児童扶養手当等の経済的支援を行うとともに、こどもと家族に寄り添いながら個々の特性や状況に応じた質の高い支援の提供を進める。

障害の有無にかかわらず、安心して共に暮らすことができる地域づくりを進めるため、地域における障害児支援の中核的役割を担う児童発達支援センターの機能強化や保育所等への巡回支援の充実を図るなど、地域における障害児の支援体制の強化や保育所等におけるインクルージョンを推進する。

医療的ケア児、聴覚障害児など、専門的支援が必要なこどもや若者とその家族への対応のための地域における連携体制を強化する。

こどもや若者本人のみならず、保護者やきょうだいの支援を進める。障害や発達の特性を早期に発見・把握し、適切な支援・サービスにつなげていくとともに、乳幼児期・学童期・思春期の支援から一般就労や障害者施策への円滑な接続・移行に向けた準備を、保健、医療、福祉、保育、教育、労働など関係者の連携の下で早い段階から行っていく。

特別支援教育については、障害のあるこどもと障害のないこどもが可能な限りともに安全・安心に過ごすための条件・環境整備と、一人一人の教育的ニーズに応じた学びの場の整備・充実を両輪として、インクルーシブ教育システムの実現に向けた取組を一層進める。障害のあるこども・若者の生涯にわたる学習機会の充実を図る。

 

障がい者支援、医療的ケア児支援については、全てのあらゆる施設で取り組むことが大切であろうかとも思いますが、専門的知識や医療行為等に関わる対応などは幅広く、十分な対応を行うことは難しいと思われます。1つの専門的な支援拠点の整備を行たうえで、その施設を核として取り組むことも大切ではないかと思います。これは発達支援センターだけの機能からさらに広げた支援拠点の整備が必要ではないでしょうか。拠点を中心に役割を分担していくこと、連携して取り組む体制も必要ではないでしょうか。

 

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