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園からの発信

子どもの成長159

2026/10/30

アスリートの睡眠を改善する栄養戦略 キウイ、タルトチェリー、乳製品が有効である可能性

潜在的に高い有効性が示唆される栄養戦略

キウイフルーツ

キウイフルーツ2個(就寝1時間前)は、睡眠時間、睡眠効率(就床時間に占める睡眠時間)、中途覚醒の回数・時間、睡眠の質を改善し、翌朝の疲労を軽減する可能性がある。男性と女性のセーリングと耐久レース、シーズン中とプレシーズンにおける研究。

タルトチェリージュース

48時間にタルトチェリージュース30mLを1日2回(朝・晩)、計5回摂取すると、入眠潜時(就床から睡眠に要する時間)の短縮、中途覚醒時間の短縮、および睡眠中の体動を抑制できる可能性がある。女性ホッケー選手のプレシーズンでの研究。

牛乳・乳製品

牛乳の摂取頻度が高い(週5~7日)と、睡眠の質が低下するリスクが低下する。複数の競技の女性選手での研究。

 

 

子どもの成長158

2026/10/29

アスリートの睡眠を改善する栄養戦略 キウイ、タルトチェリー、乳製品が有効である可能性

エリートレベルのアスリートの睡眠を改善するための栄養戦略に関する、スコーピングレビューの報告を紹介する。キウイフルーツ、タルトチェリージュース、および、女性では乳製品の摂取が、睡眠改善に最も効果的な可能性があるという。

回復戦略における睡眠と、睡眠をサポートするための栄養

アスリートにとりトレーニングや試合後の回復は、怪我のリスク抑制と質の良いトレーニングの継続のために必須であり、つまりはパフォーマンスの維持・向上に欠かせない。アスリートか否かを問わず、身体的・精神的疲労からの回復において、睡眠は極めて重要とされる。しかしアスリートは、早朝または夜間のトレーニング、試合前の精神的ストレス、遠征時の不慣れな環境などのため、睡眠の時間や質が阻害されやすい。それらは回復の遅延につながるだけでなく、試合の際のパフォーマンス低下にもつながり得る。

一方、食事・栄養が睡眠をサポートすることが広く認識されており、アスリートの睡眠改善を目的とした栄養戦略の研究報告も少なくない。ただし、エリートレベルのアスリートでのエビデンスは限られていることから、本論文の著者らはスコーピングレビューにより、現時点の知見の総括を試みた。

 

1970年以降の論文から12報を特定

本研究では、PRISMA-ScR(システマティックレビューとメタ解析のための優先報告事項のスコーピングレビュー用拡張版)、およびJBI(スコーピングレビューの標準化マニュアル)に準拠し、NUQUESTによりバイアスリスクを評価しつつ、P2P(Paper to Podium)により実用的なエビデンスを特定した。文献検索は、PubMed、ScienceDirect、Scopus、SPORTDiscus、Google Scholarで行われ、1970年から2024年12月4日までに収載された文献を対象とし、またハンドサーチにより関連論文の検索漏れを確認した。

包括基準は、18歳以上の健康なエリートアスリートを対象として、食事と睡眠の関連を無作為化比較試験、クロスオーバー試験、前後比較試験、観察研究などにより検討した研究であり、査読システムのあるジャーナルに英語で掲載された論文とした。メタ解析、レビュー論文、ケーススタディ―、論説、学会発表などは除外した。

1,903報がヒットし、タイトルと要約に基づくスクリーニング、全文精査を経て、12件の研究報告が抽出された。このうち7件は栄養介入を行い睡眠関連アウトカムへの影響を検討し、5件は食事・栄養摂取習慣と睡眠関連指標との関連を検討していた。

論文では、潜在的な有効性の高いものを3項目特定し、中程度の潜在的有効性と判定したものを6項目、有効性が不確かなものを1項目特定して、それらの評価の根拠を示している。またそれらのエッセンスが表形式でまとめられており、本稿ではその部分のみ紹介する。

 

 

 

子どもの成長157

2026/10/28

花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)

「生のトマトを食べると口の中がイガイガします。食物アレルギーでしょうか?」

 

その症状は「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」かもしれません。「口腔アレルギー症候群(OAS)」と呼ばれる食物アレルギーの一種で、花粉症の患者さんが生の野菜や果物を食べた直後から1時間以内に、かゆみや腫れといったアレルギー症状を口や喉などの口腔粘膜におこすものです。

 

花粉症の患者さんの免疫は、花粉症の原因となる物質「アレルゲン」を異物とみなして体から排除しようと反応しています。ところが、花粉症のアレルゲンとよく似た物質が野菜や果物に含まれていると、同じように過剰反応してしまいます。これを「交差反応(交差免疫)」と言います。

 

どの食べ物と交差反応をおこすかは、花粉症の原因となる植物によって違います。スギ花粉症の患者さんはとても多いため、スギ花粉と交差反応をおこすトマトやキウイを食べたときに違和感があるというお悩みをよく聞きます。まれに蕁麻疹や喘息などの症状に進行することもあるので原因となる食物は避けていただくのが良いでしょう。加熱した野菜や果物では症状が起きにくいため、十分に加熱調理したり、トマト缶やキウイジャムといった加工品を選んだりするのもおすすめです。

子どもの成長156

2026/10/27

「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」

背景と目的:日本の思春期世代の花粉-食物アレルギー症候群の実態は不明だった

近年、花粉症(アレルギー性鼻炎)の有病率は世界的に増加傾向にある。日本でも同様の傾向がみられ、これまでの研究では、5歳時点で約11%だった鼻炎の有病率が、9歳では約31%、13歳では68.8%に達するなど、年齢とともに上昇していることが示されている。

花粉に対するIgE感作が進むことで、果物や野菜などの植物性食品を摂取した際にアレルギー症状を呈する「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」の発症も増加する可能性がある。PFASは、主に口腔や咽頭のかゆみ・腫れなどの症状を特徴とし、まれに全身性のアナフィラキシーを起こすこともある。花粉と食物に含まれるアレルゲンが似ていることが原因で、花粉症の増加にともないPFASも増えると考えられている。

同研究センターではこれまでに、一般集団を対象とした調査で、13歳の思春期におけるPFASの有病率が約10%であることを報告している。しかし、日本の一般集団を対象として、時間の経過に伴うPFASの有病率の変化を検討した疫学研究は存在していない。とくに、17歳といった、より高年齢層における実態は明らかでない。

 

これを背景として、思春期集団を対象に、5年間の追跡期間を設け、PFASの有病率と感作状況の変化を明らかにすることを目的に研究を実施した。

研究概要:前向きコホート研究のデータ解析で17歳の11.2%がPFAS

同センターで行っている成育コホート(出生コホート)は、2003年から2005年に妊娠した母親を登録し、現在も母親と誕生した子どもを妊娠中から継続的に追跡。アンケート調査、診察、血液検査により、アレルギー性疾患や症状、IgE抗体価などを調査している。疾患やケガなどで病院を受診した子どもを調査したのではなく、同センターで出産した一般集団の子どもを追跡し、過去・将来にわたって追跡調査した縦断的研究(前向きコホート研究)である点が特色。過去にさかのぼって情報を集めて比較する後ろ向きコホート研究や、現時点のみを調べる横断研究よりエビデンス・レベルの高い疫学調査と言える。

今回の研究では、その中でも17歳の青少年458人分の血清および質問票調査を分析した解析により、前記および図1の知見を得た。

 

図1 花粉食物アレルギー症候群(PFAS)の有症率と感作状況

発表者のコメント

この結果について発表者らは、以下のようにコメントしている。

 

一般集団のコホートのデータに基づくと、PFASは17歳の青少年の約11.2%に認められた。また、PFASとアトピー性皮膚炎の既往歴との間には顕著な関連が認められ、アレルギーマーチ仮説※4を裏付けていると考えられた。りんご、キウイ、パイナップルが最も頻繁に関連が示唆された食品だった。これらの結果は、近年急増しているPFASの実態を裏付けるものであり、青少年のアレルギー疾患管理においてPFASを認識することの重要性を改めて強調するものと考えられる。

 

子どもの成長155

2026/10/26

17歳の1割以上が発症、急増する「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」 リンゴ・キウイは要注意 国立成育医療研究センター

果物や野菜などの植物性食品を摂取した際にアレルギー症状を呈する「花粉-食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome; PFAS)」などについて、日本の思春期世代におけるその実態の一端が報告された。国立研究開発法人 国立成育医療研究センターの研究によるもので、「Journal of Allergy and Clinical Immunology: Global」に論文が掲載されるとともに、プレスリリースが発行された。PFASの原因食品として、最も多いのはリンゴであり、次いでキウイ、パイナップルだという。

 

国立成育医療研究センターの出生コホート研究を用いて青少年のPFASなどを調査

この論文で研究者らは、国立成育医療研究センターが2003年から一般の小児を対象として行ってきた出生コホート研究※1 (成育コホート)において、17歳の青少年の花粉食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome;PFAS)※2 の有症率やIgE感作※3 状況、併存するアレルギー疾患の関連について、日本で初めて報告した。主に以下のデータを得られた。

 

鼻炎症状:17歳の青少年全体の63.8%が過去1年間に鼻炎症状を経験。

アレルゲン感作:78.8%が、樹木・草・雑草の花粉に対するIgE抗体陽性。

花粉関連疾患:54.4%が花粉アレルギーを有し、11.2%が花粉食物アレルギー症候群(PFAS)を発症。

PFASの原因食品:最も多かったのはリンゴ(45.1%)、次いでキウイ(41.2%)、パイナップル(39.2%)。

合併症:PFASの43.1%にアトピー性皮膚炎の既往。

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