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園からの発信

子どもの成長113

2026/08/21

「熱中症を防ぐ」

熱中症予防と体育・スポーツ活動の進め方

暑い中で無理に運動しても、トレーニングの質が低下する上、消耗が激しく、効果は上がりません。熱中症予防は、安全面だけでなく効果的トレーニングを行う上でも、たいへん重要です。

熱中症事故の実態からは、予防のポイントとして、以下のことが挙げられます。

1.熱中症事故は、夏のごく普通の環境条件下で発生しています。夏は、個人の条件や運動の方法によっては、いつでも熱中症は起こり得ることを認識しましょう。また、マラソンなどの学校行事では夏以外でも熱中症事故が発生しています。

2.運動種目は多岐にわたりますが、野球、ラグビー、サッカー、柔道、剣道で多く発生しており、これらの種目では、特に注意しましょう。また、運動種目にかかわらず、ランニングやダッシュの繰り返しによって多く発生しています。

3.暑さへの耐性は、個人差が大きく影響します。特に肥満傾向の人は熱中症事故の7割以上を占めており、注意が必要です。

出典:独立行政法人日本スポーツ振興センター学校安全部「熱中症を予防しよう」

 

子どもの成長112

2026/08/20

「熱中症を防ぐ」

  1. 学校や日常生活での注意点、子ども・高齢者について

学校での熱中症対策、子どもを守る

前回、スポーツ活動中の熱中症についてまとめたが、その観点からは学校における対策も重要となる。

学校では中学から高校1・2年生のクラブ活動での発生が多い。種目別では野球やサッカー、ラグビーなどの屋外で走行する競技で発生しやすい。また、意外なところでプールでも熱中症になり得ることは、前回述べたとおりだ。

なお、子どもは体重当たりの体表面積が大きいために、日光の照射など環境の影響により体温が大人より上昇しやすく、また、体温調節機能がまだ十分発達していない。さらに、大人よりも身長が低いということは、それだけ温度が高い地表近くにからだがあるということで、それもまた熱中症のリスクを高める。

これらの理由から、子どもは成人以上に熱中症になりやすく、子どものスポーツを指導する立場にある人には十分な注意が求められる。

 

学校における熱中症予防のための指導のポイント

1.直射日光の下で、長時間にわたる運動やスポーツ、作業をさせることは避けましょう。

2.屋外で運動やスポーツ、作業を行うときは、帽子をかぶらせ、できるだけ薄着をさせましょう。

3.屋内外にかかわらず、長時間の練習や作業は、こまめに水分(0.1〜0.2%食塩水あるいはスポーツドリンク等)を補給し適宜休憩を入れましょう。また、終了後の水分補給も忘れないようにしましょう。

4.常に健康観察を行い、児童生徒等の健康管理に注意しましょう。

5.児童生徒等の運動技能や体力の実態、疲労の状態等を把握することに努め、異常が見られたら、速やかに必要な措置をとりましょう。

6.児童生徒等が心身に不調を感じたら申し出て休むよう習慣づけ、無理をさせないようにしましょう。

※また、日頃から、緊急時の対応のために構内対策チームを組織し、熱中症対策について教職員の共通理解を図り、応急手当の研修を実施したり、学校医、消防署、教育委員会、家庭等への連絡方法等を明確にしたりして、救急体制を確立しておきましょう。

出典:独立行政法人日本スポーツ振興センター学校安全部「熱中症を予防しよう」

子どもの成長111

2026/08/19

「熱中症を防ぐ」

夏季イベントによる熱中症リスク

イベント会場には、その特性のために日差しを遮る木々や構造物が少ないこと、混雑のために風通しが悪くなり、互いの体温・熱気により熱がこもりがちになること、トレイが少ない、またはトイレへの移動が困難なために水分摂取を控える傾向があること、といった条件が重なり、熱中症リスクを高める。2011年8月に横浜で開催された音楽コンサートでは、参加者3,000名中36名が熱中症で搬送されている。

 

夏季スポーツイベントの熱中症対策

上記の2条件、つまりスポーツと夏季のイベントが重複した場合、当然ながら熱中症リスクはさらに上昇する。

日本スポーツ協会による「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」では、WBGT 31°C以上(気温の参考値35°C以上)の場合、運動は原則禁止、WBGT 28~31°C(同 31~35°C)は厳重警戒などとレベルで区分けし、注意を喚起している。

夏季のスポーツイベントというと、2020年の東京オリンピック・パラリンピックがまさにそれに該当する。その会期は7月24日から9月6日という1年で最も暑い時期と重なる。しかも日本の夏は温度もさることながら湿度も高いという特徴があり、この暑さに慣れていない外国人アスリート・訪日客を迎えるにあたり、万全の対策が求められている。

表5 イベントを実施するにあたっての4つのチェック項目

1.イベントの実施体制(システム)をチェックしましょう

大会関係者に連携が必要な機関は入っていますか? 警察、自治体、消防、広報、医療関係者は入っていますか?

救護所の設置等、医療関係者(地元医師会、周辺の医療機関)と積極的に連携していますか?

2.イベントの対応フローがちゃんと流れるかチェックしましょう

急病人が発生したときの対応フローはありますか?

フローには救急連絡先(警察、自治体、消防(救急)、広報)が含まれていますか?

フローに含まれている連絡先にイベント実施日、時間、内容は伝わっていますか?

3.イベントの規模と対応スタッフの数を確認しましょう

対応スタッフの担当エリア、人数は決まっていますか?

本部と各エリアスタッフとの連絡方法、連絡責任者は明確になっていますか?

イベント実施日は、本部と救急連絡先との連絡を定期的に行うことになっていますか?

人が滞留しやすい場所、暑い場所を確認していますか?

4.イベントの安全目標を確認しましょう

イベントにおける安全目標は明確になっていますか?

目標は大会長からスタッフに伝達されていますか?

 

子どもの成長110

2026/08/18

「熱中症を防ぐ」

事前準備として

運動前・運動後の体重を測り自分の水分がどのくらい失われているのかを把握し、水分補給量の目安にする。

 

運動前

体内の水分量を100%にキープする。

ただし、運動直前に糖質を過剰に摂取するとパフォーマンス低下を招くおそれがある。

水やお茶などがおすすめ。

運動中

自由に水分補給ができる環境をつくる。

体重の減少が2%を超えないように水分を補給する。

また、発汗により塩分も失われるので、スポーツドリンクなどを利用して0.1〜0.2%程度の塩分も補給する

運動後

運動後1時間以内に水分を補給する。失った水分量を補給し100%〜120%が目安。

子どもの成長109

2026/08/17

「熱中症を防ぐ」

暑さ指数「WBGT」の活用

熱中症の危険度を示す指数にWBGT(Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)がある。気温、湿度、日射や輻射(ふくしゃ)、風といった要素から熱中症の危険度を示す指標だ。乾球温度計、湿球温度計、黒球温度計を使って計算し、熱中症の危険度を示してくれる。わが国の夏は気温が高いだけでなく、湿度も高いためこのWBGTを用いた客観的な指数によって熱中症の危険度を把握する。

 

環境省の熱中症予防情報サイトでは、全国約840地点におけるWBGTの現在値(実況推定値)と予測値が公開されている。

環境省の熱中症予防情報サイト

 

このWBGTと、スポーツ活動を行う際には日本体育協会による「熱中症予防のための運動指針」(表2)、日常生活を送る上では日本生気象学会による「日常生活における熱中症予防指針」(表3)を組み合わせ、さらに、年齢やその日の体調も考慮に入れて活動の指針とする。

表2 熱中症予防のための運動指針

運動前、運動中、運動後の水分補給

上記の「熱中症予防のための運動指針」ではWBGT31°C以上の運動は原則として中止とされているが、長期間の休暇が設けられるこの時期は、スポーツの大会や集中合宿が全国各地で行われる。また、小児や学生の部活動などは、普段は授業後に行われる練習が炎天下の日中に行われることも多い。

熱中症の予防もさることながら、暑熱対策の一環として正しい水分補給法を身につけておくことが、競技者の身を守り、高いレベルのパフォーマンスを維持するためにも重要だ。また、脱水を起こしやすい高齢者や小児、体調管理が未熟な学生らに対しては、指導者や責任者の目の届く範囲で運動する環境づくりを徹底したい。

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