保育の質の確保・向上19 2025/12/25 (2)乳幼児期の子どもとその保育に関する基本的な考え方に関連して今後検討すべき事項 (子どもの生活と発達の連続性を踏まえた保育) 〇3歳未満児の保育:低年齢児の保育所等利用率は増加傾向が続いており、保育所保育指針には、乳児及び1歳以上3歳未満児の保育について、各時期の特徴を踏まえたねらい及び内容が示されている。これを踏まえた上で、保育の環境や集団の構成、生活の流れ、子どもに対する関わり、保育士等の連携体制、家庭との連携及び保護者支援等に関して、どのような配慮や工夫が考えられるか、保育の現場での実践に資する具体的な検討が求められる。保健的対応や生理的欲求の充足を前提としつつ、特に集団生活における保育士等との愛着関係の形成、同年代の他の子どもと共に過ごす中での育ち、一人一人の子どもにとっての遊びの充実といった観点から、この時期の保育における教育的な側面を改めて捉え直すことが重要と考えられる。
保育の質の確保・向上18 2025/12/24 (2)乳幼児期の子どもとその保育に関する基本的な考え方に関連して今後検討すべき事項 (子どもの生活と発達の連続性を踏まえた保育) 〇保育所保育指針には、保育所保育において育みたい資質・能力として、「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」が掲げられ、これらを保育活動全体によって一体的に育むことが求められている。保育所保育は0歳から6歳という長期にわたり、また1日の保育時間が長時間に及ぶことを踏まえて、子どもの生活と発達の連続性を念頭に置きながら、保育所における日々の生活や遊びのさらなる充実を図っていく必要がある。こうした視点のもとで、特に「3歳未満児の保育」及び「移行期の保育と接続」に関しては、近年の研究等による様々な知見を参照しながら、現状に即して改めて具体的な実践のあり方を検討することが重要と考えられる。
保育の質の確保・向上17 2025/12/23 (1)我が国の文化・社会的背景の下での保育所保育の特色 (保育所保育の特色を踏まえた人材の育成及びマネジメント) 〇保育の理念や基本的な考え方を実践に反映するために、保育士等には各々の現場の実態に即した創意工夫やその時々の子どもの状態に応じた判断・対応が必要となる。そうした実践の中で発揮される専門性の習得や向上には、実際の保育の経験とそれを踏まえて学ぶ機会、さらに学びを支える環境や人材が重要である。 〇また、保育所保育は食事・排泄・休息等の基本的な生活習慣に関わる場面を含めて日々長時間にわたり行われること等を踏まえ、保育士をはじめ様々な職員の専門性を活かした連携・協働とその適切なマネジメントが特に必要となる。 〇保育所の職員集団のマネジメントに関しては、保育実践の質において保育所保育に関わる様々な人と人との関係性が非常に重要な要素であることを踏まえ、職員間で互いの良さに着目し、認め合う関係が築かれることが求められる。子どもが一人の人間として尊重される保育の実現には、一人一人の保育士等もまた行為の主体として尊重されることが必要であるという認識が、保育所の内外でより共有されるべきと考えられる。
保育の質の確保・向上16 2025/12/22 (1)我が国の文化・社会的背景の下での保育所保育の特色 (保育所保育の特色を踏まえて留意すべき事項) 〇保育の過程や子どもの育ちの言語化・可視化:保育所保育は、乳幼児期の発達の特性に即して、子どもの主体性を尊重し、環境を通して行うことなどを特徴としている。保育士等は、一人一人の子どもの理解や育ちの見通しに基づいて、様々な意図や配慮をもって環境を構成し子どもに関わっているが、こうした過程やそこでの保育の目標・ねらいを、他者にも理解できるよう伝えるため言語化・可視化することが求められる。保育所における生活の全体に子どもの育ちの多様な側面に関わる内容が含まれ、また様々な文脈が幾重にも連なりつつ一体的に展開されていくという保育の営みが持つ特徴を踏まえて、その場面の状況とともに様々な時間軸や関係の中で保育の過程や子どもの姿を捉え、これらを現場の内外で広く共有していくための視点や方法が必要である。 〇関係者間での理解の共有:保育所保育は、保育所内のみでなく、現場を取り巻く多層的な人間関係の広がりのもとで成り立ち、営まれている。保育実践の質の確保・向上に当たっては、現場の職員間の連携とともに、現場、保育所の運営主体(法人の運営本部等)、家庭、地域の関係機関等、様々な組織や立場の関係者の間で連携が必要となる。現状では、保育所保育指針に示されている一人一人の子どもの人格を尊重した関わりや保育所における幼児教育の目標・内容・方法などが、関係者に十分に理解されていない場合もあることや、具体的な実践に反映されていない状況が一部の現場で見受けられることなどが、課題として指摘されている。保育の実践に直接携わる現場の保育士等に限らず、全ての保育関係者の間で、保育所保育の特色と基本的な考え方に関しての理解を共有することが求められる。
保育の質の確保・向上15 2025/12/19 (1)我が国の文化・社会的背景の下での保育所保育の特色 (保育所保育指針に基づく保育実践) 〇保育の現場においては、保育所保育の理念や理論的背景と、それらに基づき保育所保育指針に示されている保育の目標及び内容・方法等の基本原則を、保育士等が十分に理解し、実践に移していくことが重要である。保育所保育指針の内容を踏まえた保育の実践に際しては、その時々の社会の状況や子どもや家庭、地域の実態等に即して、各現場において創意工夫を図ることが求められる。 〇保育の実践に当たり、保育士等が子どもに対する共感的・受容的な関わりを特に大切にしていることは、今後も継承すべき日本の保育の特徴と捉えられる。その上で、幼児教育を行う施設として、保育所保育における遊びの意味とその重要性について、現場の保育士等をはじめ関係者の間で改めて認識を共有することが求められる。遊びは本来自発的なものであり、子どもが自らの意思で決めたり選び取ったりする経験を通して、自身が行為の主体であるという感覚を育んでいくことは、今後の実践のあり方を考える上で重視すべき視点の一つと考えられる。