子どもの成長116 2026/08/26 「熱中症を防ぐ」 熱中症予防お役立ち情報 ヒートアイランド現象+温暖化で増加する熱中症 日本の夏は年々厳しくなっていることを多くの方が実感されているのではないだろうか。実際、都市部において真夏日・猛暑日の日数が増加傾向にある。例えば東京で気温30度を超える時間は20年前の2倍に拡大したという。これにはヒートアイランド現象に加え、温暖化も影響していると考えられる。 このことから、熱中症問題は今後も年を追うごとに深刻化していくと予測され、当面、改善されるとは考えにくい。 そのため、自分のからだを自ら守る情報を取集する努力が、今まで以上に必要になるだろう。そこでシリーズ最終回では、熱中症や夏ばて対策をテーマにした最新情報をキャッチできるWebサイトやサービスを紹介する。これらの情報を駆使して熱中症予防に万全を期すとともに、トレーニング効率を高めパフォーマンスの向上を目指そう。 運動・スポーツ活動時における熱中症の知識・予防 スポーツ庁が公開している動画「熱中症を予防しよう―知って防ごう熱中症―」は、児童や生徒らの部活動、体育などスポーツ活動時に熱中症が発生した場合を想定し、熱中症の発生メカニズム、症状、対処法がまとめられている。 【スポーツ庁】熱中症を予防しよう―知って防ごう熱中症― また、運動・スポーツに関連する各団体のWebサイトでは、熱中症に対するさまざまな情報を得ることができる。 スポーツ庁「知っておきたいスポーツ時の熱中症対策」 日本スポーツ協会「熱中症を防ごう」 日本スポーツ振興センター「体育活動における熱中症予防 調査研究報告書」 日本スポーツ振興センター「学校屋外プールにおける熱中症対策」 生徒・学生・教職者には「全国学校のお天気」 予備校運営の東進ハイスクールは、全国の学校や関連施設の天気情報を案内している。各学校・施設ごとに、当日と翌日の、天気、気温、降水確率、降水量、湿度、風速、風向きを知ることができ、1時間ごとの移り変わりや45日予報もわかるので、試合や大会等のイベントの準備に活用できる。 熱中症の危険度予報 暑さを示す指数「WBGT」は熱中症の危険度の指標でもある。下記に挙げたWebサイトでは、全国各地のWBGTをもとに、熱中症の予報を知ることができる。 環境省「暑さ指数(WBGT)の実況と予測」 気象庁 高温注意情報 気象庁「最高・最低気温分布予想」 熱中症予防 声掛けプロジェクト「暑さ指数」
子どもの成長115 2026/08/25 「熱中症を防ぐ」 「室温28度」の意味を再確認 国内ではかなり以前から省エネの観点より「室温は28度に」と言われてきた。なぜ28度と言われるようになったのか、その根拠は定かではないようである。それはさておき、勘違いされやすいこととして、「室温28度」であって「空調の設定温度28度」ではないということに注意したい。空調を28度に設定していても、常時28度に保たれているわけではなく、空調機から離れている場所や窓際の日当たりの良い場所などは28度より高いこともある。 なお、日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針 Ver.3」によると、日常生活において、WBGT(湿度や風の影響を反映した”暑さ指数”)が31度以上の場合を「危険」とし、「高齢者においては安静状態でも熱中症が発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する」としている。またWBGT28~31度未満は「厳重警戒」で「外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する」とし、続いて25~28度未満を「警戒」、25度未満を「注意」と分類している。 日常生活における熱中症予防指針
子どもの成長114 2026/08/24 「熱中症を防ぐ」 日常生活での熱中症対策、特に高齢者について これまでこのシリーズでは、熱中症予防対策について主にスポーツとの関連から話を進めてきたが、既にシリーズ第1回目で述べたように、熱中症患者を年齢別にみた時に最も多いのは高齢者であり、しかも発生現場として最も多いのは住居である。つまり、自宅で過ごしている高齢者の熱中症リスクが高いということであり、その対策が重視されなければならない。 高齢者が熱中症になりやすい原因として、加齢により発汗などの体温調節機能が低下すること、喉の渇きを感じにくく、体内の水分量が加齢によって減少していることと相まって脱水になりやすいこと、暑さそのものを感じにくくなっていること、暑くても房の使用を控えがちであること、などが挙げられる。 高齢者が熱中症にかかりやすい理由 「暑い」と感じにくくなる 行動性体温調節が鈍る 発汗量・皮膚血流量の増加が遅れる 発汗量・皮膚血流量が減少する 体内の水分量が減少する のどの渇きを感じにくくなる 出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル 2018」 対策としては、喉の渇きを感じなくてもこまめに水分を補給すること、冷房を適切に使用することが推奨される。また、ふだんから軽く汗をかく運動を習慣にすることで、体温調節機能の維持・改善が期待できる。 高齢者の世話をする人が注意する点 【体調】 元気か、食欲はあるか、熱はないか、脇の下・口腔の乾燥具合 【具合】 体重、血圧の変化、心拍数、体温 【環境】 世話をする人がいない間の過ごし方、部屋の温度や湿度、風通し、換気、日当たり
子どもの成長113 2026/08/21 「熱中症を防ぐ」 熱中症予防と体育・スポーツ活動の進め方 暑い中で無理に運動しても、トレーニングの質が低下する上、消耗が激しく、効果は上がりません。熱中症予防は、安全面だけでなく効果的トレーニングを行う上でも、たいへん重要です。 熱中症事故の実態からは、予防のポイントとして、以下のことが挙げられます。 1.熱中症事故は、夏のごく普通の環境条件下で発生しています。夏は、個人の条件や運動の方法によっては、いつでも熱中症は起こり得ることを認識しましょう。また、マラソンなどの学校行事では夏以外でも熱中症事故が発生しています。 2.運動種目は多岐にわたりますが、野球、ラグビー、サッカー、柔道、剣道で多く発生しており、これらの種目では、特に注意しましょう。また、運動種目にかかわらず、ランニングやダッシュの繰り返しによって多く発生しています。 3.暑さへの耐性は、個人差が大きく影響します。特に肥満傾向の人は熱中症事故の7割以上を占めており、注意が必要です。 出典:独立行政法人日本スポーツ振興センター学校安全部「熱中症を予防しよう」
子どもの成長112 2026/08/20 「熱中症を防ぐ」 学校や日常生活での注意点、子ども・高齢者について 学校での熱中症対策、子どもを守る 前回、スポーツ活動中の熱中症についてまとめたが、その観点からは学校における対策も重要となる。 学校では中学から高校1・2年生のクラブ活動での発生が多い。種目別では野球やサッカー、ラグビーなどの屋外で走行する競技で発生しやすい。また、意外なところでプールでも熱中症になり得ることは、前回述べたとおりだ。 なお、子どもは体重当たりの体表面積が大きいために、日光の照射など環境の影響により体温が大人より上昇しやすく、また、体温調節機能がまだ十分発達していない。さらに、大人よりも身長が低いということは、それだけ温度が高い地表近くにからだがあるということで、それもまた熱中症のリスクを高める。 これらの理由から、子どもは成人以上に熱中症になりやすく、子どものスポーツを指導する立場にある人には十分な注意が求められる。 学校における熱中症予防のための指導のポイント 1.直射日光の下で、長時間にわたる運動やスポーツ、作業をさせることは避けましょう。 2.屋外で運動やスポーツ、作業を行うときは、帽子をかぶらせ、できるだけ薄着をさせましょう。 3.屋内外にかかわらず、長時間の練習や作業は、こまめに水分(0.1〜0.2%食塩水あるいはスポーツドリンク等)を補給し適宜休憩を入れましょう。また、終了後の水分補給も忘れないようにしましょう。 4.常に健康観察を行い、児童生徒等の健康管理に注意しましょう。 5.児童生徒等の運動技能や体力の実態、疲労の状態等を把握することに努め、異常が見られたら、速やかに必要な措置をとりましょう。 6.児童生徒等が心身に不調を感じたら申し出て休むよう習慣づけ、無理をさせないようにしましょう。 ※また、日頃から、緊急時の対応のために構内対策チームを組織し、熱中症対策について教職員の共通理解を図り、応急手当の研修を実施したり、学校医、消防署、教育委員会、家庭等への連絡方法等を明確にしたりして、救急体制を確立しておきましょう。 出典:独立行政法人日本スポーツ振興センター学校安全部「熱中症を予防しよう」