子どもの成長13 2026/03/26 小学生のスクリーンタイムの長さは朝食欠食、夜食習慣、寝不足などと関連 小学5・6年生400人の横断研究 スクリーンタイムを減らして身体活動を増やす働きかけも必要 本研究では上記のように、スクリーンタイムが2~3時間未満の子どもは入眠困難が多く、スクリーンタイムがより長い3時間以上の子どもはそうでなかった。この点について著者らは、電子デバイスの使用は基本的には入眠を妨げると考えられるが、3時間以上に及ぶ場合、睡眠時間そのものが短縮することや、疲労が蓄積するために、入眠困難を来しにくくなるのではないかと考察している。 また、身体活動時間はスクリーンタイムと有意な関連がなかったが、過去の複数の研究から、スクリーンタイムの長さは身体活動の少なさや座位行動の多さと関連が示されているため、スクリーンタイムを減らし身体活動を増やすという働きかけが、今後も重要と考えられるとしている。 なお、本研究の限界点としては、研究対象校が1校のみであり、スクリーンタイムに影響を及ぼし得る社会経済的地位(世帯収入や保護者の就業状況など)を把握していないことなどが挙げられている。 子どものスクリーンタイムの上限を設定すべきではないか 以上、一連の調査結果に基づく考察のうえで著者らは、「日本の小学校高学年の児童において1日3時間以上のスクリーンタイムは、多くの食事・睡眠習慣の悪化と関連していた。海外では子どものスクリーンタイムを『1日2時間まで』としている国が多いが、日本ではそのような推奨がなされていない。諸外国の事例を参考にしつつ、我が国では学習目的での電子デバイスの利用も多いこと、子どもの睡眠時間が諸外国の子どもより短いことなどを考慮したうえで、独自の基準を設けるべきではないか」と提案している。
子どもの成長12 2026/03/25 小学生のスクリーンタイムの長さは朝食欠食、夜食習慣、寝不足などと関連 小学5・6年生400人の横断研究 食習慣や睡眠習慣がスクリーンタイムの長さと独立して関連 次に、スクリーンタイムを独立変数、調査で把握したその他の因子を従属変数とする多変量解析を実施。スクリーンタイムが2時間未満の群を基準として、スクリーンタイムが3時間以上の群は、食事・睡眠の不良が多いことがわかった。その関係は、性別、学年、肥満度、新体力テストの体力合計得点を調整後にも、以下のように有意性が保たれていた。 朝食を全く/時々食べないことはオッズ比(OR)2.37(95%CI;1.05~5.38)、夜食をよく/ときどき食べることはOR2.72(1.41~5.23)、睡眠時間6時間未満はOR10.45(2.78~39.30)、就寝時刻が午後10時以降はOR2.81(1.43~5.53)、午後11時以降はOR3.97(1.95~8.07)。身体活動時間と入眠困難は有意な関連がなかった。 なお、スクリーンタイムが2~3時間未満の群は、入眠困難のみが有意な関連因子だった(OR2.05〈1.17~3.58〉)。
子どもの成長11 2026/03/24 小学生のスクリーンタイムの長さは朝食欠食、夜食習慣、寝不足などと関連 小学5・6年生400人の横断研究 食事・睡眠習慣、肥満度、新体力テストの合計得点などの関連を解析 この研究は、つくば市内のある小学校の5・6年生を対象に実施された。Googleフォームを用いたアンケートにより、スクリーンタイムを質問するとともに、年齢、性別、食事・睡眠習慣などを把握。加えて、肥満度、スポーツ庁「新体力テスト」の体力合計得点なども含めた多くの因子とスクリーンタイムの関連を検討した。 454人が回答。回答内容に不備があるものを除外し、400人(男子187人、女子213人)を解析対象とした。なお、男女間の比較で、身体活動時間が女子より男子のほうが長いことを除き、有意差のある項目はみられなかったため、性別ごとの解析は行われていない。 スクリーンタイムの長い子どもは食習慣・睡眠習慣が良くない 1日のスクリーンタイムは、2時間未満が62.7%、2~3時間未満が23.5%、3時間以上が13.8%だった。この3群を比較すると、新体力テストの合計得点と、食事・睡眠習慣に有意差が認められ、肥満度と身体活動時間は有意差がなかった。 食習慣については、スクリーンタイムが長い群ほど、朝食を全く/時々食べない子どもが多く(スクリーンタイム2時間未満では8.4%、同2~3時間未満は11.7%、3時間以上は20.0%)、夜食をよく/ときどき食べる割合が高かった(同順に49.4%、59.6%、72.7%)。 睡眠習慣については、スクリーンタイムが長い群ほど、睡眠時間6時間未満(2.0%、3.2%、12.7%)、就寝時刻が午後10時以降(50.2%、56.4%、74.5%)、午後11時以降(11.6%、10.6%、34.5%)が多く、また、入眠困難が多かった(62.9%、77.7%、74.5%)。
子どもの成長10 2026/03/23 小学生のスクリーンタイムの長さは朝食欠食、夜食習慣、寝不足などと関連 小学5・6年生400人の横断研究 国内の小学5・6年生では、朝食の欠食が多いこと、夜食の摂取頻度が高いこと、就寝時刻が遅いこと、睡眠時間が短いことなどが、スクリーンタイムの長さと独立した関連のあることが明らかになった。筑波大学大学院人間総合科学研究科の馬場朝美氏、麻見直美氏らが行った横断研究の結果であり、「Journal of Nutritional Science and Vitaminology」に論文が掲載された。 生活習慣が確立し始める小学校高学年のスクリーンタイム関連因子を包括的に探る 日本の子どもたちのスクリーンタイムの増加が報告されている。さらに、スクリーンタイムの長さが、身体活動や睡眠にあてる時間の短縮、肥満の増加や学力の低下と関連しているとの報告もある ただ、子どもたちのスクリーンタイムに関するこれまでの研究は中学・高校生を対象としたものや、関連を検討した因子が限定的な報告が多い。スマートフォンなどの電子デバイスの利用が低年齢化していることから、より低年齢層のスクリーンタイムの関連因子をより包括的に理解する必要が生じている。
子どもの成長9 2026/03/19 子どもの運動能力の発達には親への介入が重要? 縦断研究で観察された親の態度や行動の影響 9歳半時点で基本的な運動能力を評価し、交絡因子を調整して解析 5歳時点の子どもの運動能力の評価には、粗大運動発達検査-第2版(Test of Gross Motor Development-2nd Edition;TGMD-2)、運動スキル自己評価(Perceived Movement Skill Competence;PMSC)を利用し、子どもの代わりに親が代理回答した。9歳時点で、走る、跳ぶ、ボールを蹴る・打つなどの6種類の基本的な運動能力(論文ではmotor competence for active play〈活発な遊びのための運動能力〉と記されている)について、同様に親が代理回答した。 子どもが男児であること、5歳時点のTGMD-2スコアが高いこと、親の社会経済的地位が高いことは、いずれも9歳半時点の基本的な運動能力(活発な遊びのための運動能力)の高さと有意な関連が認められた。よって、これ以降の解析に際しては、これらも交絡因子として考慮した。 子どもの運動能力向上に、親をターゲットとした介入が重要 9歳半時点の基本的な運動能力(活発な遊びのための運動能力)を目的変数とする単回帰分析では、親の自己効力感、支援行動、および態度という三つの因子は、すべて有意な関連が認められた。次に多変量解析を行った結果、自己効力感は有意性が消失したが、支援行動(β=0.201、p=0.008)、および態度(β=0.165、p=0.028)は引き続き有意性が保たれていた。 著者らは「この研究結果は、子どもの運動能力の発達を促進する際に親をターゲットにすることの重要性を強調しており、とくに非構造化活動環境における活発なライフスタイルの促進に重点が置かれる」と結論づけている。