MENU CLOSE
TEL

2023年 5月

68(1) 学校教育の質と多様性包摂性を高め教育の機会均等を実現する 3

2023/05/31

『また,ICTの活用や関係機関との連携を含め,現に学校教育に馴染めないでいる子供に対して実質的に学びの機会を保障していくとともに,離島,中山間地域等の地理的条件にかかわらず,教育の質と機会均等を確保することが重要である。

このような取組を含め,憲法第14条及び第26条,教育基本法第4条の規定に基づく教育の機会均等を真の意味で実現していくことが必要である。なお,ここでいう機会均等とは,教育水準を下げる方向での均等を図るものではなく,教育水準を上げる方向で均等を実現すべきであることは言うまでもない。

例えば,新型コロナウイルス感染症による学校の臨時休業期間において,一部では「全ての家庭にICT環境が整っていないので,学びの保障のためにICTは活用しない」という判断がなされたという事例や,域内の一部の学校がICTを活用した取組を実施しようとしても他の学校が対応できない場合には,域内全体としてICTの活用を控えてしまった事例もあるが,このように消極的な配慮ではなく,「ICT環境が整っている家庭を対象にまず実施し,そうでない家庭をどう支援するか考える」という積極的な配慮を行うといったように,教育水準の向上に向けた機会均等であるべきである。』

 

子どもがどのような環境におかれても学ぶ権利、教育の機会の保証がなされなければなりません。例えば、部活動での遠征での公休。不登校であったりしてもオンラインをつなぐ、病気やけがで入院中もコミュニケーションが取れる環境を整える。こういった様々な工夫が大切で、よくお聞きするのが保健室登校においてのほったらかし。学校に通っても教育の機会を与えない、手法が見いだせないなどのことは、生徒に本当に寄り添っているのかどうか、信頼関係が培われているのか、信頼関係をどう構築してきたのかと疑問を抱くこともあります。しょうがないことなのでしょうか?教員にとってはめんどくさいことなのでしょうか。学校に通い、授業を受ける当たり前が叶わない子どもに寄り添う言葉が大切です。大人のまたその人の基準を子どもに押し付ける思考の展開では子どもは心を開いてくれないのではないでしょうか。寄り添うことをとても大切にしてほしいと願います。

67 (1) 学校教育の質と多様性包摂性を高め教育の機会均等を実現する 2

2023/05/30

『性同一性障害や性的指向・性自認(性同一性)に悩みを抱える子供がいるとの指摘もある。こうした子供が,安心して学校で学べるようにするため,性同一性障害や性的指向・性自認(性同一性)について,研修を通じて教職員への正しい理解を促進し,その正しい理解を基に,学校における適切な教育相談の実施等を促すことが重要である。』

 

4月に中学校へ入学する卒園児が来てくれた時です。ある中学校の制服が変わっていました。男女ともブレザー、白いシャツにネクタイかリボンの選択、スカートとズボンも選択だそうです。公立の中学校です。セーラー服が似合うね!、学ランがかっこいいね!は昭和的発想で時代遅れなのです。このこともしっかり受け止めていく必要があります。もちろんこのことに児童生徒が声をあげていくことも必要ですし、受け止めることが必要なのです。

 

66 (1) 学校教育の質と多様性包摂性を高め教育の機会均等を実現する

2023/05/29

『○新しい時代を生きる子供たちに必要となる資質・能力をより一層確実に育むため 子供たちの基礎学力を保障してその才能を十分に伸ばし,また社会性等を育むことができるよう,学校教育の質を高めることが重要である。その際,インクルーシブ教育システムの理念の構築等により,様々な背景により多様な教育的ニーズのある子供たちに対して,自立と社会参加を見据えて,その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる,多様で柔軟な仕組みを整備することが重要であり,実態として学校教育の外に置かれることのないようにするべきである。特に,憲法や教育基本法に基づき,全ての児童生徒に対し,社会において自立的に生きる基礎や,国家や社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的とする義務教育段階においては,このことが強く求められる。

このため,学校に十分な人的配置を実現し,1人1台端末や先端技術を活用しつつ,生徒指導上の課題の増加,外国人児童生徒数の増加,通常の学級に在籍する発達障害のある児童生徒,子供の貧困の問題等により多様化する子供たちに対応して個別最適な学びを実現しながら,学校の多様性と包摂性を高めることが必要である。その際,現状の学校教育における個の確立と異質な他者との対話を促すことに弱さがあるとの指摘も踏まえ,一人一人の内的なニーズや自発性に応じた多様化を軸にした学校文化となり,子供たちの個性が生きるよう,個別化と協働化を適切に組み合わせた学習を実施していくべきである。』

そうあるべきである。その通りと賛同します。一人一人に寄り添う、個別的対応かつ、協同的な学び。少子社会における根幹だと思います。日本においても「だれ一人取り残さない」とよく使われるようになりました。人は一人一人違うし多様です。障がいのあるなし、そういった問題だけではなく、広く、だれもが学び、社会参加することが大切な要素ですね。「家庭の事情で登校品から」「病気で出席できない」「不登校、学校に来ないから」「教室に入らず保健室登校だから」「部活で遠征して学校に来ないから」。いままでとは違い、あらゆる手段で教育の機会は確保できるはずです。ほったらかしや児童生徒の責にすることがないよう、多様な状況に対応できるはずです。学校に期待したいですね。

 

65 「令和の日本型学校教育」の構築に向けた今後の方向性 3

2023/05/26

『 ○ また,学校だけではなく地域住民等と連携・協働し,学校と地域が相互にパートナーとして,一体となって子供たちの成長を支えていくことが必要である。その際,コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)と地域学校協働活動を一体的に実施することが重要である。

○ さらに,一斉授業か個別学習か,履修主義か修得主義か,デジタルかアナログか,遠隔・オンラインか対面・オフラインかといった,いわゆる「二項対立」の陥穽に陥らないことに留意すべきである。どちらかだけを選ぶのではなく,教育の質の向上のために,発達の段階や学習場面等により,どちらの良さも適切に組み合わせて生かしていくという考え方に立つべきである。

○ なお,本答申で提言する新たな施策について,文部科学省を中心に実施していくに当たっては,第3期教育振興基本計画で掲げられているように,各施策を効果的かつ効率的に実施し,目標の達成状況を客観的に点検し,その結果を対外的にも明らかしつつその後の施策へ反映していくことなどにより,教育政策のPDCAサイクルを着実に推進していくことが求められる。中央教育審議会においても,初等中等教育分科会を中心に,必要な検証を実施していく。 』

 

就学前の施設においては、こういった学校改革がなされていることを踏まえ、しっかりと受け止めた保育の実施が必要です。だからこそ我々保育の現場において、常に状況を把握しつつ、学校と連携しなら保育の実施をしていく必要があると思います。時代は、学校教育は学校だけではなく就学前の施設や、その後の上級学校との連携も必要です。幼保小中連携事業はとても大切な事業としてとらえており、日頃からの連絡も必要ですし、保育の現場の視察等も含めていただき子どもたちの現実を把握して欲しいと思います。もちろん自治体にもお願いしたいことです。

 

64 「令和の日本型学校教育」の構築に向けた今後の方向性 2

2023/05/25

『○ その上で,「令和の日本型学校教育」を,社会構造の変化や感染症・災害等をも乗り越えて発展するものとし,「全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学び」を実現するためには,今後,以下の方向性で改革を進める必要がある。

○ その際,学校現場に対して新しい業務を次から次へと付加するという姿勢であってはならない。学校現場が力を存分に発揮できるよう,学校や教師がすべき業務・役割・指導の範囲・内容・量を,精選・縮減・重点化するとともに,教職員定数,専門スタッフの拡充等の人的資源,ICT環境や学校施設の整備等の物的資源を十分に供給・支援することが,国に求められる役割である。』

 

学校においての負担の多くは現場の教員が抱える問題です。数も必要です。多様なスタッフも必要です。役割の分散も必要です。そういったことが可能となる配置を見直してほしいものです。そこには財源も必要です。そのことは、すべては子どもたちのためです。これからの日本の教育をどうするのかは、国の将来にもつながります。もちろん個々が尊重され、国によって思想が支配されるなどとすぐに指摘する方もいるかもしれません。そういうことではなく、一人一人が尊重される社会であってほしいし、そのことの礎は学校教育の現場の充実だと思うからです。

 

 

 

top