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園からの発信

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 11

2024/10/11

○ 平成21年には、文部科学省と厚生労働省の共同で「保育所や幼稚園等と小学校における連携事例集」が作成され、平成22年には、文部科学省の調査研究協力者会議(オブザーバー:厚生労働省)において「幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方について(報告)」が取りまとめられた。当該報告においては、学びの芽生えの時期である幼児期から自覚的な学びの時期である児童期への円滑な移行を図ることが重要であること、幼児期から児童期に求められる教育、幼小接続における教育課程編成・指導計画作成上の留意点、幼児期の終わりまでに育ってほしい幼児の具体的な姿(参考例)などが示され、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」をはじめ、現行の3要領・指針の改訂・改定にもつながった。

○ また、この間、文部科学省と厚生労働省とで連携し、幼稚園と保育所の施設の共用化の推進、幼稚園教諭と保育士の合同研修の実施、免許・資格の併有の促進等の取組も行ってきた。平成18年には、急速な少子化の進行や家庭・地域を取り巻く環境の変化に伴い、多様化するニーズに柔軟かつ適切に対応するため、就学前の子供に教育・保育を一体的に提供し、地域における子育て支援を実施する施設として、認定こども園制度が創設された。さらに、幼保連携型認定こども園制度の創設に伴い、平成26年には、幼保連携型認定こども園教育・保育要領が公示された。

 

「学びの芽生えの時期である幼児期」いやですねこの表現。医学的に胎児のころから母体の中で音や言葉、どうやら喜怒哀楽、母体の感情まで感じ取るともいわれています。OECDのECECにおいても発達は胎児からであることも示されています。それは学びの始まりですよね。さらに生まれてからも視覚や聴覚だけでなく、人との関わりも出てきます。真似をする、共鳴する、共感する。すべて学びの始まりです。学びは教師がいて、机に座って聞くことだけが教育と思い込んでいるとこの改定にはついていけません。学びとは何かの理解も必要です。

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 10

2024/10/10

平成19年には学校教育法が改正され、幼稚園が学校教育のはじまりとして、小学校以降の教育との発達や学びの連続性が明確になるよう、各学校種の中で最初に規定されるとともに、「義務教育及びその後の教育の基礎を培う」ものとして、目的及び目標が明確化された。

○ これらを受け、平成20年に同日付で改訂・改定された幼稚園教育要領と保育所保育指針、同年に改訂された小学校学習指導要領では、幼児期の教育と小学校教育の接続に関して相互に留意する旨が定められ、小学校学習指導要領では、生活科を中心とした合科的・関連的な指導を行うなどの工夫をすることが定められた。

 

この言葉気になります「幼稚園が学校教育のはじまり」。いくら翌年に幼稚園教育要領と保育所保育指針、同年に改訂された小学校学習指導要領では、幼児期の教育と小学校教育の接続に関して相互に留意する旨が定められ、小学校学習指導要領では、生活科を中心とした合科的・関連的な指導を行うなどの工夫をすることが定められたとしても、学校教育法においてはそうなのでしょうが、現実的には同じなはずです。ここにこだわる文科省関係者の方々もいらっしゃいますが、そうすればなぜその後に幼稚園から認定こども園へ移られたのかが理解できません。3歳からは学校教育と看板を掲げていた施設が看板を降ろされた。どういうことなのでしょうか。学びは赤ちゃん、いや胎児から始まっているのです。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 9

2024/10/09

一、幼児期及び幼保小接続期の教育に関する法令改正等の変遷

1.主な経緯

○ これまで、幼稚園教育要領は、幼稚園における教育水準を全国的に担保することを目的に教育課程の基準を大綱的に定めるものとして、昭和31年以降、平成29年の改訂に至るまで、幼児期の子供の学びや生活を充実するため、累次の改訂がなされてきた。

○ また、保育所保育指針は、保育所保育の基本となる考え方や保育のねらい及び内容など保育の実施に関わる事項や運営に関する事項について定めている。保育所における保育は、養護及び教育を一体的に行うことをその特性としており、昭和40年以降、平成29年の改定に至るまで、保育所保育指針のうち3歳以上の保育に関する教育的側面については、幼稚園教育要領との整合性が図られてきた。

○ 特に、平成元年改訂の幼稚園教育要領では、環境を通して行う教育が基本とされ、遊びを通しての指導を中心としてねらいが総合的に達成されるようにするとされた。併せて、幼児期の子供の発達の側面から、5領域(健康、人間関係、環境、言葉、表現)に再編成された(保育所保育指針も同旨の改定)。

また、同年に改訂された小学校学習指導要領では、幼児教育との関連も考慮して、低学年において直接体験を重視した学習活動を展開するために新教科として生活科が設定された。

○ 平成18年に改正された教育基本法では、幼児期の教育は、「生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なもの」とされ、義務教育は、「各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養う」ものとされた。

 

教育の変遷が明示されています。教職員アップデートできているでしょうか。教えるから学ぶに変遷。「遊びを通して」ねらいが総合的に達成されるようにとの文言ですが、いまだに子どもは遊びが大事のレベルにとどまり、ねらいが達成できているのかどうかの評価ができていなければそれはただの遊ばせているにしか映りません。多くの方においても保育園は預かるとろであって、託児といった感覚は消えていません。保育の内容を開示したりしても消えない、幼稚園と保育園は違うもの、といった感覚が消えません。一般社会が幼稚園であれ、保育所であれ、子どもの育ちを支え成長を促し、学びの礎を気付くところである感覚、を認識していただきたく思います。

 

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 8

2024/10/08

また、子供の健やかな成長という同じ目標に向かって、子供に関わる関係者が真に一体となって連携・協働することにより、子供はもとより、保護者や幼保小の先生をはじめとする全ての関係者のウェルビーイングの実現へとつなげていくことも期待される。我が国では、令和4年6月、こども基本法が成立し、「次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ること」ができる社会の実現を目指すこととしている。

教育行政を所掌する文部科学省においては、本審議まとめを踏まえ、こども家庭庁をはじめとする関係省庁と連携を図りながら、全ての子供に格差なく質の高い学びの機会を提供できるよう、幼児期及び架け橋期の教育の質を保障していくことが必要である。

文部科学省をはじめとする関係省庁、地方自治体の教育委員会、首長部局、幼児教育関係者、小学校教育関係者、さらには家庭、地域等を含め、子供を取り巻く全ての関係者が、本審議まとめの提言内容の実現に向けて、共に取り組んでいくことを期待する。

 

学校職員だけでなく、さらなる教育保育従事者やその職務を支える方の処遇の改善も必要です。今自治体間で行われている無償化や現金給付などの子育て支援合戦だけではなく、乳児期からの質の高い保育の提供に始まり、学校教育への架け橋がうまく実現するためには、学校、就学前施設が互いの立場を知り、現場レベルで子どもにとってのウェルビーイングを検討して欲しいです。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 7

2024/10/07

本審議まとめは、幼保小という異なる施設類型や学校種にまたがる5歳児から小学校1年生までの2年間を「架け橋期」と称して焦点を当て、当該時期の教育(以下、「架け橋期の教育」という。)の重要性について、幼保小の先生はもとより、家庭や地域をはじめ、子供に関わる全ての関係者に幅広く訴えることを目的としたものである。

そして、架け橋期の教育の充実を図るためには、幼児教育施設、小学校、家庭、地域、幼保小の関係団体、地方自治体の教育委員会・保育担当部局など、子供に関わる全ての関係者が立場を越えて連携・協働することが必要であり、そのような連携・協働を通じて、幼児教育や小学校教育の充実を図るとともに、子供の健やかな成長に不可欠である家庭や地域の教育力の向上へとつなげていくことが重要であるとした。

 

5歳児から小学校1年生までの2年間を「架け橋期」と称して焦点が当たるだけであって、子どもの成長は生まれてからの環境に左右され、どのように過ごしてきたかも大切です。決して架け橋期だけの問題ではないのです。様々な経験、体験がその後の成長を支える礎となるのです。さらに、教員に負担軽減等もあり、教科担任だけでなく様々な職種の職員も必要であることを望みます。さらにここに子供に関わる全ての関係者が立場を越えて連携・協働することが必要としており、これまでと違った支援がなされることを期待するものです。

 

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