子どもの成長22 2026/04/08 「早食い」はメンタルヘルス悪化と関連があり、運動不足や睡眠の質低下にも関連 12~24歳対象横断研究 メンタルヘルス不良と運動不足が早食いと独立して関連 早食いと判定された群(23人)と非早食い群(83人)で比較すると、平均年齢、性別の分布、BMIカテゴリーの分布、朝食欠食習慣のある割合については有意差がなかった。しかし、GHQ-12に基づくメンタルヘルス不良の該当者の割合が、前者は39.1%、後者は9.6%であり、早食い群のほうが有意に高かった(p=0.002)。そのほかにも、1日1回以上間食する割合(p=0.002)や、1日30分以上汗をかく運動の頻度(p=0.013)、睡眠の質(p=0.021)についても有意差が認められ、いずれも早食い群においてそれらの習慣が良くないという結果だった。 口腔機能関連指標では、DMFT指数と咀嚼速度(1回の咀嚼にかける時間)は有意差がなかったが、咀嚼回数、咀嚼時間、咀嚼能力はいずれも早食い群が有意に低値だった。なお、唾液中のグルコース濃度は、早食い群が81.78±18.10mg/dL、非早食い群が154.60±31.65mg/dLで、やはり前者が有意に低値だった。 次に、早食いであることを従属変数、GHQ-12スコアと身体活動習慣を独立変数とする多変量二項ロジスティック回帰分析を実施。その結果、メンタルヘルス不良(調整オッズ比〈aOR〉8.470〈95%CI;2.437~32.934〉)、および、身体活動習慣がないこと(aOR5.604〈1.562~22.675〉)は、いずれも早食いと独立した関連のあることが明らかになった。
子どもの成長21 2026/04/07 「早食い」はメンタルヘルス悪化と関連があり、運動不足や睡眠の質低下にも関連 12~24歳対象横断研究 思春期・若年成人を対象に、客観的に評価した早食いとGHQ-12スコアとの関連を検討 この研究の参加者は、九州歯科大学附属病院の2023年5月~2024年3月の受診者のうち、咀嚼の妨げとなる口腔疾患等がなく、全身状態が良好な12~24歳の初診患者から募集した。事前の統計学的検討に基づき、このトピックの分析に必要なサンプルサイズとして計算された106人から、研究参加の同意を得た。すべて学校や大学の生徒・学生だった。 グミの咀嚼を利用して早食いか否かを客観的に判定 従来の研究の大半は、「人と比較して食べる速度が速いですか?」といった質問に対する回答に基づき、早食いか否かを判定している。しかし、このような自己申告は信頼性が十分でない可能性がある。そこで本研究では、以下の手法により客観的に摂食速度を評価した。 その手法とは、グルコースを含むグミゼリーを咀嚼してもらい、嚥下したいと思った時点でグミと唾液を排出させ、唾液中のグルコース濃度を測定するというもの。その濃度が低いほど、よく噛まずに飲み込もうとしている(嚥下の閾値が低い)ことを意味する。本研究では、グルコース濃度が参加者全体の下位20%以下に該当する23人を「早食い」と判定した。なお、この測定値は標準化された指標ではなく探索的な評価法であることを、著者らは留意点として挙げている。 この唾液中のグルコース濃度以外の口腔機能関連指標として、DMFT指数(健康でない歯の本数〈虫歯や何らかの処置がされている歯、抜けた歯の本数〉)、咬合力、咀嚼回数、咀嚼時間などを評価した。 メンタルヘルスはGHQ-12で判定 メンタルヘルス状態は、12項目からなる一般健康質問票(12-item General Health Questionnaire;GHQ-12)で評価し、0~3点を良好、4~12点は不良と判定。本研究参加者のうち17人(16%)がメンタルヘルス不良に該当した。 これらのほかに、BMI、朝食欠食習慣、間食摂取習慣、身体活動習慣、睡眠の質などを自己申告に基づき把握した。
子どもの成長20 2026/04/06 「早食い」はメンタルヘルス悪化と関連があり、運動不足や睡眠の質低下にも関連 12~24歳対象横断研究 12~24歳という思春期および若年成人において、早食いという食習慣がメンタルヘルスの悪化と関連のあることが報告された。また、身体活動の習慣がないことも早食いに関連しているという。長崎大学大学院医歯薬学総合研究科発達育成歯科学分野の藤田優子氏、タケシマデンタルオフィス(沖縄県)の竹島朋宏氏の研究によるもので、「Nutrients」に論文が掲載された。 早食いは身体疾患だけでなく、メンタルヘルスにも関連がある? 近年、早食いが肥満や2型糖尿病などの身体疾患のリスクの高さと関連していることが注目され、保健指導においても摂食速度に関するアドバイスの重要性が増している。また、過食あるいは感情的摂食などの食行動の乱れが、メンタルヘルス状態の悪化と関連していることも知られている。ただ、早食いも食行動の乱れの一つとして捉えることもできるが、早食いとメンタルヘルスとの関連については、これまでのところ十分に検討されていない。 摂食速度は若年期までに身に付き、それ以降は変化が乏しいと報告されている。仮に、早食いがメンタルヘルスと関連しているとしたら、その影響は生涯にわたる可能性もある。これらを背景として藤田氏らは、国内の思春期および若年成人を対象とする横断研究を実施し、その関連の有無を検討した。
子どもの成長19 2026/04/03 SNS利用が小学生の身体イメージに影響か? 女児は自分が実際より太っていると認識しやすい傾向 思春期前から、SNS利用による誤った身体イメージの形成に注意が求められる まとめると、日本人小学生のSNS利用は、女児において、自分自身の体型を実際よりも太っているとの誤認と、独立した関連が認められた。また、性別を問わず、身近な友人やクラスメートではなくメディアに登場する人を、理想的な身体イメージとすることと関連していた。 著者らは、「思春期前の子どもたちのSNSの利用は、身体イメージの認識や体型の好みに悪影響を及ぼす可能性がある。思春期前からSNSを使い過ぎないように働きかけることが、思春期以降の子どもたちの健全な身体イメージの形成を促すのではないか」と述べている。また、「SNSの利用が身体イメージにどのように影響するかを理解することが重要であり、その関係の根底にあるメカニズムを明らかにするための研究が、日本ではまだ少ない」と指摘し、今後の研究の発展に期待を表している。
子どもの成長18 2026/04/02 SNS利用が小学生の身体イメージに影響か? 女児は自分が実際より太っていると認識しやすい傾向 SNSを利用している女児は、自分自身の体型の認識と実際の体型の乖離が大きい SNS利用群とSNS非利用群を性別ごとに比較すると、男児ではスクリーンタイムに有意差が認められた(SNS利用群106.95分 vs 非利用群94.73分、p=0.002)。女児では、スクリーンタイム(同順に106.95 vs 94.73分、p=0.025)のほかに、自分自身の体型の認識の誤りの大きさや(-0.20 vs -0.36、p=0.014〈SNS非利用群のほうが実際より痩せていると考えている〉)、理想的な身体イメージの存在の有無(SNS利用群では「該当する人はいない」が少なく「メディアに登場する人」を理想とする割合が多い)にも有意差があった(p=0.004)。 次に、自分自身の身体イメージと理想とする身体イメージとの乖離、および、自分自身の体型の認識と実際の体型との乖離を目的変数、SNSの利用を説明変数とする多変量解析を実施。その結果、男児については調整変数にかかわらず、SNSの利用は身体イメージや体型の認識の乖離の有意な説明変数として抽出されなかった。 一方、女児についてはスクリーンタイムと肥満度で調整した場合に、自分自身の体型の認識と実際の体型との乖離の独立した説明変数として、SNSの利用が抽出された(β=0.08〈95%CI;0.00~0.26〉)。β値がプラスのため、SNSの利用が両者の乖離の拡大と関連している(SNSを利用していると自分が実際より太っていると認識しがちである)ことを意味している。なお、自分自身の身体イメージと理想とする身体イメージとの乖離に関しては、女児においてもSNSの利用との関連は認められなかった。 性別にかかわらず、SNSの利用は「メディアに登場する人」を理想とすることと関連 続いて、理想的な身体イメージの存在を目的変数とする解析を実施。すると、男児・女児ともに、「メディアに登場する人」を理想の身体イメージとすることの独立した説明変数として、SNSの利用が抽出された(スクリーンタイムと肥満度を調整変数とするモデルでのオッズ比が、男児は1.71〈95%CI;1.11~2.65〉、女児は1.87〈1.25~2.78〉)。