子どもの成長6 2026/03/16 子どもの運動能力の発達には親への介入が重要? 縦断研究で観察された親の態度や行動の影響 5歳児の親の子どもの運動能力に関する態度や行動が、子どもが9歳半に成長した時点の身体能力の有意な予測因子であるとする、縦断研究の結果が発表された。著者らは、子どもの運動能力の発達を促すうえで、親をターゲットとした介入の重要性を示す結果であるとしている。 生涯にわたる活発な身体活動には、幼少期に運動能力を高めておく必要がある 習慣的な身体活動に、心血管疾患や2型糖尿病、早期死亡のリスク低下など、健康上のメリットがあることは広く知られているが、それにもかかわらず多くの成人が身体活動不足の生活を送っており、それが非感染性疾患(non-communicable diseases;NCD)蔓延の一因となっていると考えられている。 身体活動量の成人の特徴として、多忙のため時間がないなどのほかに、基礎的な運動能力の低さも該当する可能性が指摘されている。基礎的な運動能力は幼少期から成長の過程で身に付くと考えられ、幼少期に一定程度以上の運動能力を獲得しておくことが、生涯にわたる活動的な生活につながる可能性がある。
子どもの成長5 2026/03/13 痛みのあるアスリートとないアスリートでの食習慣の比較 次に、疼痛の有無別に地中海式ダイエットの遵守状況を比較した結果をみると、低遵守グループでは、疼痛なし群とあり群の割合に有意差はなかった(27.1 vs 23.0%)。しかし、中遵守グループでは、疼痛なし群は38.5%を占め、疼痛あり群は32.2%であり、疼痛なし群が有意に多く分布していた(p<0.05)。一方、高遵守グループでは、疼痛なし群は34.4%を占め、疼痛あり群は44.8%であり、疼痛あり群が有意に多く分布していた(p<0.0001)。 また、健康的な脂質を摂取している割合は、疼痛なし群が66.7%、疼痛あり群が78.8%だった(p<0.0001)。しかし、非健康的とされる食品を摂取している割合は、疼痛なし群が35.4%であるのに対して、疼痛あり群は49.3%と有意に高かった(p<0.0001)。 著者らは本研究について、小児に関しては保護者のサポートを受けて回答したケースが多いと考えられ、回答内容にバイアスがかかっている可能性があること、アンケートの結果のみの解析であり食事記録や臨床データは評価していないことなどの限界があるとしている。 そのうえで、「結論として本研究は、若年アスリートにおける筋骨格痛の有病率の高さを明らかにし、栄養面などの改善可能な因子へ対処する必要性を強調している。運動能力の高い若年者において、筋骨格系の健康の増進と回復の促進、および疼痛発生率を低減するために、早期の栄養教育と予防戦略が重要である」と総括している。
子どもの成長4 2026/03/12 小児・青年アスリートの疼痛発現抑制のため、早期の栄養教育と予防介入が求められる 食事スタイルは、子どもの食習慣の地中海式ダイエットらしさを判定する16項目の質問票(KIDMED test)で評価した。KIDMED testは0~12点の範囲でスコア化され、8点以上は地中海式ダイエットの高い遵守、4~7点は中程度の遵守、3点以下は低い遵守と判定する。 小児アスリートは、高遵守が39.7%、中遵守が44.2%、低遵守が16.1%、青年アスリートは同順に45.1%、28.8%、26.1%であり、両群ともに中間的なスコアだった。より詳細に比較すると、小児は青年よりも果物と野菜を摂取している割合が高く、青年は健康的な脂質・炭水化物を摂取している割合が高かった。
子どもの成長3 2026/03/11 小児アスリートの78.5%、青年アスリートの93.5%が「疼痛あり」 調査対象は、スペイン国内の5カ所のスポーツクラブ/アカデミーに所属している8~17歳のアスリートであり、とくに除外条件は設けず、916人を対象とした。参加している競技はサッカーが最多であり、ハンドボール、バレーボール、水泳等が続いた。 疼痛に関しては、「ふだん、スポーツ中に怪我や転倒などをしていない場合でも、筋肉、関節、骨、または腱に痛みや不快感があるか?」、「とくに、夜間に原因不明の痛みを感じるか?」、「医師から成長痛と言われたことがあるか?」と三の質問を行い、いずれかに肯定的な回答した場合は「疼痛あり」と定義した。 解析は、小児(8~12歳)と青年(13~17歳)に分けて行われている。 小児アスリートの32.6%、青年アスリートの51.9%が「成長痛の診断歴あり」 小児アスリート(242人)は男児52.9%で、トレーニング時間は3.7±1.1時間/週、サプリメント利用率0%であり、「疼痛あり」の該当者率は78.5%と約8割だった。それにもかかわらず、鎮痛薬を使用している割合は9.5%にすぎなかった。成長痛の診断歴がある割合は32.6%だった。 一方、青年アスリート(674人)は男子51.0%で、トレーニング時間は7.2±1.2時間/週、サプリメント利用率7.7%であり、「疼痛あり」の該当者率は93.47%と9割を超えていた。それにもかかわらず、鎮痛薬を使用している割合は15.1%にすぎなかった。成長痛の診断歴がある割合は51.9%だった。 性別で比較すると、小児アスリートは「疼痛あり」の該当者率が、男児72.7%、女児85.1%で女児のほうが有意に高値だった。一方、青年アスリートは同順に94.2%、92.7%でほぼ同等だった。なお、成長痛の診断歴がある割合は、小児・青年ともに性別による有意差がなかった。
子どもの成長2 2026/03/10 アスリートの成長痛の実態を探る横断研究 成長痛は小児の反復性四肢痛の一般的な病態の一つであり、その有病率は調査対象により2.6~49.4%と広い範囲に分布している。成長痛の痛みは通常、夜間に増強し、朝には消退する。成長痛の原因はいまだ特定されていないが、成長ホルモンの分泌が夜間に亢進することが疼痛の日内変動に関与しているのではないか、骨の成長がインパルスを引き起こし夜間は外部刺激が少ないために疼痛が顕著になるのではないかといった説が提唱されている。また、ビタミンDの欠乏など栄養因子が関与する可能性も指摘されている。 一方、栄養に関しては、成長痛の有無にかかわらず、小児・青年期にはとくに重要であることは論をまたない。適切な栄養素の摂取につながる食事スタイルとして、海外では地中海式ダイエットが広く浸透している。地中海式ダイエットは、心血管代謝に対して保護的に働くだけでなく、カルシウムやビタミンD、良質なタンパク質の摂取にも適しており、近年、スポーツ栄養の領域でも評価されている。しかし、地中海式ダイエットと成長痛との関連はほとんど研究されていない。 これらを背景として、今回紹介する論文の研究では、小児・青年期アスリートの成長痛の有病率の推定、および、成長痛と地中海式ダイエットとの関連性の有無が検討された。