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園からの発信

幼児教育の質の向上12

2026/02/09

(4)特別な配慮を必要とする幼児への支援

①障害のある幼児等への支援

○ 個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成が必要であると判断されている幼児の数は増加傾向にある。子供一人一人の発達に応じた指導を行い、子供の発達の実情や生活の流れなどに即して、教職員が子供の活動にとって適切な環境を構成するという観点から、幼児教育は特別支援教育との親和性が高く、障害のある幼児等への支援を充実させることは、全ての子供への指導の充実にも資するものであると言える。

○ 障害のある幼児等の将来的な自立と社会参加を見据えた一人一人の教育的ニーズを把握した早期発見・早期支援が重要であることから、幼児教育施設における特別支援教育の充実、それを支える関係機関・部局と連携した切れ目ない支援体制整備が求められている。また、個別の教育支援計画等を活用した小学校等への円滑な移行支援の充実も求められているところである。

○ これについては、特別支援学校のセンター的機能の積極的な活用をはじめ、これまでも特別支援教育支援員の配置に係る地方交付税措置が講じられてきたほか、専門の医師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の外部専門家の配置に関する支援が行われてきたところであり、引き続きこれらの支援等を行うことが重要である。また、近年の医療技術の進歩により、医療的ケアが必要な幼児が通園する場合も考えられ、今後、これを踏まえた環境整備を行うことが必要である。

○ 他方、幼稚園における体制は十分とは言い難く、とりわけ私立幼稚園については、受入れのニーズに応えきれていないという声もあることから、引き続き私学助成等の支援により幼稚園等の教育活動を充実させ、園内体制の充実を図ることが期待される。

○ 公立幼稚園については、近年特別な配慮を必要とする幼児の受け皿となっているとともに、特別支援教育の知見を有する担い手の養成にも貢献しているところであり、引き続きその役割を果たすことが期待される。

○ 障害のある幼児等への支援に当たっては、家庭、地域及び医療や福祉、保健等の業務を担う関係機関との連携を図ることが重要である。

○ 国においては、特別支援教育に関する教職員の資質向上のため、幼児期の特性を踏まえた研修プログラムの作成、障害のある幼児等の受入れに当たっての体制整備の在り方や指導上の留意事項等の整理等に関する検討を行うべきである。

 

幼児教育の質の向上11

2026/02/06

(3)教育環境の整備

○ 幼児教育の質の向上を図るためには、教育内容の充実だけでなく、資質・能力を育む上で効果的な環境の在り方について検討を行い、その改善及び充実を図ることが必要である。教育内容・方法に対応した保育空間、子育ての支援活動等の運営が円滑に行われる空間として、幼児教育にふさわしい環境の充実を図ることが重要である。

①先端技術の活用

○ 先端技術の活用については、園内環境のアセスメントや業務負担の軽減のみならず、教職員と子供の関わりの実践知を可視化し、研修の素材としたりすることが考えられる。とりわけ幼児期の段階については、教職員と子供の関わりも深いことから、教職員の発話や行動と併せて分析することも考えられる。

○ なお、ICTを基盤とした先端技術の活用に関しては、子供の発達の段階を十分考慮する必要がある。特に、幼児期は直接的・具体的な体験が重要であることを踏まえ、幼児教育施設での生活では得難い体験を補完するなど、ICT等の特性や使用方法等を考慮した上で、幼児の直接的・具体的な体験をさらに豊かにするための工夫をしながら活用することが重要である。

○ また、幼児教育施設における業務のICT化の推進等により、教職員の事務負担の軽減を図ることが重要である。

②安全・安心な環境の整備

○ 幼児教育施設においては登園時間や通園方法、教育活動の場や内容、教職員の職種や勤務時間が多様であることなどから、各園における特徴に留意した上で、安全対策を講ずることが重要である。

○ 学校安全計画等の策定・改善はもちろんのこと、各種ガイドラインに基づき、幼児教育施設における事故の発生・再発防止のための取組を推進する必要がある。

○ 幼児教育施設については、教育環境の充実だけでなく、耐震化、アスベスト対策、防犯、バリアフリー化、衛生環境の改善等の安全対策を引き続き行うことが必要である。

幼児教育の質の向上10

2026/02/05

(2)小学校教育との円滑な接続の推進

○ 幼児教育施設の教育において育まれてきた資質・能力について、小学校教育を通じて更に伸長していくためには、新幼稚園教育要領等で位置付けられた、資質・能力が育まれている5歳児修了時の具体的な姿である「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を手掛かりに、幼児教育施設と小学校の教職員が子供の成長を共有するなどの連携を図り、幼児教育と小学校教育との接続の一層の強化を図る必要がある

○ 幼児教育施設では、その活動が小学校以降の生活や学習の基盤の育成につながることに配慮し、幼児期にふさわしい生活を通して、創造的な思考や主体的な生活態度などの基礎を培うようにする必要がある。

○ 小学校教育では、生活科を中心としたスタートカリキュラムの中で、短時間での学習などを含む授業時間や指導及び環境の構成等の工夫を行いながら、幼児期に総合的に育まれた資質・能力を各教科等の特質に応じた学びにつなげていく必要がある。

○ 小学校入学当初は、幼児期の生活に近い活動と児童期の学び方を織り交ぜながら、幼児期の学びを踏まえて、児童が主体的に自己を発揮できるようにすることが大切であり、スタートカリキュラムは、幼児教育と小学校教育を円滑に接続する重要な役割を担っている。

○ 幼児期から小学校への教育的なつながりを確保するためには、園長・校長のリーダーシップの下、幼児と児童の交流だけでなく、幼児教育施設と小学校の教職員が、両者の教育について理解を深め、また、両者が抱える教育上の課題を共有しておくことが重要であり、幼児教育施設と小学校の教職員の合同研修等の実施や、人事交流、相互の派遣研修等の推進が必要である。

○ なお、地域の幼児教育と小学校教育の円滑な接続の観点から、小学校との連携は、幼稚園だけではなく、保育所や認定こども園等も含めた幼児教育施設全体で推進していくことが重要である。その際、公立幼稚園については、小学校教育との接続に関する知見を生かし、地域における幼小連携・接続の中核的な役割を担うことが期待される。

○ 一方、幼児教育施設と小学校との間で積み上げた連携の実践が、園長・校長や中核となる教職員の異動等により実施が困難になるといった声もある。よって、地域全体として幼児教育施設と小学校との連携を基盤として円滑な接続を可能にする取組の充実が求められており、具体的には、合同研修やカリキュラム開発の効果的な実施を図る上で、教育委員会や幼児教育センター等の行政がリーダーシップを発揮していくことが重要である。その際、学校区単位など一定のブロックを設定することも有効である。

 

幼児教育の質の向上9

2026/02/04

(1)幼稚園教育要領等の理解推進・改善

○ 教育は、子供の望ましい発達を期待し、子供の持つ潜在的な可能性に働き掛け、その人格の形成を図る営みである。特に、幼児教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な役割を担っており、幼稚園教育要領等に基づき、各園の創意工夫を生かした質の高い教育の実践が求められている。

○ そのためには、新幼稚園教育要領等の趣旨や内容について、研修や研究協議会等を通じて関係者の理解を深めるようにするとともに、新幼稚園教育要領等の実施状況や成果等を把握する取組が必要である。

○ また、教職員の参考となる資料の作成、調査研究や好事例等の情報提供を通じて、幼児教育施設における教育内容や指導方法の改善及び充実を図る必要がある。

○ さらに、幼児教育施設では、環境を通して行う教育を基本としていることから、子供を取り巻く環境の全てが教材となり得ることを踏まえ、環境が子供の発達にとってどのような意味があるのかといった環境の教育的価値について研究を積み重ねていくことが重要である。

○ 家庭、地域、幼児教育施設という一連の生活の流れの中で、子供の望ましい発達が促されることから、幼児教育施設における教育を通じて、どのような資質・能力を育んでいきたいのか、その資質・能力が社会とどのようにつながっていくのかについて、幼児教育施設は家庭や地域と認識を共有する必要がある。そして、どのような資質・能力を育むようにするのか

を教育課程等において明確にしながら、社会との連携及び協働によりその実現を図っていく、「社会に開かれた教育課程」を実現させていくことが重要である。

 

世界の子育て21

2026/02/03

親が決めず、子どもに決めさせる

では欧米の子どもたちは生まれつき直接的な表現が得意かというと、そんなことはありません。

家族や周囲の人によってトレーニングされるのです。

はっきりしない子どもに“YES or NO!” “It’s up to you!/あなたが決めなさい”と親が選択を迫る場面をあちこちで見かけます。

何を飲みたいのか、どの靴がほしいのか、おもちゃはどれがほしいのか、プールで遊びたいのかサッカーをしたいのか、子どもは常に選択を迫られて成長します。

選択することによって、自分のことがよくわかるようになり「好き・嫌い」や「イエス・ノー」をはっきり表現できるように育つわけです。

一方、日本人の子育てでは、幼い子どもに選択させることはほとんどありません。食べ物も洋服も、靴も、カバンも親が選んで与えるのが一般的です。

親からすれば、子どものためにより良いものを選んであげているわけですが、その一方で、子どもが選択する機会や「僕はこれが好き!」と意思表現するチャンスを奪っているとも言えます。

食べ物などを無制限に選ばせるのはダメですが、洋服、靴下、靴、帽子、歯ブラシ、文房具、おもちゃなど身のまわりのモノについては子どもに選ばせてあげましょう。

子どもは自分で選ぶことによって自分の好き嫌いを認識できます。またモノを大切に扱うようになります。

私の学校にも左右違った靴をわざと履いてくる子がいます。きっと自分で選んだのでしょう。親も子どもの感性を大切にしますから、ダメと言わずにやらせてあげるのです。

このように決める習慣を積み重ねていくことで、子どもは徐々に「自分は何者であるか」「何が得意なのか」「何をしたいのか」と、個を確立していくことができます。

すると、進学やキャリアといった重大な選択肢をする際に、「何をしたらいいのかわからない」などと悩むこともなくなります(何歳の時に何をすべきかなど、より具体的な「考える力」を伸ばす方法は、世界標準の子育て第5章に収録しています)。

考える力は、この不透明な世の中を生きるための必須能力なのです。

 

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