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園からの発信

子どもの成長42

2026/05/12

「痩せていても食事を制限してしまう」のは味覚処理機能の異常が原因か? 神経性やせ症の脳機能異常を解明

神経性やせ症では「味を感じる」脳の領域の機能低下や、味覚に対する嫌悪感の学習が成立しやすくなっていることが示唆されるとする研究結果が報告された。千葉大学や国立精神・神経医療研究センターなどの研究チームによる成果であり、「Scientific Reports」に論文が掲載されるとともにプレスリリースが発表された。神経性やせ症状の中核症状である「痩せていても食事制限を続けてしまう」という行動には、肥満恐怖やボディイメージ障害とともに、脳の機能異常に伴う味覚処理異常が寄与している可能性があるという。

研究の概要:神経性やせ症の病態に関与する大脳島皮質の脳機能異常を詳細に検討

この研究は、千葉大学子どものこころの発達教育研究センター、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究、東北大学、京都大学、産業医科大学、九州大学との共同研究によるもので、身体感覚や味覚処理を司る領域であり、神経性やせ症の病態への深い関与が疑われている大脳の島皮質の各領域で生じている脳機能異常を詳細に検討した。その結果、神経性やせ症では「味を感じる」脳の領域である一次味覚野の機能低下や、味覚に対する嫌悪感の学習が成立しやすくなっていることを示唆する、脳の機能異常が生じていることが判明した。これらの味覚処理異常は、肥満恐怖やボディイメージ障害とともに、神経性やせ症状の中核症状である「痩せていても食事制限を続けてしまう」という行動に寄与している可能性があると考えられる。

子どもの成長41

2026/05/11

高炭水化物食や加糖飲料の摂取などの食習慣やダイエット願望が、大学生の抑うつレベルと有意に関連

QIDS-Jスコアが21点以上だった2名の学生の特徴

本研究では、QIDS-Jスコアが21点以上で最重度の抑うつに該当する学生が2名存在していた。

1人は22歳の女子学生で、QIDS-Jは21点であり、BMIが16.9であるにもかかわらず「ダイエット願望あり」に強い同意を表していた。記述回答から、この学生は栄養不良がモチベーションや集中力の低下につながることを自覚しており、それによる無気力が食事摂取の負担感を増大させて、悪循環に陥っていることが示唆された。

別の1人は24歳の男子学生で、QIDS-Jは24点と解析対象者の中で最高値だった。BMIは22.8と基準範囲内だったが、高炭水化物食品を毎日摂取しバランスのよくない食生活を送っていた。この学生は、精神的ストレスを感じると食事が乱れ、それが自己嫌悪を招来することを認識していた。これは、本研究で検討しようとした、乱れた食生活がうつにつながる可能性というより、メンタル状態の悪化が食生活の乱れにつながっている可能性を示唆していて、いわゆる「因果の逆転」と考えられた。

スポーツを行っている学生では、加糖飲料はうつレベルに悪影響を及ぼさない可能性

著者らは、本研究の限界点として、横断研究であるため因果関係の考察は制限されること、調査に用いた食行動の質問項目がオリジナルであり精度検証がなされていないこと、うつレベルに影響を及ぼし得る食習慣以外の因子を評価していないことなどを挙げている。

そのうえで、「国内の大学生の特定の食習慣が、うつレベルに影響を及ぼし得ることが明らかになった。加糖飲料の摂取、朝食の欠食、高炭水化物食、栄養バランスの悪い食事、不規則な食生活、ダイエット(減量)の希求は、うつレベルを高める可能性がある」と総括している。

また、「これらの中で、高炭水化物食の摂取がうつレベルの上昇と最も強い関連があった。一方で加糖飲料の摂取は寮生と非寮生で関連が異なり、寮生は加糖飲料の摂取量が多いほどうつレベルが低かった。これは、寮生には運動部に所属する男子学生が多かったためであると考えられる。因果関係は断定できないが、激しいスポーツを行う学生にとって、加糖飲料は抑うつ症状に悪影響を与えないのではないか」と付け加えられている。

 

子どもの成長40

2026/05/08

高炭水化物食や加糖飲料の摂取などの食習慣やダイエット願望が、大学生の抑うつレベルと有意に関連

寮生(おもに運動部所属学生)は、加糖飲料摂取量が非寮生より有意に多い

解析に必要なデータが不足している回答を除外し、451人を解析対象とした。おもな特徴は、平均年齢21.1±4.5歳、女子40.6%、BMI21.4±4.5であり、加糖飲料の摂取量は2.7±3.4本/週(500mLを1本に換算)で、ほぼ半数(49.7%)がダイエット(減量)願望を有していた(「ダイエット願望あり」に33.3%が強く同意、16.4%がやや同意)。

寮生(51人)と非寮生(400人)に二分して比較した場合、加糖飲料の摂取量に有意差が認められ、寮生のほうが多く摂取していた(4.7±3.8 vs 2.4±3.3本/週、p<0.001)。なお、寮生の大半は運動部に所属している学生だった。朝食摂取頻度、コンビニエンスストアの利用頻度、高炭水化物食品の摂取頻度、バランスのよい食事の摂取頻度、食習慣の乱れの自覚、ダイエット願望の強さ、サプリメントの利用頻度に関しては、寮生と非寮生とで有意差はなかった。

うつレベルを表すQIDS-Jは平均が5.8±3.9であり、本研究に参加した学生は全体的に軽度のうつ傾向にあると考えられた。寮生と非寮生で比較すると前者は4.5±2.6、後者は6.0±4.0であり、主として運動部員である寮生のほうが低値だったが有意差はなかった。

加糖飲料、高炭水化物食、ダイエット願望などがうつレベルの高さと関連

食習慣の調査の回答とQIDS-Jのスコアの関連を解析すると、全体解析では、加糖飲料の摂取量の多さ(β=-0.22、OR0.920)、朝食の摂取頻度の高さ(β=-0.230、OR0.84)、バランスのよい食事の摂取頻度の高さ(β=-0.90、OR0.08)がうつレベルの低さと有意に関連し、高炭水化物食品の摂取頻度の高さ(β=1.23、OR1.58)、食習慣の乱れの自覚の強さ(β=0.59、OR1.32)、ダイエット願望の強さ(β=0.73、OR1.11)はうつレベルの高さと有意に関連していた。

ただし、前述のように加糖飲料の摂取量については、おもに運動部員で構成されている寮生と非寮生との間で有意差が認められ、かつ非有意ながら寮生はQIDS-Jスコアが低い傾向にあったことから、寮生を除外した解析も行った。すると、非寮生では、加糖飲料の摂取量の多さはうつレベルの高さと有意に関連するという、反対の結果が得られた(β=0.32、OR1.03)。つまり、運動を行っていない多くの一般学生では、加糖飲料の摂取頻度が高いことがうつのリスク因子の一つである可能性が考えられた。

なお、非寮生のみにおいても加糖飲料の摂取量以外に、高炭水化物食品の摂取頻度の高さ(β=0.39、OR1.43)と、ダイエット願望の強さ(β=0.25、OR1.15)は、いずれもうつレベルの高さと有意に関連していた。

 

子どもの成長39

2026/05/07

高炭水化物食や加糖飲料の摂取などの食習慣やダイエット願望が、大学生の抑うつレベルと有意に関連

国内の大学生の抑うつに、高炭水化物食品の摂取頻度やダイエット(減量)願望などが、有意に関連していることが報告された。法政大学大学院公共政策研究科および広島大学大学院人間社会科学研究科の原田裕輔氏らの研究によるもので、「Cureus」に論文が掲載された。

若者の自殺のリスク因子として「食習慣の乱れ」を考慮する必要性

国内の10~39歳の死因のトップは自殺であり、15~29歳では全死亡の50%以上を自殺が占めている。自殺の原因として、メンタルヘルス関連疾患、とくにうつ病が大きいと考えられており、栄養状態がメンタルヘルスに影響を及ぼし得ることも知られている。例えば世界保健機関(WHO)は、メンタルヘルス疾患のリスク抑制のための栄養改善を推奨している。

一方、国内の大学生は、朝食欠食や炭水化物中心の食事摂取、加糖飲料の多飲などの乱れた食生活を送っていることが多いと指摘されている。一般成人では、これらの乱れた食生活がメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことを示唆する研究結果も既に報告されている。ただし、大学生の食習慣とうつレベルとの関連は十分に調査されていない。

原田氏らは以上を背景として、国内の大学生を対象とする横断研究により、両者の関連性を検討した。

学生は全体的に軽度のうつ傾向があり、半数がダイエット志向

この研究は、法政大学で保健衛生学を履修している学部生を対象として、2022年11~12月にGoogleフォームを用いたオンラインアンケートとして実施された。事前の統計学的検討から、このトピックに関する有意性の検証に必要なサンプルサイズは354と計算され、それを超える455人が回答した。

うつレベルについては、臨床や研究で頻用されている質問票(Quick Inventory of Depressive Symptomatology-Japanese version;QIDS-J)を用いて評価した。QIDS-Jではうつレベルを0~27点にスコア化し、5点以下は抑うつなし、6~10点は軽度の抑うつ、11~15点は中等度の抑うつ、16~20点は重度の抑うつ、21点以上は最重度の抑うつと判定する。本研究では、このスコアを連続変数として食習慣との関連を解析しβ値を算出したほか、6点以上を「うつ傾向あり」と定義したうえでオッズ比(OR)の算出も行った。

食習慣については、31項目のオリジナルの質問により評価した。具体的な質問項目として、加糖飲料の摂取量、朝食摂取頻度、コンビニエンスストアの利用頻度、高炭水化物食品の摂取頻度、主観的な判断による栄養バランスのよい食事の摂取頻度、主観的な食習慣の乱れの程度、ダイエット(減量)願望の強さ、サプリメントの利用頻度などが含まれていた。

 

子どもの成長38

2026/05/01

思春期のネット依存が食事の質の低下を招き、摂食障害のリスクを高める可能性 トルコの高校生対象調査

ネット依存度と乱れた食行動のリスクとが有意に正相関

前記の各指標の相関を検討すると、若年者対象インターネット依存度(YIAT-SF)とソーシャルメディア障害(SMD)との間に強い正相関が認められた(r=0.679、p<0.001)。また、乱れた食行動(DE)リスクは、YIAT-SF(r=0.300)およびSMD(r=0.274)と中程度の正相関があり、地中海食品質指数(KIDMED)とは弱い正相関(r=0.153)が認められた(すべてp<0.001)。一方、BMIはすべての行動指標とも有意な相関を示さなかった。

このほかに媒介分析からは、問題のあるインターネットの使用(PIU)は地中海食品質指数(KIDMED)の低さ(β=-0.12、p=0.002)と関連しており、地中海食の遵守が乱れた食行動(DE)のリスクの上昇(β=0.15、p<0.001)と関連していることが示された。間接効果は有意であり(β=-0.02、p=0.016)、部分的な媒介効果が認められた。

ネットワーク分析から、YIAT-SFはDEリスク、SMD、およびKIDMEDをつなぐ中核的な因子であることが示唆された。

これら一連の結果を基に論文の結論は、「インターネット依存症は、食生活の質を介した乱れた食行動のリスク上昇と関連しており、思春期世代への介入において、この課題への対処が求められる」とされている。また著者らはこのトピックに関する、より長期にわたる研究の必要性を述べている。

 

 

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