子どもの成長26 2026/04/14 「授乳や栄養摂取の制限は慎重にすべき」乳児期の体重増加は将来の肥満リスクと関連しない可能性 国立成育医療研究センター 研究の背景と目的:日本人女性の乳児期の体重変化は成長後の体重に影響するのか 成人期の肥満・やせは、心血管疾患や妊娠合併症などの将来的な健康リスクと関連することが知られている。さらに妊娠前の肥満・やせは、母体のみならず子どもの予後にも影響を与えることが知られている。これは「DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)」という、発育初期の栄養環境が将来の健康に影響を及ぼすとされる概念に基づいている。 DoHADは、胎児期に母体から供給される栄養の不足や過剰が、子どもにどのような影響を及ぼすのかを長期的に検討する考え方で、近年ではこの概念が拡大し、出生後~乳幼児期(1~2歳)までの体重増加量と、その後の肥満・やせとの関連にも関心が寄せられている。 これまで、日本人女性を対象に出生直後から乳児期早期(生後1~6カ月)の体重増加量と成人期の体重との関連に着目した研究はなかった。そこで今回の研究では、母子健康手帳に記載されているデータを利用して、出生体重や乳児期の体重増加量が成人期の肥満・やせに与える影響を調査した。
子どもの成長25 2026/04/13 「授乳や栄養摂取の制限は慎重にすべき」乳児期の体重増加は将来の肥満リスクと関連しない可能性 国立成育医療研究センター 明らかになった主なポイントは以下のとおり。 研究のポイント ・乳児期に体重が多く増加しても、成人期に肥満になる割合は上昇していない。生後6カ月時点で体重増加が大きかった上位20%の群(5,230~7,700g)でも、妊娠前の肥満との関連はない。 ・一方で、乳児期に体重が多く増加すると、成人期のやせの割合は低下。生後6カ月の時点で体重増加が大きかった上位20%の群(5,230~7,700g)では、妊娠前にやせになる割合が低下していた。十分な体重増加が、将来のやせを予防する可能性が示唆された。 ・ただし、生後1・3カ月時点での体重増加量は、妊娠前の肥満・やせの割合に関連がなかった。 ・授乳や栄養摂取が適正かどうかを判断する際、乳児期の体重増加量だけを根拠に、安易に授乳量の制限をすべきではない可能性が示唆された。 ・授乳や栄養摂取が適正かどうかを判断する際、乳児期の体重増加量だけを根拠に、安易に授乳量の制限をすべきではない可能性が示唆された。 ・母子健康手帳に記載されている成長曲線は、赤ちゃんの発育を評価するための目安。必ずそのとおりに発育していないといけないわけではなく、乳幼児健診で医師や保健師などに見てもらうべき。
子どもの成長24 2026/04/10 「授乳や栄養摂取の制限は慎重にすべき」乳児期の体重増加は将来の肥満リスクと関連しない可能性 国立成育医療研究センター 生後6カ月までに体重が多く増加していても、将来において肥満(BMI25以上)になる割合は増加しないことを示すデータが報告された。国立成育医療研究センターの研究グループの成果であり、「Journal of Developmental Origins of Health and Disease」に論文が掲載されるとともに、プレスリリースが発行された。 研究の概要:生後6カ月の体重増加は成人後の肥満と関連がない 国立成育医療研究センターの研究グループは、母子健康手帳の情報を用いたコホート研究により、「乳児期の体重増加」が「成人期の肥満」の割合にどのような影響を与えるのかについて検討した。その結果、生後6カ月までに体重が多く増加していても、将来において肥満(BMI≧25)になる割合が増加しないことを明らかにした。一方で、成人期における‘やせ’(BMI<18.5)の割合は低下していた(図1〜図4)。 母子健康手帳に掲載されている成長曲線よりも多く体重が増えていると、将来肥満になるかもしれないと不安に思う保護者は多いかもしれないが、体重増加だけを理由に授乳量を制限しなくてもよい可能性が示唆された。 本研究は、同センターを受診した1,441人の妊婦を対象としている。その妊婦が赤ちゃんだった頃(過去)の体重増加を当時の母子健康手帳に記録されたデータから調べ、出生から生後6カ月までの体重増加と、妊娠前(現在)のBMIを比較し、分析した。 明らかになった主なポイントは以下のとおり。
子どもの成長23 2026/04/09 「早食い」はメンタルヘルス悪化と関連があり、運動不足や睡眠の質低下にも関連 12~24歳対象横断研究 早食いもメンタルヘルスにとって重要な関連因子である可能性 著者らは本研究の限界点として、横断研究であり因果関係の考察が制限されること、研究参加者が生徒・学生のみであり、就労者を含む一般人口に外挿できるとは限らないことなどを挙げている。 そのうえで、「メンタルヘルス状態が悪化している若年者は、グミをしっかり噛まずに飲み込むことが多いと考えられる。また、早食いは身体活動の不足と独立した関連があり、睡眠の質の低下との関連も示唆された。早食いは摂食障害ほど深刻な問題ではないというのが一般的な捉え方ではあるが、心身の健康と重要な関連があると言える」と考察。結論として、「思春期や若年成人のメンタルヘルスのスクリーニング項目に、摂食速度も含めるべきではないか」と提言している。
子どもの成長22 2026/04/08 「早食い」はメンタルヘルス悪化と関連があり、運動不足や睡眠の質低下にも関連 12~24歳対象横断研究 メンタルヘルス不良と運動不足が早食いと独立して関連 早食いと判定された群(23人)と非早食い群(83人)で比較すると、平均年齢、性別の分布、BMIカテゴリーの分布、朝食欠食習慣のある割合については有意差がなかった。しかし、GHQ-12に基づくメンタルヘルス不良の該当者の割合が、前者は39.1%、後者は9.6%であり、早食い群のほうが有意に高かった(p=0.002)。そのほかにも、1日1回以上間食する割合(p=0.002)や、1日30分以上汗をかく運動の頻度(p=0.013)、睡眠の質(p=0.021)についても有意差が認められ、いずれも早食い群においてそれらの習慣が良くないという結果だった。 口腔機能関連指標では、DMFT指数と咀嚼速度(1回の咀嚼にかける時間)は有意差がなかったが、咀嚼回数、咀嚼時間、咀嚼能力はいずれも早食い群が有意に低値だった。なお、唾液中のグルコース濃度は、早食い群が81.78±18.10mg/dL、非早食い群が154.60±31.65mg/dLで、やはり前者が有意に低値だった。 次に、早食いであることを従属変数、GHQ-12スコアと身体活動習慣を独立変数とする多変量二項ロジスティック回帰分析を実施。その結果、メンタルヘルス不良(調整オッズ比〈aOR〉8.470〈95%CI;2.437~32.934〉)、および、身体活動習慣がないこと(aOR5.604〈1.562~22.675〉)は、いずれも早食いと独立した関連のあることが明らかになった。