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園からの発信

子どもの成長35

2026/04/27

「摂取量=吸収量ではない」エナジードリンク・コーヒー・紅茶などのカフェイン吸収量を解析

コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインのうち、実際に体内に吸収される割合(バイオアベイラビリティー〈生体利用能〉)を、消化管を模した実験系で検討した研究結果が報告された。検討した飲料の中では、コーヒーの生体利用能は最も低かったが、カフェイン含有量そのものが高いため、吸収されるカフェインの量としては多くなりやすいことなどが示されている。

「カフェインの含有量×摂取量=体内で利用されるカフェイン量」ではない

カフェインはコーヒーや紅茶などの植物成分に含まれている天然化合物で、その作用は古くから研究されてきている。また、炭酸飲料、エナジードリンク、サプリメントなどに用いられ、精神的な刺激作用を有する食品として世界中で広く摂取されている。加えて、反応時間の短縮や身体機能の刺激作用があるため、アスリートの間ではとくに多く利用されている。

その一方、よく知られているように、カフェインには、心拍数増加、不安、不眠などの悪影響があるため、多くの国や組織が摂取上限量を示している。例えば欧州食品安全機関(European Food Safety Authority;EFSA)は、1機会につき200mg以上または1日につき400mgを超えるカフェインは悪影響を来し得ると警告している。ただし、EFSAの推奨は、飲食物中の成分のバイオアクセシビリティーやバイオアベイラビリティーが考慮されていないため、カフェインを含む飲料の摂取量の情報のみでは、実際の曝露量の推定が不確かなものになってしまう可能性がある。つまり、バイオアクセシビリティーやバイオアベイラビリティーが低い飲料と高い飲料では、カフェインの量が同等になる容量を摂取したとしても、実際に体内で利用されるカフェインの量が異なる。

このような未解決のギャップに対応するため、本論文の著者らは、ヒトの消化管を模したin vitro実験系で、カフェインのバイオアクセシビリティーとバイオアベイラビリティーを製品ごとに検討した。なお、バイオアクセシビリティーとは摂取した成分のうち消化過程で吸収可能な状態になる割合のことで、バイオアベイラビリティーとは実際に体内に吸収・利用される割合のことであり、後者については日本語で「生体利用能」と呼ばれている。

子どもの成長34

2026/04/24

有酸素運動で効果量が大きい傾向があるものの、運動のタイプによらず有意

介入に用いた運動のタイプ別のサブグループ解析も実施された。その結果、有酸素運動でより高いSMDが示される傾向にあったが、サブグループ間での有意差はなく(p=0.562)、全体解析の結果はSMD=0.47(0.35~0.60)、I2=66.5%であり、運動介入はそのタイプによらず未成年の認知機能を向上させ得ると考えられた。サブグループごとの解析結果は以下のとおり。

有酸素運動による介入を行ったRCTは20件だった。19件の研究はSMDが0を上回っており、かつ、7件の研究は95%信頼区間の下限が0を超え、単独でも有意な影響を示していた。1件の研究はSMDが0を下回っていたが、信頼区間の上限は0を超えていた。メタ解析の結果はSMD=0.53(0.32~0.73)、I2=74.2%だった。

高強度インターバルトレーニングによる介入を行ったRCTは4件だった。いずれの研究もSMDは0を上回っていたが95%信頼区間が0をまたぎ、それぞれ単独では有意な影響を示していなかった。しかしメタ解析の結果は、SMD=0.30(0.05~0.56)と有意であり、研究間の異質性を認めなかった(I2=0%)。

抵抗力トレーニングによる介入を行ったRCTは2件だった。いずれの研究もSMDは0を上回っていたが95%信頼区間が0をまたぎ、それぞれ単独では有意な影響を示していなかった。しかしメタ解析の結果は、SMD=0.46(0.10~0.83)と有意であり、研究間の異質性を認めなかった(I2=0%)。

複合運動よる介入を行ったRCTは8件だった。いずれの研究もSMDが0を上回っており、かつ、5件の研究は95%信頼区間の下限が0を超え、単独でも運動介入の有意な影響を示していた。メタ解析の結果はSMD=0.51(0.29~0.73)、I2=67.4%だった。

 

子どもの成長33

2026/04/23

運動介入は未成年の認知機能を向上させ得る

評価されていた認知機能は、実行機能、注意機能、認知的柔軟性(状況の変化に応じて思考や行動を切り替える能力)、抑制制御(不適切な反応や衝動を抑えて行動をコントロールする能力)、ワーキングメモリ(一時的に保持できる情報の量とその処理能力)であり、それら評価項目ごとにメタ解析が行われた。

実行機能については7件のRCTのデータがメタ解析の対象となった。いずれの研究も、標準化平均差(SMD)は0を上回っていたが95%信頼区間が0をまたぎ、それぞれ単独では実行機能に対する運動介入の有意な影響を示していなかった。しかしメタ解析からは、SMD=0.21(95%CI;0.06~0.37)で研究間の異質性はなく(I2=0%)、運動介入により実行機能が向上することが示された。

注意機能については9件のRCTのデータがメタ解析の対象となった。いずれの研究もSMDが0を上回っており、かつ、6件の研究は95%信頼区間の下限が0を超え、単独でも運動介入の有意な影響を示していた。メタ解析の結果はSMD=0.56(0.34~1.22)で、運動介入により注意機能が向上することが示された。ただし研究間の異質性が高かった(I2=71%)。

認知的柔軟性については5件のRCTのデータがメタ解析の対象となった。4件の研究はSMDが0を上回っており、かつ、3件の研究は95%信頼区間の下限が0を超え、単独でも運動介入の有意な影響を示していた。ただし1件の研究はSMDが0を下回っていた(信頼区間の上限は0超)。メタ解析の結果はSMD=0.53(0.04~1.02)で、運動介入により認知的柔軟性が向上することが示された。ただし研究間の異質性が高かった(I2=83%)。

抑制制御については10件のRCTのデータがメタ解析の対象となった。いずれの研究もSMDが0を上回っており、かつ、3件の研究は95%信頼区間の下限が0を超え、単独でも運動介入の有意な影響を示していた。メタ解析の結果はSMD=0.58(0.22~0.86)で、運動介入により抑制制御が向上することが示された。ただし研究間の異質性が高かった(I2=78%)。

ワーキングメモリについては3件のRCTのデータがメタ解析の対象となった。いずれの研究も、標準化平均差(SMD)は0を上回っていたが95%信頼区間が0をまたぎ、それぞれ単独では実行機能に対する運動介入の有意な影響を示していなかった。しかしメタ解析からは、SMD=0.54(0.16~0.91)で研究間の異質性はなく(I2=0%)、運動介入によりワーキングメモリが向上することが示された。

 

子どもの成長32

2026/04/22

18歳未満の認知機能が運動介入で向上 実行機能・注意機能・記憶力を有意に改善する可能性

運動による認知機能への影響をシステマティックレビューとメタ解析で検討した研究結果が報告された。実行機能や注意機能、ワーキングメモリなどが運動介入による有意に改善すること、とくに有酸素運動の影響が大きいことなどが明らかにされている。中国の研究者の報告。

成長期に行う運動は認知機能に有意な影響を及ぼすのか?

論文に述べられている研究背景によると、運動は認知機能にプラスの影響を及ぼすとする報告が多いものの、依然として一貫性が欠如しているという。このことから著者らは、とくに認知機能の成長段階にある未成年に焦点をあて、システマティックレビューとメタ解析により運動の有効性を検討した。

システマティックレビューとメタ解析の推奨報告項目(PRISMA)ガイドラインに準拠し、Web of Science、Embase、PubMed、Cochrane Central Register of Controlled Trials、CBMなどの文献データベースを利用して、それぞれの開始から2024年11月までに収載された論文を対象に、18歳未満の未成年に対する運動加入の認知機能への影響を無作為化比較試験(RCT)で検討した、査読システムのあるジャーナルに掲載された論文を検索。ヒットした論文の参考文献や灰色文献(学術的なジャーナルに正式に発表されていない文献)のハンドサーチも行った。コホート研究、症例対照研究、レビュー論文、学会発表、および、英語または中国語以外の言語の論文などは除外した。

一次検索で2,909報がヒットし、ハンドサーチにより1報を追加。重複削除後の2,560報を3名の研究者が独立してタイトルと要約に基づきスクリーニングを行い51報に絞り込み、全文精査を実施。最終的に、21件のRCTの報告を適格と判断した。

抽出されたRCTの参加者数は合計3,544人(運動介入群1,730人、対照群1,814人)、介入期間は2~39週間だった。

 

 

子どもの成長31

2026/04/21

複数の組織化されたスポーツに参加していることは、性別を問わず運動能力向上に関連

運動能力の発達にはスポーツへの参加と屋外活動が、重要かつ独立した役割を果たす

全体的な傾向として、組織化されたスポーツへの参加は、とくに複数のスポーツに参加している場合に、性別を問わず、3年後の運動能力がより高いことと有意な関連が認められた。その一方で、屋外で過ごす時間の長さは女児でのみ、有意な関連が認められた。この点について著者らは、男児は総じて屋外で過ごす時間が長いのに比べて、女児は屋外で過ごす子どもとそうでない子どもの差が大きいことが、このような差が生まれる原因ではないかと考察している。

なお、屋外で過ごす時間が長いことと、組織化されたスポーツに参加していることの、運動能力発達に対する相乗効果は観察されなかった。著者らは、「我々の研究結果は、子どもの運動能力の発達を促すうえで、組織的なスポーツへの参加と屋外での活動が、重要かつ独立した役割を果たすことを示している」と総括している。

 

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