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園からの発信

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン26

2024/08/23

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める

③幼児期までのこどもの育ちに必要な豊かな「遊びと体験」

(多様なモノ・自然・絵本・場所等との関わり)

○また、こどもは人だけでなく、モノ・自然・絵本等・場所といった多様な環境に興味を持ち、様々な関わり方をする中で成長する。豊かな遊びには、こどもの働きかけにより、変化や手応え等の応答が得られる環境や、こどもの成長に応えられる環境が必要である。

○豊かな遊びの環境に関わる中で、こどもは心や体を動かしながら、気づき、試行錯誤して世界を深め、広げていく。体験、外遊び、絵本等についても、このような「環境との関わり」の観点で捉えることが重要である。

〇なお、遊びは、日常生活の中で、個々のペースや興味・関心に合わせて、こども自身が主体的に展開することが大切であり、おとなはこどもの思いや願いを尊重しながら、遊びの環境を整えていく必要がある。

 

豊かな遊びには、人だけでなく、モノ・自然・絵本等・場所といった多様な環境が必要で、その中に入ると心や体を動かしながら、気づき、試行錯誤して世界を深め、広げていく。さらにこのことは個々の興味や関心に合わせて、子ども自身が主体的に展開するとしており環境を整えることが大切です。無機質な部屋で与えられた課題をこなすことでは成長しないということです。部屋の環境や様々な体験や外遊びが大切なのです。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン25

2024/08/22

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める

③幼児期までのこどもの育ちに必要な豊かな「遊びと体験」

(多様なこどもやおとなとの出会い)

○遊びにおいて、こどもは特定のおとなとの関係だけではなく、多様なこどもやおとなとの出会いの中で育つことを踏まえることが重要である。自分一人でじっくり遊ぶ一人遊びが大切であるとともに、こどもは他者との関わりの中で多様な刺激を受けながら、次第に自分の世界を広げ、成長する。

○こどもは、保護者・養育者あるいはそれ以外のおとなとの信頼関係を基盤にしながら、次第に同年齢・異年齢の親しい友達が生まれる中で、葛藤やいざこざを経験しながら、他者への親しみを通して自己の世界を広げていく。保護者等の特定のおとなや同世代のこども同士の関わりが大切であるが、それ以外にきょうだい、異年齢のこども同士、地域の様々なおとなとの関わりを通して多様な人間関係を学ぶ。

 

様々な人と関わることによる人間関係を学ぶとしています。しかし、なかなか周りの人との関わりがうまくいかなかったり、躓くことも起きるのが子ども時代です。上手くくりぬけることのできる子なんてほとんどいないのです。ぶつかり合い学び合ううえで周りの配慮も必要です。その時どんな支援ができるのか、望むのか。一昔前の時代に様々な関わりを経験して乗り切ることができると言われていましたが、そうではないこともあるのです。このことに対しては子どもや家庭へのヒントや支援が必要なのです。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン24

2024/08/21

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める

③幼児期までのこどもの育ちに必要な豊かな「遊びと体験」

(乳幼児の育ちにとって重要な「遊び」の保障)

○乳幼児期のこどもの生活の中心は遊びであり、ここでの「遊び」とは、こどもが主体的に興味を持ち、夢中になって心と身体を動かして行う行為である。

遊びは何らかの効果を求めてさせるのではなく、それ自体が目的である。

○また、遊びは、こどもが現在を十分に楽しみ、自分の思いを発揮することを通して幸せに生きることそのものであり、ウェルビーイングにつながる。遊びを保障することは、こどもの「楽しい」「したい」という思いや願いを尊重することであり、その中で遊びが変化しながら、やがて自分のやりたいことを成し遂げるための目的のある遊びにもつながっていく。

○さらに、遊びには、こどもの様々な育ちを促す重要な機能がある。こどもが遊びに没頭し、身体の諸感覚を使い、自らの遊びを充実、発展させていくことは、言語や数量等の感覚などの認知的スキルと、創造性や好奇心、自尊心、想像力や思いやり、やり抜く力、相手や現実の状況と折り合いをつける力などの社会情動的スキルの双方を育むことに加え、多様な動きを身に付け、健康を維持することにつながる。ひいては、生涯にわたるウェルビーイングにつながるため、遊びを保障することは重要である。

 

子どもの遊びについて、ようやく専門的な用語で国の示す文に明記されだしました。「子どもは遊ばせておけばいい」。あまり深く表現されてこなかったこともありますし、子ども主体といったことへの理解がなかったり、誤解も多くあったようにも思います。今回ようやくウェルビーイングに繋げるとした視点での遊びの捉え方となっており、社会全体がただの子どもの遊びとして捉える時代はもう終わったと理解を求めたいですね。子ども主体での遊びの保障しっかり考えていきたいですね。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン23

2024/08/20

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める

③幼児期までのこどもの育ちに必要な豊かな「遊びと体験」

(豊かな「遊びと体験」)

○乳幼児期からウェルビーイングを高めていく上では、上述の「アタッチメント(愛着)」を基盤として、人や環境との出会いの中で、豊かな「遊びと体験」を通して外の世界へ挑戦していくことが欠かせない要素である。

○乳幼児の育ちの最大の特徴とも言える行為が「遊び」である。また、自然に触れたり、芸術や地域行事等の文化に触れて感性を育んだり、日常生活における豊かな「体験」を得たりすることも重要である。

○本ビジョンでは、理念や基本的な考え方を全ての人で分かりやすく共有する観点から、「遊びと体験」を念頭に、「安心と挑戦の循環」において「挑戦」という表現を用いている。

○こどもの生活の中心を占める「遊び」について、こどもの育ちにおける重要性の過小評価も見られる中で、生涯にわたるウェルビーイング向上のために乳幼児期に必要な豊かな「遊びと体験」について、できる限り具体的な場面が浮かぶように留意しつつ、「遊びと体験」についての考え方を、こども目線の「遊び」の観点から整理した。

○また、豊かな「遊びと体験」を通した挑戦は、基盤となる「アタッチメント(愛着)」さえあれば乳幼児が主体的に向かうものではない。多様なこどもやおとなとの出会い、モノ・自然・絵本等・場所といった環境との関わりを通して、様々な感覚を働かせながら、環境からの刺激を受けることが必要であり、そうした豊かな「遊びと体験」の機会を、保護者・養育者、幼児教育・保育施設や子育て支援施設の保育者等を含めた全ての人の取組を通じて、日常的に保障することにより、乳幼児の更なる挑戦を支援・応援していくことが大切である。

 

乳幼児期からウェルビーイングを高めていく上で「アタッチメント」を基盤とし、人や環境との出会いの中で、豊かな「遊びと体験」を通して外の世界へ挑戦していくことが欠かせない要素である。育ちの最大の特徴とも言える行為が「遊び」である。自然に触れたり、芸術や地域行事等の文化に触れて感性を育んだり、日常生活における豊かな「体験」を得たりすることも重要。多様なこどもやおとなとの出会い、モノ・自然・絵本等・場所といった環境との関わりを通して、様々な感覚を働かせながら、環境からの刺激を受けることが必要で、これが豊かな遊びと体験としています。このことを日常的に保障することにより、乳幼児の更なる挑戦を支援・応援していくことが大切で、子どもの経験や体験が子どもの挑戦につながるとしています。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン22

2024/08/19

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める

②幼児期までのこどもの育ちに必要な「アタッチメント(愛着)」の形成

○各分野の専門性の中で議論されてきた、こどもの育ちに必要な「アタッチメント(愛着)」の位置づけやその重要性について、全ての人と分かりやすく共有することが大切である。例えば「『愛着』の対象は母親、血縁関係にある者でなければならない」等の過去の社会通説にとらわれず、乳幼児期に真に必要な愛着について、科学的知見を踏まえた考え方と育ちのプロセスにおけるその重要性を全ての人と共有することが必要である。

○こどもの育ちに必要な「アタッチメント(愛着)」は、こどもが怖くて不安な時などに身近なおとな(愛着対象)がその気持ちを受け止め、こどもの心身に寄り添うことで安心感を与えられる経験の繰り返しを通じて獲得される安心の土台である。また、「アタッチメント(愛着)」は、こどもが自分や社会への基本的な信頼感を得るために欠くことのできないものであり、こどもの自他の心への理解や共感、健やかな脳や身体を発達させていくものである。

○安定した「アタッチメント(愛着)」は、自分や他者への信頼感の形成を通じて、いわゆる非認知能力の育ちにも影響を与える重要な要素であり、生きる力につながっていくとされている。また、「愛着」という言葉は、保護者・養育者とこどもの関係のみを指す印象を持つことがある。もとより、保護者・養育者はこどもが「アタッチメント(愛着)」を形成する対象として極めて重要であるものの、保育者など、こどもと密に接する特定の身近なおとなも愛着対象になることができる。

〇なお、こどもの育ちを通して保護者・養育者も育つという観点から、「アタッチメント(愛着)」の形成は、こどものみならず、保護者・養育者にとっても重要である。

 

文章のとおりです。愛着は大切であり、愛着の上での子どものそだちです。ただ、ここ数年の専門的な表現は、漢字ではなく「アタッチメント」とされることも多く、単に母子血縁関係のみの関係性だけではなく、子どもにかかわるすべての関係者、こどもと密に接する特定の身近なおとなも愛着対象になることができるとして広い意味で用いられています。アタッチメントという言葉をしっかり認識していきたいですね。

 

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