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園からの発信

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン35

2024/09/05

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(5)こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増す

○こどもの育ちの質には、保護者・養育者や、こどもに関わる専門職のみならず、全ての人が、それぞれの立場で直接的・間接的に影響している。養育の第一義的責任を有する保護者や養育者の役割は重要であるからこそ、こどもの育ちに関する家庭や地域等の社会の情勢変化も踏まえて、現代の社会構造に合った発想で、こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増していくことが必要である。

○また、こどもは保護者・養育者や保育者のみならず、様々な人と関わり合い、家庭のみならず様々な空間で日々を過ごしている。特に幼児期までは、こども自身が自分の状況や思い・願いを言葉で伝えにくいこともあり、学童期以降のこども以上に、周囲のおとなが一人一人のこどもの状況を把握し、思いや願いを汲み取り、積極的に育ちを支えることが重要である。

○そのためには、様々なこどもと直接接する人、こどもが過ごす空間(幼児教育・保育施設や子育て支援の施設のみならず、公園、図書館、科学館等の様々な体験施設や自然環境、デジタル空間も含む。以下同じ。)、地域の空間、施策や文化に関わる全ての人がこどもの育ちの質に与える影響について、環境(社会)の広がりやつながりの観点から、分かりやすく「見える化」することが有効と考えられる。このため、本ビジョンでは、「こどもまんなかチャート」を作成し、「保護者・養育者」、「こどもと直接接する人」、「こどもが過ごす空間」、「地域の空間」、「施策や文化」といった層ごとに整理した。あわせて、本ビジョンの実現に向けた社会全体の全ての人の役割と、その役割を支えるために特に国に求められることを整理した。

○なお、地域において、「こどもまんなかチャート」の様々な立ち位置でこどもを支える人同士をつなぐ、コーディネーターの役割も必要である。

 

子育て中の世代、子育てを終えた世代、子育てを応援できる世帯。これから子育てを考える世帯。それぞれが自身のことだけ、他人事と考えずに、応援があること、支援があること、困らないこととなるようなことをもっともっと周知して欲しいですね。文字通り「社会全体で支える」この実感を持たなければ少子化は止まりません。希薄となった地域関係や人間関係の修復も大切です。地域で子育てを支える。社会の応援がある。経済的な負担がない。こういった社会を実現していく必要があります。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン34

2024/09/04

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(4)保護者・養育者のウェルビーイングと成長の支援・応援をする

(こどもとともに育つ保護者・養育者の成長の支援・応援)

○こどもを育てる中で、保護者・養育者自身もこどもとともに育っていくという視点が重要である。こどもを養育するために必要な脳や心の働きは、経験によって育つものであり、生物学的な性差がないとの研究報告もある。そのため、性別にかかわらず、保護者・養育者がこどもと関わる経験を確保することがその成長につながり、こどもの育ちを保障することにもつながる。

○このように、こどもの育ちには親の育ちも必要であることから、子育てと家庭教育の双方の観点で、保護者・養育者の成長を支援・応援することも重要である。また、こどもと過ごす時間や触れ合う経験を確保するため、保護者・養育者の労働環境の整備を含めた対応が必要である。さらに、保護者・養育者同士の育ち合いはもちろん、こどもの思いや願いを受け止めて必要な対応につなげるためにも、信頼できる情報や伴走者として、保健師やソーシャルワーカーをはじめとした母子保健やこども家庭福祉等の専門職による成長支援などが重要である。

○また、保護者・養育者同士がつながることで、その育ち合いを促すことができる。このため、子育て支援や家庭教育支援の中では、このようなネットワーク形成が重視されることが望ましい。

○さらに、体罰によらない子育てのために必要なこと、おとなからこどもへの避けたい関わり、こどもの主体性の発揮に向けて必要なことなど、家庭教育支援やこどもの権利の観点も含め、子育てに関して、分かりやすく信頼できる情報が保護者・養育者に届くことや、保護者・養育者がこのような情報へ主体的にアクセスし、学べることが必要である。また、専門性を持って保護者・養育者とともにこどもの育ちを見守り、保護者・養育者のこどもへの理解を促すなど、保護者・養育者の成長に伴走する人の存在も重要である。

 

保護者、療育者のこれまでの経験は大きく影響します。例えば、保護者が休みの日に近くの公園に行く習慣があったり、どこかへお出かけする機会があることない子では大きく生活や経験が違ってきて思考もそういった思考にはなりません。子ども時代に経験がないことの差は歴然とするでしょう。だからどこかへ連れていけではなく時間をうまく使い協力者の力を借りながら子どもに様々な経験をさせることができることも大切です。しかしながら、時間や経済的理由でその経験が得られないことも現実なのです。社会が子ども達の様々な体験をすることに費用が掛からないことや利便性を整備することも大切ですね。何より大人に余裕がなければできません。子どものためにできることを考えたいですね。

 

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン33

2024/09/03

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(4)保護者・養育者のウェルビーイングと成長の支援・応援をする

(保護者・養育者が支援・応援につながるための工夫)

○保護者・養育者支援のための制度やサービスは、必要としている人が必要なタイミングでつながることができなければ意味をなさない。また、制度やサービスの存在を知らない、支援・応援を受けることへの躊躇や偏見がある、自身の状況を説明することが困難であるなど、支援・応援へのつながりを阻むハードルがあることも考慮する必要がある。全ての保護者・養育者が必要な支援・応援につながることができるよう、こども同士がつながる身近な場所等も活用して、少しでも多くの保護者・養育者との接点をつくり出し、量的な保障も含めて、これらの支援・応援を切れ目なく、ひとしく保障することが重要である。

○このような観点から、 ライフイベントの多様性を尊重しつつ、全ての人が、学童期・思春期・青年期から、教育機関や地域において、乳幼児の育ちや子育てについて学んだり、乳幼児と関わったりする体験ができる機会を保障していくべきである。

 

「全ての保護者・養育者が必要な支援・応援につながることができるよう、こども同士がつながる身近な場所等も活用して、少しでも多くの保護者・養育者との接点をつくり出し、量的な保障も含めて、これらの支援・応援を切れ目なく、ひとしく保障することが重要である。」保育施設を活用して頂ければ済む話ではないでしょうか。さらに、支援・応援を切れ目なく、ひとしく保障することが重要である。としつつも所得制限や子どもの数によって支援を受けることができて来なかった事実もあります。しかりとした保証を望みます。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン32

2024/09/02

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(4)保護者・養育者のウェルビーイングと成長の支援・応援をする

(幼児期までの保護者・養育者への支援・応援の重要性)

○こどもを養育する第一義的責任を有する保護者や養育者は、こどもに最も近い存在であり、特に「こどもの誕生前から幼児期まで」は、「アタッチメント(愛着)」の対象となる保護者・養育者がこどもの育ちに強く影響を与えることから、保護者・養育者自身のウェルビーイングを高めることが、こどもの権利と尊厳を守り、「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高めていく上でも欠かせない。

〇また、幼児期までは、こどもにとって人生の最初期であるとともに、保護者・養育者自身にとっても養育経験の最初の時期である。子育てにも手がかかる時期であることから、出産前後の綿密なケアを含め、特にこの時期において、こどもとともに育つ保護者・養育者への支援・応援をきめ細かに行い、そのウェルビーイングと成長を全ての人で支えることが重要である。

○一方で、保護者・養育者であれば子育てを上手に行うことができて当たり前であるといった考え方や、子育てにおいて誰かに頼ったり相談したりすることを恥ずかしいと捉えるような価値観が社会にあることは否定できず、必要以上に保護者・養育者を追い込まないように留意する必要がある。

○さらに、地縁・血縁の希薄化など社会情勢の変化により、子育てを取り巻く環境が大きく変わる中で、保護者・養育者が子育てを自分だけで背負わず、必要な親子関係の構築や、主体的な親としての学び・育ち等に向けた支援・応援を受けることが当たり前である環境(社会)をつくっていく必要がある。

○保護者・養育者がこどもの養育についての不可欠な役割を持つ者であるからこそ、保護者・養育者のウェルビーイングと成長の支援・応援が必要であり、子育ての支援・応援を社会全体で保障していくことが、こどものウェルビーイングのために重要である。

○なお、保護者・養育者の心身の状況や置かれた環境も多様であり、障害のあるこどもを養育している場合や、ひとり親、貧困家庭の場合など、特別な支援を要する子育て環境にある保護者・養育者に対しては、特に配慮する必要がある。だからこそ、保護者・養育者のウェルビーイングと成長の支援・応援についても、こどもの育ちへの切れ目ない伴走によって、保護者・養育者の心身の状況、置かれている環境等に十分に配慮しつつ、ひとしく保障されることが重要である。

 

子育てはうまくいって当然といった昭和的発想の社会を変えていかねばなりません。特にワンオペでの子育てをした方の配偶者に多く根強く残っている考えです。時々聞きます。子どもを育てる環境が違う、時代が違う、理解を求める社会的周知もさらに必要な気がします。だから机上の空論や絵に描いた餅的施策が出てくるのではないでしょうか。国も考え方を変えています。学校、社会も変わる必要があります。現実に沿って未来につながる施策を期待しましょう。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン31

2024/08/30

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(3)「こどもの誕生前」から切れ目なく育ちを支える

<④おおむね3歳以上から幼児期の終わり>

○多くのこどもが、幼児教育・保育施設等において、様々な年齢のこどもとの関わりを通して育ち、義務教育段階につながっていく時期である。こどもが保育者等のおとなや他のこどもとの応答・対話などにおいて、より幅広く意思を発するようになり、集団や社会で受け止められる経験等を通して、自己肯定感等を得ながら育っていく。

○育ちを切れ目なく支える観点から、こどもが幼児教育・保育施設へ就園するようになった後も、家庭、医療・保健・教育・福祉・療育等の関係施設、地域が連携し、ともに連続した生活の場としてこどもの育ちの質を保障していくことが重要である。

○また、「幼児期の終わり」までの育ちがそれ以降の育ちに、心身の面だけでなく、環境(社会)やそのネットワークの面でもつながっていくことを踏まえ、この時期の節目が切れ目とならないよう、幼児期と学童期以降の接続を不断に改善することが重要である。このため、医療・保健・教育・福祉・療育など、こどもの成長に関わる分野の関係者が連携し、認識を共有しながら、幼児期から学童期にわたる育ちを保障していくことが重要である。

 

就学前の教育保育について無償化が始まり、3歳以上児の保育料は無償化されましたが、当然ながらお金が掛かるのは0歳から2歳の子どもも同じであり、実は以上児以上に費用はかかっているのではないでしょうか。そのうえ就労など時間短縮をしたりすることもあり収入が減少してくる家庭も多いと思います。何とか3歳未満児の保育料の軽減をお願いしたいところです。

 

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