教育振興基本計画43 2025/03/28 Ⅱ.今後の教育政策に関する基本的な方針 ⑤計画の実効性確保のための基盤整備・対話 (安全・安心で質の高い教育研究環境の整備、社会教育施設等の整備) ○目指すべき新しい時代の姿として、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実や、社会変化に対応しデジタルやグリーン、ウェルビーイングや共生社会等を推進するためには、安全・安心で質の高い教育研究環境の確保が重要である。小中高等学校から高等教育段階を通じて、適切な維持管理や長寿命化改修をはじめとした計画的な老朽化対策、防災機能強化を行うとともに、脱炭素化やバリアフリー化、地域との連携・共創拠点等の観点から環境整備を推進する必要がある。 ○また、質の高い学びを実現するため、学校図書館や教材の整備の充実を図る必要がある。社会教育施設については、利用者の学習機会の充実の観点から、デジタル基盤を強化することが求められる。
教育振興基本計画42 2025/03/27 Ⅱ.今後の教育政策に関する基本的な方針 ⑤計画の実効性確保のための基盤整備・対話 (NPO・企業等多様な担い手との連携・協働) ○「自前主義からの脱却」は学校段階を通じて今後重要となる学校経営の方向性である。学校外の多様な担い手による学びの提供や多様な支援体制の確保は子供たちのウェルビーイングを育む上で重要な役割を果たす。不登校の児童生徒や引きこもりの青少年の支援などに取り組むNPO法人、子供たちの体験活動の機会提供やICT教育支援を行う企業、部活動を支える地域のスポーツ及び文化芸術団体など、多様な担い手と学校との連携・協働を推進すべきである。高等教育段階においても学外の様々な機関との連携・協働を行うことが求められる。さらに、少子化が進展する中で、他校・他大学との連携を進めることも重要な視点である。 ○その際、地域によっては学校外の多様な担い手が十分に確保できない状況もあり、連携・協働の広がりを通じて担い手の育成・確保を図るという視点やICTの活用を組み合わせて取り組んでいくことも重要である。また、学校と学校外の多様な担い手をつなぐコーディネーターの役割も重要となる。 ○また、医療・保健機関、福祉機関、警察・司法との連携により、子供の健康や安全を守るための取組を引き続き推進する必要がある。 ○こうした取組の推進に向けて、文部科学省と関係省庁との連携も必要である。
教育振興基本計画41 2025/03/26 Ⅱ.今後の教育政策に関する基本的な方針 ⑤計画の実効性確保のための基盤整備・対話 (指導体制・ICT環境等の整備) ○加えて、ICT環境の充実は計画の実効性の確保のために不可欠である。1人1台端末の持続的な活用やネットワーク環境の更なる改善に取り組むとともに、校務のDX、ICT支援員の配置、GIGAスクール運営に係る体制の強化、教師のICT活用指導力の向上等、GIGAスクール構想を更に推進していく必要がある。 ○さらに、学校教育の成否を左右する教師について、その質の向上を図るため、デジタル技術の活用を含めた教員研修の高度化を進め、教師の個別最適な学びや協働的な学びを支える仕組みを構築する必要がある。 ○これらの取組を推進していくためには、地方教育行政の充実を図ることが必要であり、教育委員会の機能強化・活性化や教育委員会と首長部局の連携等を推進することが求められる。 ○大学においては、学修者本位の教育を実現していくため、教員の多様性の確保、大学のミッションに応じた教員評価、TA・RAの活用、教職協働の推進、教育研究の時間を生み出す組織マネジメントの確立・推進等が求められる。
教育振興基本計画40 2025/03/25 Ⅱ.今後の教育政策に関する基本的な方針 ⑤計画の実効性確保のための基盤整備・対話 (指導体制・ICT環境等の整備) ○我が国の初等中等教育は国際的にも高く評価されており、これは教育現場で日々子供たちに向き合う教師の熱意と努力に支えられている。他方、近年、子供たちが抱える困難が多様化・複雑化するとともに、情報活用能力など新たな能力育成の要請等もあり、我が国の教師の仕事時間は国際的に見て長くなっていることに加え、教師不足の問題が顕在化している。本計画の実効性確保のためには、教師の人材確保が不可欠であり、学校における働き方改革の更なる推進と併せて、指導体制の整備等を通じ、教職の魅力の向上を図る必要がある。その際、多様化・複雑化する困難等に対し「チ―ム学校」として対応するためには、教員業務支援員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の支援スタッフの役割も重要である。また、令和4年度に実施した教員勤務実態調査の結果等を踏まえ、学校における働き方改革の更なる加速化、処遇改善、指導・運営体制の充実、教師の育成支援を一体的に進める必要がある。
教育振興基本計画39 2025/03/24 Ⅱ.今後の教育政策に関する基本的な方針 ⑤計画の実効性確保のための基盤整備・対話 (教育政策推進の実効性の確保) ○基本的な方針の①~④までの教育政策を推進し、本計画の実効性を確保するためには、経済的・地理的状況によらず子供たちの学びを確保するための支援、指導体制・ICT環境の整備、地方教育行政の充実、安全安心で質の高い教育研究環境の整備、大学の経営基盤の確立、各高等教育機関の機能強化などを図ることが重要である。 (経済的状況によらず学びの機会を確保するための支援) ○子供たちの学びの経済的支援については、幼児教育・保育の無償化、義務教育段階の就学援助、高等学校等就学支援金・高校生等奨学給付金、高等教育の修学支援新制度及び貸与型奨学金など、幼児期から高等教育段階まで切れ目のない支援により、希望する誰もが質の高い教育を受けられるための環境が整備されてきた。今後、教育未来創造会議第一次提言やこども未来戦略方針、経済財政運営と改革の基本方針2023の内容を踏まえ、新たな時代に対応する学びの支援の充実を図ることが求められる。