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園からの発信

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 24

2024/10/31

○ その際には、幼児期の遊びを通した学びが小学校の学習にどのようにつながっているかについて、幼保小の先生が子供の姿の事例を通して、具体的に対話をすることが重要になる。例えば、幼児期に友達と集めた木の実の合計の数を数えたり、同数に分け合ったりすることは数への興味や関心を高め、小学校の算数の学習にもつながっていくものである。このような具体的な事例を用いて、大事にしている子供の経験等の対話を通じて相互理解を深めていくことが非常に重要であり、幼児期の興味や関心に基づいた多様な体験が小学校以降の学習や生活の基盤となること、ひいては言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等の持続可能な社会の創り手として必要な力の育成等につながっていくことについて共通理解を図ることが求められる。

 

「幼保小の先生が子供の姿の事例を通して、具体的に対話をすることが重要になる。」明記されていますが、対話なくとも子ども理解を示してくださればいいのですが、それは困難なことです。保育の立場からすると子ども一人一人の成長は乳児期からの連続であり、突然に何かを習得するものでもありません。さらには家庭の環境や育った環境、経験、体験の度合いで大きく違ってくるのです。そのことが成長においての速度も違ってくるのです。卒園の際にはそのような差が生じないよう個別に長い期間取り組んでいくこともあるのです。与えられて答えを出すだけの経験と人と関わりを多く持った生活では子どもの経験値も違ってくるのです。様々な経験や体験を通し、考えることや疑問に思うことに応えていく保育も必要です。子どもは個々に成長過程が違うのです。これが学校に行って型にはまらないと問題視されることにもつながっています。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 23

2024/10/30

②架け橋期のカリキュラムの作成及び評価の工夫によるPDCAサイクルの確立

(ア)幼保小の協働による架け橋期のカリキュラムの作成

○ 幼保小が教育課程の構成原理等の違いを越えて相互理解を深めるためには、幼保小が協働し、共通の視点を持って教育課程や指導計画等を具体化できるよう、架け橋期のカリキュラムを作成することが重要である。また、その際は、3要領・指針において幼児期の資質・能力が具体的に現れる姿として定められている「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」等を手掛かりとして活用することが考えられる。

○ 具体的には、3要領・指針の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」等や小学校学習指導要領を参照しながら、地方自治体が定める教育に関する基本的な方針等や幼児教育施設・小学校の教育目標、子供の実態等を踏まえて、幼保小が協働して「期待する子供像」や「育みたい資質・能力」を明らかにするとともに、この「期待する子供像」や「育みたい資質・能力」を基にして、「園で展開される活動」や「小学校の生活科を中心とした各教科等の単元構成等」等を具体的に明確化していくことが考えられる。そして、このような取組を幼保小それぞれのカリキュラム・マネジメントと連動させていくことが大切である。

 

残念ながらこのことが示されていますが保育現場には届いていません。課題が多すぎます。どうやって小学校と協働するのか。手立ても示されていません。ましてやこういったことの必要性も学校現場には伝わっていないのではないでしょうか。熊本市のHPからスタートカリキュラムもあるようですが、実際の活用はありませんし、作成はどうやら公立小学校と公立幼稚園にて作成されたようで、利用者の大半を占める公立私立保育所と私立幼稚園の意見の反映はないようです。就労率全国平均以上に高く、九州ではトップの就労率を誇る熊本市においてそのことが反映されていないのではと感じます。延長保育の利用率が高く、小学生においても学童保育の利用者が非常に多い地域といった背景と学習の反映には大きな開きがないものか?少し疑問に思います。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 22

2024/10/29

○ また、小学校低学年における教育全体においては、例えば生活科において育成する「自立し生活を豊かにしていくための資質・能力」を、他教科等の学習においても生かされるようにするなど、教科等間の関連を積極的に図り、幼児教育との円滑な接続が図られるよう工夫することが求められる。

○ 子供一人一人が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるようにするため、3要領・指針や小学校学習指導要領の理念をより徹底し、架け橋期とそれにつながる時期、さらにその後の時期を見通しながら、教育の充実に取り組むことが必要である。

○ 幼保小においては、このような架け橋期の教育の位置付けや重要性について認識を共有し、子供の成長を中心に据えながら一体となって、架け橋期の教育の充実に取り組むことが求められる。

 

就学前の教育保育は生活を通して行われ、これが教科ごとに分かれることもギャップの一つです。生活科が創設され、生活を通して学んできた子ども達にとっては有益なことです。そのうえで、架け橋期の教育の位置付けや重要性について認識を共有し、子供の成長を中心に据えながら一体となって、架け橋期の教育の充実に取り組むことが求められる。とされており、ますますの学校教育の充実に期待するとともに、学校教育との相互理解をする時間と場所の確保が必要です。子ども一人一人の成長を短い時間で伝えることは困難なのです。保育参観や普段の生活を見て頂くことや小学校入学時の相互協力もあっていいのではないでしょうか。

 

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 21

2024/10/28

(2)目指す方向性

①子供の発達の段階を見通した架け橋期の教育の充実

○ 幼児期に培った資質・能力は、生涯にわたり重要なものであり、それを小学校において更に伸ばしていくことが必要である。一方、幼児教育と小学校教育においては、教育課程の構成原理など様々な違いを有することから、とりわけ義務教育の開始前後の5歳児から小学校1年生の2年間の「架け橋期」は、幼保小が意識的に協働して子供の発達や学びをつなぐことにより、生涯にわたる学びや生活の基盤をつくることが重要である。幼保小においては、架け橋期の円滑な接続をより一層意識し、乳幼児期の子供それぞれの特性など発達の段階を踏まえ、一人一人の多様性や0歳から18歳の学びの連続性に配慮しつつ、教育内容や指導方法を工夫することが重要である。

○ 特に小学校入学前後の架け橋期は、子供が幼児教育施設における遊びを通した学びや成長を基礎として、小学校において主体的に自己を発揮しながら学びに向かうことを可能にするための重要な時期である。そのため、小学校の入学当初においては、幼児期において自発的な活動としての遊びを通して育まれてきた資質・能力が、低学年の各教科等における学習に円滑に接続するよう教育活動に取り組むことが求められる。

 

まず誰が見通すのでしょうか。学校の先生方は転勤もあり、担当学年の変更もあります。そういった中での子ども一人一人を見通すには様々な記録も大切ですが、子ども一人一人の特徴を受け止めることのできる職員も必要です。教科担当だけの先生も必要です。専門的な教科担当教員も必要です。授業サポートの教員も必要です。保健、カウンセラーの先生も必要です。その上でどう、だれが就学前の施設とつながりを持っていただけるのでしょうか。充実した教育環境には専門的知識を持った職種も必要です。ここの改善が先なように感じています。こういった取り組みを行う自治体こそ住みやすい街ではないのでしょうか。ただ単にいろいろなものが無償化されるより、ストレスなく学校教育に進むことが出来たり、充実した支援や学習体制が取れる自治体にこそ魅力を感じます。

 

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 20

2024/10/25

・幼児教育施設の教育は多様であるため、施設類型の違いを越えた共通性が見えにくく、スタートカリキュラムとアプローチカリキュラムがバラバラに策定され、幼保小の理念が共通していない。

・地方自治体において、幼保小に対し幼保小接続について指導・助言できる人材が少ない。全国の教育委員会において、幼保小接続や生活科を担当する指導主事を配置する例は少なく、小学校の先生に対する研修も十分に行われていない。

○ このような状況下において、幼保小の接続期の教育の質を確保するための手立てを具体的に示していくことが求められている。特に、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」については、これを実践にどう生かすかなど、カリキュラムの参考になる資料が少なく、幼保小の先生のサポートが必要な状況である。

 

机上で把握されているのであれば、どうすることが子どもや保護者の不安を解消することにつながるのか、小学校教員と就学前施設の保育者の不安解消につながるのか、具体策を現場の声を聴いて改善する必要があります。私学に聞けないことがないはずです。何かここにもメンツがあるのでしょうか。メンツによって影響があるのは子ども達や保護者なのです。早急な改善が望まれます。そもそも、3要領・指針は全国共通で、小学校学習指導要領も同じなのですが、なぜ自治体や地域によってスタートカリキュラムがバラバラなのでしょうか。

 

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