学習指導要領の趣旨の実現35 2025/10/17 4.教育課程の実施と学習評価 (2) 「指導と評価の一体化」の考え方に立った学習評価の改善 学習指導要領においては、学習評価の充実について以下のとおり示しています。 児童(生徒)のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し、学習したことの意義や価値を実感できるようにすること。また、各教科(・科目)等の目標の実現に向けた学習状況を把握する観点から、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫して、学習の過程や成果を評価し、指導の改善や学習意欲の向上を図り、資質・能力の育成に生かすようにすること。 各学校における教育活動は、学習指導要領等に従い、児童生徒や地域の実態を踏まえて編成した教育課程の下で作成された各種指導計画に基づく授業(「学習指導」)として展開されます。各学校は、日々の授業の下で児童生徒の学習状況を評価し、その結果を児童生徒の学習や教師による指導の改善等につなげ、学校全体として組織的かつ計画的に教育活動の質の向上を図っています。このように、「学習指導」と「学習評価」は学校の教育活動の根幹であり、教育課程に基づいて組織的かつ計画的に教育活動の質の向上を図るカリキュラム・マネジメントの中核的な役割を担っています。 評価の結果によって後の指導を改善し、さらに新しい指導の成果を再度評価するという指導と評価の一体化を図る中で、児童生徒一人一人のつまずきや伸びについて指導過程で評価する形成的な評価を行うことが重要です。形成的な評価を生かしながら、学習指導要領に示す各教科の目標に照らして児童生徒が「おおむね満足できる」状況となるようきめ細かく指導・支援することが求められます。更にそれを超え、児童生徒の興味・関心等に応じて学習が発展するよう指導・支援するに当たっては、その多様な成果を評価することが重要です。
学習指導要領の趣旨の実現34 2025/10/16 4.教育課程の実施と学習評価 (1) 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善 ③ 学びに向かう力、人間性等を育成する教育の充実 「学びに向かう力、人間性等」の育成は幼児期から成人までかけて徐々に進んでいくものですが、初期の試行錯誤段階を経て、様々な学びの進め方や思考ツールなどを知り、経験していくことが重要です。とりわけ小学校中学年以降、学習の目標や教材について理解し、計画を立て、見通しをもって学習し、その過程や達成状況を評価して次につなげるなど、学習の進め方を自ら調整していくことができるよう、発達の段階に配慮しながら指導することが大切です。また、中学校以降において、多様な学習の進め方を実践できる環境を整えることも重要です。 ICT を活用し、学習履歴(スタディ・ログ)を分析したり、分かりやすく表示したりすることで、児童生徒が自らの学習を振り返ったり、計画を立てたりすることが容易になります。また、学校での学習と家庭での学習を円滑に接続することにもつながります。 授業改善に当たっても、このようなデータも活用しながら、学習の進め方(学習計画、学習方法、自己評価等)を自ら調整していくことができるよう指導することを一つの柱として行うことが考えられます。また、学校の授業以外の場における学習の習慣や進め方についても視野に入れ、指導を行うことが重要です。
学習指導要領の趣旨の実現33 2025/10/15 4.教育課程の実施と学習評価 (1) 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善 ③ 学びに向かう力、人間性等を育成する教育の充実 資質・能力の三つの柱のうち、「学びに向かう力、人間性等」は児童生徒が「どのように社会や世界と関わり、よりよい人生を送るか」に関わる資質・能力であり、他の二つの柱をどのような方向性で働かせていくかを決定付ける重要な要素です。具体的には主体的に学習に取り組む態度も含めた学びに向かう力や、自己の感情や行動を統制する力、よりよい生活や人間関係を自主的に形成する態度等があり、自分の思考や行動を客観的に把握し認識する、いわゆる「メタ認知」に関わる力を含むものです。また、多様性を尊重する態度や互いのよさを生かして協働する力、持続可能な社会づくりに向けた態度、リーダーシップやチームワーク、感性、優しさや思いやりなどの人間性等に関するものも幅広く含まれます。 「学びに向かう力、人間性等」の育成に当たっては、他の二つの柱以上に、児童生徒や学校、地域の実態を踏まえて指導のねらいを設定していくことが重要です。学習指導要領の総則では「児童(生徒)の発達の支援」の項目において、児童生徒一人一人が興味や関心などが異なることを前提に、児童生徒が自分の特徴に気付き、よい所を伸ばし、自己肯定感をもちながら日々の学校生活を送ることができるようにすること、また全ての児童生徒が学校や学級において豊かな人間関係の中で有意義な生活を築くことができるようにすることの重要性を示しています。 また、学習指導要領においては、児童生徒が自主的に学ぶ態度を育み、学習意欲の向上に資する観点から、以下のとおり見通しを立てたり、振り返ったりする学習活動について示しています。 児童(生徒)が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を、計画的に取り入れるように工夫すること。
学習指導要領の趣旨の実現32 2025/10/14 4.教育課程の実施と学習評価 (1) 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善 ② 言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力の育成のための活動の充実 各教科等におけるICT 活用を充実させるためにも、とりわけ小学校学習指導要領の総則に規定されている「児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動」を確実に実施するとともに、各学校段階を通して、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ることが必要です。 問題発見・解決能力については、各教科等において、物事の中から問題を見いだし、その問題を定義し解決の方向性を決定し、解決方法を探して計画を立て、結果を予測しながら実行し、振り返って次の問題発見・解決につなげていく過程を重視した深い学びの実現を図ることを通じて、各教科等のそれぞれの分野における問題の発見・解決に必要な力を身に付けられるようにするとともに、総合的な学習(探究)の時間における横断的・総合的な探究課題や、特別活動における集団や自己の生活上の課題に取り組むことなどを通じて、各教科等で身に付けた力を統合的に活用できるようにすることが重要です。 各学校においては、児童生徒や学校、地域の実態を適切に把握した上で、教育の目標を明確化し、教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成や、教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習の推進など、教科等間のつながりを意識して教育課程を編成・実施することが重要です。
学習指導要領の趣旨の実現31 2025/10/10 4.教育課程の実施と学習評価 (1) 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善 ② 言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力の育成のための活動の充実 言語能力については、まず、教科学習の主たる教材である教科書を含む多様なテキスト及びグラフや図表等の各種資料を適切に読み取る力を、各教科等を通じて育成することが重要です。その際、教材自体についても、資料の内容を適切に読み取れるような工夫を施す必要があります。また、判断の根拠や理由を明確にしながら自分の考えを述べる力を身に付けさせることも必要ですが、そのためには、レポートや論文等の形式で課題を分析し、論理立てて主張をまとめることも重要です。 コンピュータ等の情報手段を適切に用いて情報を得たり、情報を整理・比較したり、得られた情報を分かりやすく発信・伝達したりといったことができる力、このような学習活動を遂行する上で必要となる情報手段の基本的な操作の習得を含めた情報活用能力を育成することも重要です。