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園からの発信

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン37

2024/09/09

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(5)こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増す

<こどもと直接接する人>

○保護者・養育者だけでなく、「こどもと直接接する人」もこどもの育ちに大きな影響を与える。こどもと「アタッチメント(愛着)」を形成することができる人は、必ずしも保護者・養育者に限らず、こどもと密に接する保育者等も含まれ、こどもにとって日常的に重要な役割を果たすことができる。

○これらの人には、親族、保育者、医師(小児科医・産婦人科医等)、保健師、助産師、看護師等や、その他こどもに関わる専門職と周囲のおとな等に加え、関わり合うこども同士も含まれる。

 

保育者は保護者の次にというより、起きている時間の大半を保育所等で過ごすことから子どもへの影響は大きいものと認識しており、だからこそ適切な保育ができる環境がとても重要なのです。保育士不足や知識の不足経験の不足から一人一人の子どもへ十分な配慮ができないといった施設も多く、また、認可園の待機児童解消のために託児施設も増え、保育の質といった観点から注目されることになっています。さらには子どもの多様化、保護者のニーズの多様化もあり、十分な質の確保とはならないところもあるといった指摘を受けます。保育者自身にも余裕で職務に当たることのできる労働環境やもちろん休暇等も必要であり、だからこそ職員の処遇改善を望んでいるのです。子どもの成長の重要な時期に携わる上では十分ではないのです。子どもの支援と共に保育者への処遇改善も同時に改善する必要があります

 

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン36

2024/09/06

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(5)こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増す

<保護者・養育者>

○こどもを養育する立場にある「保護者・養育者」は、こどもに最も近い存在であり、こどもにとって「アタッチメント(愛着)」を形成する対象となることを通じ、こどもの育ちに極めて重要な役割を果たす。このため、こどものウェルビーイング向上に必要な考え方を保護者・養育者と共有することや、保護者・養育者が社会に支援・応援されながら、安心して子育てを行えるようにすることが、こどもの育ちにとって大切である。また、保護者・養育者間の良好な関係性や、保護者・養育者自身が心身ともに健康的な状態を保持することも大切な要素である。以上のことから、(4)のビジョンに基づき、保護者・養育者のウェルビーイングと成長を支えることが重要である。

○なお、妊娠期においては、保護者・養育者自身が「こどもまんなかチャート」の真ん中に位置することとなる。

 

子どもがまんなか、家族が支える、社会が支える。孤立させない、おせっかいでも地域は関わる、国や自治体はプッシュ型でも何でもいいんです。支援をしてください。安心して生み育てるためにはこのことをもっと周知すべきです。私的観点ですが、男が外で働き、女性が子育てをするといった考えが長く続き、戦後間もなくの高度成長時期に顕著となり、男女の役割が分けられ、以降ようやく女性の社会進出等と表現される時代になり、とっくに欧米から考えや子育て理念に開きが出てきて、少子化で待ったなしの状況下であるものの、いまだに過去の考え方が根底にある中で、どう社会を変えていくかだと思います。

 

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン35

2024/09/05

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(5)こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増す

○こどもの育ちの質には、保護者・養育者や、こどもに関わる専門職のみならず、全ての人が、それぞれの立場で直接的・間接的に影響している。養育の第一義的責任を有する保護者や養育者の役割は重要であるからこそ、こどもの育ちに関する家庭や地域等の社会の情勢変化も踏まえて、現代の社会構造に合った発想で、こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増していくことが必要である。

○また、こどもは保護者・養育者や保育者のみならず、様々な人と関わり合い、家庭のみならず様々な空間で日々を過ごしている。特に幼児期までは、こども自身が自分の状況や思い・願いを言葉で伝えにくいこともあり、学童期以降のこども以上に、周囲のおとなが一人一人のこどもの状況を把握し、思いや願いを汲み取り、積極的に育ちを支えることが重要である。

○そのためには、様々なこどもと直接接する人、こどもが過ごす空間(幼児教育・保育施設や子育て支援の施設のみならず、公園、図書館、科学館等の様々な体験施設や自然環境、デジタル空間も含む。以下同じ。)、地域の空間、施策や文化に関わる全ての人がこどもの育ちの質に与える影響について、環境(社会)の広がりやつながりの観点から、分かりやすく「見える化」することが有効と考えられる。このため、本ビジョンでは、「こどもまんなかチャート」を作成し、「保護者・養育者」、「こどもと直接接する人」、「こどもが過ごす空間」、「地域の空間」、「施策や文化」といった層ごとに整理した。あわせて、本ビジョンの実現に向けた社会全体の全ての人の役割と、その役割を支えるために特に国に求められることを整理した。

○なお、地域において、「こどもまんなかチャート」の様々な立ち位置でこどもを支える人同士をつなぐ、コーディネーターの役割も必要である。

 

子育て中の世代、子育てを終えた世代、子育てを応援できる世帯。これから子育てを考える世帯。それぞれが自身のことだけ、他人事と考えずに、応援があること、支援があること、困らないこととなるようなことをもっともっと周知して欲しいですね。文字通り「社会全体で支える」この実感を持たなければ少子化は止まりません。希薄となった地域関係や人間関係の修復も大切です。地域で子育てを支える。社会の応援がある。経済的な負担がない。こういった社会を実現していく必要があります。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン34

2024/09/04

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(4)保護者・養育者のウェルビーイングと成長の支援・応援をする

(こどもとともに育つ保護者・養育者の成長の支援・応援)

○こどもを育てる中で、保護者・養育者自身もこどもとともに育っていくという視点が重要である。こどもを養育するために必要な脳や心の働きは、経験によって育つものであり、生物学的な性差がないとの研究報告もある。そのため、性別にかかわらず、保護者・養育者がこどもと関わる経験を確保することがその成長につながり、こどもの育ちを保障することにもつながる。

○このように、こどもの育ちには親の育ちも必要であることから、子育てと家庭教育の双方の観点で、保護者・養育者の成長を支援・応援することも重要である。また、こどもと過ごす時間や触れ合う経験を確保するため、保護者・養育者の労働環境の整備を含めた対応が必要である。さらに、保護者・養育者同士の育ち合いはもちろん、こどもの思いや願いを受け止めて必要な対応につなげるためにも、信頼できる情報や伴走者として、保健師やソーシャルワーカーをはじめとした母子保健やこども家庭福祉等の専門職による成長支援などが重要である。

○また、保護者・養育者同士がつながることで、その育ち合いを促すことができる。このため、子育て支援や家庭教育支援の中では、このようなネットワーク形成が重視されることが望ましい。

○さらに、体罰によらない子育てのために必要なこと、おとなからこどもへの避けたい関わり、こどもの主体性の発揮に向けて必要なことなど、家庭教育支援やこどもの権利の観点も含め、子育てに関して、分かりやすく信頼できる情報が保護者・養育者に届くことや、保護者・養育者がこのような情報へ主体的にアクセスし、学べることが必要である。また、専門性を持って保護者・養育者とともにこどもの育ちを見守り、保護者・養育者のこどもへの理解を促すなど、保護者・養育者の成長に伴走する人の存在も重要である。

 

保護者、療育者のこれまでの経験は大きく影響します。例えば、保護者が休みの日に近くの公園に行く習慣があったり、どこかへお出かけする機会があることない子では大きく生活や経験が違ってきて思考もそういった思考にはなりません。子ども時代に経験がないことの差は歴然とするでしょう。だからどこかへ連れていけではなく時間をうまく使い協力者の力を借りながら子どもに様々な経験をさせることができることも大切です。しかしながら、時間や経済的理由でその経験が得られないことも現実なのです。社会が子ども達の様々な体験をすることに費用が掛からないことや利便性を整備することも大切ですね。何より大人に余裕がなければできません。子どものためにできることを考えたいですね。

 

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン33

2024/09/03

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(4)保護者・養育者のウェルビーイングと成長の支援・応援をする

(保護者・養育者が支援・応援につながるための工夫)

○保護者・養育者支援のための制度やサービスは、必要としている人が必要なタイミングでつながることができなければ意味をなさない。また、制度やサービスの存在を知らない、支援・応援を受けることへの躊躇や偏見がある、自身の状況を説明することが困難であるなど、支援・応援へのつながりを阻むハードルがあることも考慮する必要がある。全ての保護者・養育者が必要な支援・応援につながることができるよう、こども同士がつながる身近な場所等も活用して、少しでも多くの保護者・養育者との接点をつくり出し、量的な保障も含めて、これらの支援・応援を切れ目なく、ひとしく保障することが重要である。

○このような観点から、 ライフイベントの多様性を尊重しつつ、全ての人が、学童期・思春期・青年期から、教育機関や地域において、乳幼児の育ちや子育てについて学んだり、乳幼児と関わったりする体験ができる機会を保障していくべきである。

 

「全ての保護者・養育者が必要な支援・応援につながることができるよう、こども同士がつながる身近な場所等も活用して、少しでも多くの保護者・養育者との接点をつくり出し、量的な保障も含めて、これらの支援・応援を切れ目なく、ひとしく保障することが重要である。」保育施設を活用して頂ければ済む話ではないでしょうか。さらに、支援・応援を切れ目なく、ひとしく保障することが重要である。としつつも所得制限や子どもの数によって支援を受けることができて来なかった事実もあります。しかりとした保証を望みます。

 

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