教育振興基本計画1 2025/01/24 新たなシリーズを発信します。教育振興基本計画です。時代にあった教育の方向を示しています。保護者におかれましても堅苦しい文章ですが、子どもの教育について考えていきましょう。 教育振興基本計画 令和5 年 6 月 16 日 閣議決定 はじめに ○我が国最初の全国規模の近代教育法令である「学制」が公布されてから令和4年で150年を迎えた。 ○我が国の教育制度は、この間、幾多の改革を経て現在の制度を形成してきた。今般の新たな教育振興基本計画の策定は、教育の発展に尽力してきた先人の努力に思いを致すとともに、未来に向けて教育の在り方を構想するにふさわしい節目の時期に行われるものと言えよう。本計画の策定に当たっては、教育基本法を普遍的な使命としつつ、新たな時代の要請を取り入れていく「不易流行」の考え方を基調とした。 ○第3期教育振興基本計画期間中には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と国際情勢の不安定化という予測困難な時代の象徴ともいうべき事態が生じ、我が国の教育の課題が浮き彫りになるとともに、学びの変容がもたらされた。少子化・人口減少、グローバル化の進展、地球規模課題、格差の固定化と再生産など、様々な社会課題が存在する中、Society5.0を見据え、これからの社会を展望する上で、教育の果たす役割はますます重要となっている。 ○本計画の策定に当たっては、こうした社会全体の潮流を念頭に置いた上で教育政策の在り方について検討を行うとともに、初等中等教育から高等教育、生涯学習・社会教育の連続性を重視し、共通課題を横断的に捉える視点を取り入れた。 ○本計画は、コンセプトとして「持続可能な社会の創り手の育成」及び「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」を掲げ、5つの基本的方針と16の教育政策の目標、基本施策及び指標を示している。政府としては、本計画に基づき、各省庁が連携して、今後の教育政策を着実に推進する。また、各地方公共団体においても、本計画の方針や施策を実効性のあるものとするために、政府の基本計画を参酌しつつ、その地域の実情に応じた適切な対応がなされるよう期待したい。 ○我が国の将来を展望したとき、教育こそが社会をけん引する駆動力の中核を担う営みであり、一人一人の豊かで幸せな人生と社会の持続的な発展に向けて極めて重要な役割を有している。教育振興基本計画は、将来の予測が困難な時代において教育政策の進むべき方向性を示す「羅針盤」となるべき総合計画であり、本計画に基づいて我が国の教育政策が展開されるよう教育関係各位による取組の推進を期待する。
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 77 2025/01/23 さらに、幼児教育施設は幼稚園、保育所、認定こども園に分かれ、私立が多数を占めているが、全ての子供に質の高い教育を確保する観点からは、設置者や施設類型を問わず、どの施設においても小学校との連携・協働を進める必要がある。 全ての幼児教育施設及び小学校において架け橋期の教育の充実に向けて連携・協働を進めていくことを強く期待する。また、教育を所管する文部科学省においては、こども家庭庁をはじめとする関係省庁と連携を図りながら、各地方自治体の教育委員会や首長部局、幼児教育施設及び小学校関係者に対して、架け橋期の重要性や幼保小連携の意義などについて指導助言等を行い、幼保小の連携・協働を促進することを求めたい。 現場の今を知る方からすれば、連携が取れていないが、学校側からするとすべてを受け入れているといったことなのでしょう。しかしこれまでの対応では対応できないことも明らかなことでありますから、公私立の垣根を超えた連携・協働のほか手立てはないように感じています。国が期待することに互いの現場が応えて実践していくことで子ども達の将来につながると感じました。 77回シリーズでお届けしました。ありがとうございました。
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 76 2025/01/22 これらの状況を踏まえ、本審議まとめにおいては、架け橋期の教育の充実を図るため、子供に関わる多くの関係者が立場を越えて幼保小の架け橋プログラムに取り組むことが重要であることを提言している。具体的には、架け橋期のカリキュラムの作成やそれに基づく評価、合同研修を通じた幼保小の教育内容・指導方法の相互理解、家庭や地域の参画、地方自治体の推進体制の構築など、様々な取組について提言している。 そのような中、幼保小の架け橋プログラムを進めるに当たって、関係者の間で最も意識してもらいたいことは、0歳から18歳の学びは連続しているということである。将来、大人になったときに変化の激しい時代を生き抜かなければならない子供のため、一人一人に高い資質・能力をしっかりと育成し、それぞれのウェルビーイングを実現していくことが私たち大人に課せられた使命である。また、そのためには、幼児教育と小学校教育が、それぞれの教育の充実を図るに当たり、幼児教育施設は小学校以降の教育を見据えて小学校以降の学習や生活の基盤の育成を行うとともに、小学校においては幼児期に育まれた資質・能力を踏まえて教育活動を実施することが重要である。 「0歳から18歳の学びは連続している」。大人になったときに変化の激しい時代を生き抜かなければならない子供のため、一人一人に高い資質・能力をしっかりと育成し、それぞれのウェルビーイングを実現していくことが私たち大人に課せられた使命である。このことに尽きるのですが、やはり問題となるのが、大人の受け止めが浅く、教育者、保育者共に過去の実績にこだわることによって、子どもを救えない事例もたくさんあります。厳しく育てないと社会に出て苦労をする!根強い考え方です。しかし現代においては化石化した考えでもあるのです。一斉画一的に同じ行動を目指したり期待すべき時代でもないはずです。子どもにとって何が安心かを考える必要がありますね。 朝日新聞デジタル
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 75 2025/01/21 架け橋期の教育の充実に関しては、3要領・指針や小学校学習指導要領において、幼保小の円滑な接続により子供の学びの連続性を確保することや、小学校の生活科の創設やスタートカリキュラムの編成・実施により、幼児期において遊びを通して育まれてきた資質・能力を小学校の各教科等における学習に円滑に接続すること等が求められてきているものの、様々な課題が生じており、これらの趣旨を一層実現していくことが求められている。 また、小中学校における不登校の子供の数が調査開始以降最多となり、自殺した子供の数も増加傾向にある中、小学校低学年の不登校の子供への支援については、幼児教育施設・小学校・家庭が連携し、学びの成果や支援をつなげていく必要があるとの報告もあり、架け橋期の教育の充実を通して、小学校入学当初の子供が、小学校での学習や生活を楽しいと感じ、小学校を自分の居場所として認識できるようにしていくことも重要である。 多様化している中で、個々に寄り添うことができないのが現状ではないでしょうか。未だにこうあるべきとか「べき」と言う言葉に象徴される大人の解釈によって子ども理解ができていないように映ります。それぞれの子を尊重しているだろうか、気持ちに寄り添うことができているだろうか。小中高に進級するたびに配慮に欠ける行為も取りだたされてされます。大人の解釈も時代とともに進歩しなければ子どもの命をなくすことになります。
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 74 2025/01/20 おわりに 我が国においても、各学校段階の教育の質の確保に必要な制度上の仕組みについては、一定程度の整備がなされ、幼保小、小中、中高などの学校段階等間の接続が重視されるようになった。3要領・指針や小・中・高等学校の学習指導要領等では、学校段階等間の円滑な接続を重視する改訂・改定が行われ、地方自治体・幼児教育施設・学校において、それぞれ改善が進められてきた。 特に幼児教育と小学校教育においては、子供の発達の段階に起因する教育内容や指導方法等をはじめ、義務教育であるか否か、公・私立の多寡、地方自治体の担当部局、関係法令等の様々な違いを有しており、円滑な接続を図ることは決して容易ではないが、幼児教育関係者や小学校教育関係者等の努力により、接続の改善が進められてきたところである。 そのような中、今般、特に5歳児から小学校1年生までの2年間を「架け橋期」と称し、この2年間に焦点を当てているのは、子供の生涯にわたる学びや生活の基盤をつくるためには、架け橋期の教育を一層充実していくことが必要と考えるからである。 架け橋に大切なものは、互いの文化を理解し、尊重し、交流し、学習していくことによって繋がるものだと思います。その上で充実がなされるものと感じます。互いを知ることが大切です。机上では得られない子どもの実際の姿を見て進めて欲しいものです。