幼児教育の質の向上19 2026/02/19 3.幼児教育の質の評価の促進 (1)幼児教育施設への適切な指導監督等の実施 ○ 幼稚園、保育所、認定こども園といった各幼児教育施設によって、実施する必要のある複数の指導監督について、都道府県及び市町村とが緊密な連携を図り、各法令等に基づいた適切な指導監督を実施することが必要である。 ○ 指導監査の実施の際、監査に求める資料・様式の統一化や重複する一部の監査項目の省略、集団指導・実地指導の適切な組合せを検討するなど、効率的な指導監督となるようにすることが重要である。
幼児教育の質の向上18 2026/02/18 3.幼児教育の質の評価の促進 ○ 幼稚園については、自己評価の義務、学校関係者評価の努力義務が課されているが、他の学校種と比べて評価の実施が進んでいない状況にある。今後、評価の実施とその結果の公表・説明により、適切に説明責任を果たすとともに、保護者、地域住民等から理解と参画を得て、幼児教育施設、家庭、地域の連携・協力による園運営を進めることが一層求められている。 ○ 幼稚園は比較的規模が小さく、園内の教職員の数も限られているという現状がある。このため、園運営の改善・発展を図るに当たっては、教育委員会や幼児教育センター等の行政が幼児教育アドバイザーのような外部の専門家を派遣したり、各園が近隣の園と合同研修を実施したり、外部の視点を入れた活動の見直しを行うといった工夫が重要である。 ○ 各園の独自性を確保しつつ、学校評価等を通じた運営の改善・発展を図り、質の高い幼児教育を提供するためのPlan, Do, Check, Action のサイクル(以下「PDCAサイクル」という。)を構築することが重要である。その際、実践に立脚したPDCAサイクルを実現し、各教職員の能力ややりがいの向上につなげていく上で、公開保育の取組は有効であり、実践の可視化・共有化によって研修内容の高度化にもつながると言える。
幼児教育の質の向上17 2026/02/17 (3)教職員の専門性の向上 ○ 幼児教育に関する専門性の向上を図るとともに、子育ての支援を必要とする保護者への指導・助言、家庭教育、小学校教育との連携・接続といった幼児教育を巡る様々な課題に対応する力を養うため、より上位の幼稚園教諭免許状の取得や、小学校教諭免許状や保育士資格の併有を促進することが重要である。 ○ 特に、現在、幼稚園教諭は二種免許状所有者が中心であり、他の学校種と比べてもその割合が高い状況にある。より上位の免許状の取得促進については、都道府県において、各地域における養成校等と連携し、より上位の免許状の取得に係る単位修得に資する認定講習等を開設し、幼稚園教諭の専門性の向上に向けた環境整備を図ることが期待される。 ○ また、幼稚園教諭の教職課程を有する大学等においては、小学校教諭免許状や保育士資格の併有を希望する学生にも配慮した体系的な教育課程の編成が望まれる。
幼児教育の質の向上16 2026/02/16 (2)研修の充実等による資質の向上 ○ 研修と通常の保育活動、園内研修と園外研修、さらには法定研修、幼児教育関係団体が実施する研修など、それぞれの機能や位置付けを構造化し、効果的な研修を行うことが重要である。加えて、短時間であっても、日々の保育を振り返り、教育課程の改善・充実に向けた園全体でのカリキュラム・マネジメントの実施につなげられるよう、教職員間で意見交換等を行うことは重要である。 ○ 効果的な研修の実施・普及に当たっては、例えば、研修内容を体系的に整理した研修俯瞰図を基に、一人一人の教職員が自らの研修履歴を継続的に記録できる仕組みを構築することも有効である。 ○ さらに、施設類型、規模、職員体制や地域の実情が多様な中、単に経験年数という枠組みだけでなく、園で担っている役割に応じた研修プログラムを構築することが重要である。 ○ 初任、中堅、管理職等といった各職階・役割に応じた研修体系の構築を行い、それぞれの段階で求められる資質を明らかにし、キャリアステージ毎の十分な研修機会を確保することが必要である。例えば、中堅前期の教職員には、自らの実践に自信を持ち、若手教職員のモデルとして実践の中核を担えるようになるための研修が必要であり、中堅後期の教職員に対する研修においては、園運営の一翼を担う自覚を持ち、小学校、保護者、地域、特別支援教育などの他分野の専門家との連携や、視野を広げることが必要である。 ○ また、教職員の資質向上を図り、その能力を十分に発揮できる環境を整備するため、管理職や経営者がマネジメント能力の向上や意識改革を図ることができるよう、管理職や経営者に対する研修の充実を図ることも重要である。 ○ さらに、キャリアステージに応じた研修のみならず、出産・育児からの復帰という女性のライフステージに合わせた研修プログラムの提供も必要である。 ○ とりわけ幼児教育施設の教職員においては若い世代の入れ替わりが多く、各幼児教育施設おいては、経験に基づく知見が蓄積されにくい状況にあることを踏まえ、経験の浅い教職員に対しては、経験に基づき、指導方法等について的確かつ具体的な指導・助言等ができる者を配置・派遣するとともに、国や地方公共団体、研究機関等が幼児期の発達の特性や幼稚園教育等における教職員の役割に関する実践事例や最新の知見の提供を行うなど、指導方法等に関して実践の上で参考となる情報の提供を行うことができるよう、きめ細やかな支援・研修体制を整備することが必要である。 ○ また、個々の地域の実情により十分な研修を行うことが困難な場合も考えられることから、大学や幼児教育関係団体等とも連携しつつ、ICTを活用した研修教材等の開発を行うことも重要である。
幼児教育の質の向上15 2026/02/13 (1)処遇改善をはじめとした人材の確保 ○ 子供の育ちを巡る環境の変化等に対応しながら、質の高い幼児教育を推進するためには、教職員の資質向上と優れた人材を計画的に確保することが必要である。 ○ このため、教職員の給与等の処遇や配置の改善など必要な施策を引き続き実施するとともに、組織体制の整備等により、教職員が各々の能力を十分に発揮できる環境を整備することが重要である。 ○ また、幼稚園教諭については、新規採用の促進、離職防止・定着促進、離職者の再就職の促進といった各地域における先導的な人材確保に向けた取組について支援を行うとともに、好事例の普及を行うことが重要である。 ○ これまで、こうした取組は地域の幼児教育関係団体等が中心となり実施してきたが、近年、幼稚園教諭の確保が困難になっている上、地方公共団体が質の高い幼児教育の提供体制の確保を行うためには、それを支える幼稚園教諭の確保も併せて計画・実施することが必要である。このため、地方公共団体が主導して幼児教育関係団体や幼稚園教諭の教職課程を有する大学等と連携し、総合的な人材確保策を推進していくことが求められている。 ○ 幼稚園教諭の再就職の観点からは、例えば、離職中にインターネットを利用した通信教育型の免許状更新講習が受講しやすい環境を醸成し、復職を促進するといった取組も重要である。 ○ さらに、中長期的な視点から、豊かな資質を持つ人材を幅広く確保すべく、教育委員会と幼稚園教諭の教職課程を有する大学等が連携して、高校等のキャリア教育の指導計画等に位置付けられた活動等を通じて、高校生等の段階から幼児教育に対する理解や関心を高め、幼稚園教諭の志望者を増やしていくことも重要である。