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園からの発信

教育・保育要領解説14

2023/12/27

② 乳幼児期にふさわしい生活の展開

イ 友達と十分に関わって展開する生活

乳幼児期には、次第に園児は自分以外の園児の存在に気付き、友達と遊びたいという気持ちが高まり、友達との関わりが盛んになる。相互に関わることを通して、園児は自己の存在感を確認し、自己と他者の違いに気付き、他者への思いやりを深め、集団への参加意識を高め、自律性を身に付けていく。このように、乳幼児期には社会性が著しく発達していく時期であり、友達との関わりの中で、園児は相互に刺激し合い、様々な物や事柄に対する興味や関心を深め、それらに関わる意欲を高めていく。それゆえ、園生活では、園児が友達と十分に関わって展開する生活を大切にすることが重要である。

 

子どもの発達において、自分以外の存在に気づくことが大切で、友達と遊びたいという気持ちの高まりによって、関わりが生まれます。その際どうしても密になりすぎて、さらには他者との対応を学ぶ時期でありトラブルも起こります。そこで初めて他者との違いに気づき、思いやりや譲り合うことなどを学んでいきます。子ども同志の関わりこそ集団生活である保育施設での大切な学びであります。

 

教育・保育要領解説13

2023/12/26

(4) 幼保連携型認定こども園における教育及び保育の基本に関連して重視する事項

② 乳幼児期にふさわしい生活の展開

ア 興味や関心に基づいた直接的、具体的な体験が得られる生活

乳幼児期の生活は、そのほとんどは興味や関心に基づいた自発的な活動からなっている。この興味や関心から発した直接的で具体的な体験は、園児が発達する上で豊かな栄養となり、園児はそこから自分の生きる世界について多くのことを学び、様々な力を獲得していく。興味や関心から発した活動を十分に行うことは、園児に充実感や満足感

を与え、それらが興味や関心を更に高めていく。それゆえ、園生活では、園児が主体的に環境と関わり、十分に活動し、充実感や満足感を味わうことができるようにすることが大切である。

 

直接的で具体的な体験が、子どもの成長にとって大切であります。例えば、図鑑で動物を見るとしましょう。これだけでなく動物園等に出かけ実際に見るといったことが、豊かな栄養となる。そこから興味や関心が深まるものと思われます。様々な体験をすることが乳幼児期にとって大切なことと考えます。大人からすれば些細なことかもしれない体験も充実感や満足感を味わうことができるのです。

 

 

教育・保育要領解説12

2023/12/25

第1節幼保連携型認定こども園における教育及び保育の基本及び目標等

1 幼保連携型認定こども園における教育及び保育の基本

(4) 幼保連携型認定こども園における教育及び保育の基本に関連して重視する事項

環境を通して教育及び保育を行うということは園児の生活を大切にすることである。乳幼児期には特有の心性や生活の仕方がある。それゆえ、幼保連携型認定こども園で展開される生活や指導の在り方は乳幼児期の特性にかなったものでなければならない。このようなことから、特に重視しなければならないこととして、「安心感と信頼感をもっていろいろな活動に取り組む体験を十分に積み重ねられるようにすること」、「乳幼児期にふさわしい生活が展開されるようにすること」、「遊びを通しての総合的な指導が行われるようにすること」、「園児一人一人の特性や発達の過程に応じた指導が行われるようにすること」の4点が挙げられる。

これらの事項を重視して教育及び保育を行わなければならないが、その際には、同時に、保育教諭等が園児一人一人の行動の理解と予想に基づき、計画的に環境を構成すべきこと及び保育教諭等が園児の活動の場面に応じて様々な役割を果たし、園児の活動を豊かにすべきことを踏まえなければならない。

乳幼児期の教育及び保育は、将来への見通しをもって、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものである。

① 安心感と信頼感をもっていろいろな活動に取り組む体験

乳幼児期は、自分の存在が周囲の大人に認められ、守られているという安心感から生じる安定した情緒が支えとなって、次第に自分の世界を拡大し、自立した生活へと向かっていく。同時に、園児は自分を守り、受け入れてくれる大人を信頼する。すなわち大人を信頼するという確かな気持ちが園児の発達を支えているのである。この時期、園児は自ら世界を拡大していくために、あらゆることに挑戦し、自分でやりたいという気持ちが強まる。その一方で、信頼する大人に自分の存在を認めてもらいたい、愛されたい、支えられたいという気持ちをもっている。したがって、園生活では、園児は保育教諭等を信頼し、その信頼する保育教諭等によって受け入れられ、見守られているという安心感をもつことが必要である。その意識の下に、必要なときに保育教諭等から適切な援助を受けながら、園児が自分の力でいろいろな活動に取り組む体験を積み重ねることが大切にされなければならない。それが自立へ向かうことを支えるのである。

 

安定感と信頼感をもって子ども達が活動や体験を重ねられるようにするには、保育者の人的環境や普段からの信頼関係がなければ成り立ちません。指導においても保育者主導や一方的な考えや指導者個人の概念でもありません。現行の社会においてのあたりまえを重視しつつ、個々の特性や発達を理解して行われるものだと受け止めています。昔はこうだったとの経験や勘での教え込みでもありません。これまでの保育を否定されるものでもなく、時代に沿った指導が必要です。

 

教育・保育要領解説11

2023/12/22

第1節幼保連携型認定こども園における教育及び保育の基本及び目標等

1 幼保連携型認定こども園における教育及び保育の基本

(3) 幼保連携型認定こども園における指導の意義

一般に「指導」という場合、幼保連携型認定こども園における指導は、園生活全体を通して園児の発達の実情を把握して園児一人一人の特性や発達の課題を捉え、園児の行動や発見、努力、工夫、感動などを温かく受け止めて認めたり、共感したり、励ましたりして心を通わせ、園生活の流れや発達などに即した具体的なねらいや内容にふさわしい環境を設定し、園児の展開する活動に対して必要な助言・指示・承認・共感・励ましなどが含まれる。

こうした指導は、乳幼児の理解に基づく指導計画の作成、環境の構成と活動の展開、園児の活動に沿った必要な援助的な関わり、評価に基づいた新たな指導計画の作成といった循環の中で行われるものである。教育・保育要領第1章第2の2(3)クでは「園児の主体的な活動を促すためには、保育教諭等が多様な関わりをもつことが重要であることを踏まえ、保育教諭等は、理解者、共同作業者など様々な役割を果たし、園児の情緒の安定や発達に必要な豊かな体験が得られるよう、活動の場面に応じて、園児の人権や園児一人一人の個人差等に配慮した適切な指導を行うようにすること。」としている。このため、保育教諭等は、主体的な活動を通して園児一人一人が着実な発達を遂げていくために、園児の活動の場面に応じて様々な役割を果たしつつ、適切な指導をしていかなければならない。幼保連携型認定こども園における教育及び保育において、指導上、保育教諭等が担う役割は極めて重要なのである。

 

指導は、相手に対して一方的に知識や技能を与えるものであるという受け止め方をされることもあるが、乳幼児保育においては、園児の展開する活動に対して必要な助言・指示・承認・共感・励ましなどが含まれる。とされています。一部学校ではいまだに「指導」の目的は極端に言えば「矯正」させるべく言葉にも聞こえます。時代に合わせた指導が大切であり、乳幼児期には適切な助言や励まし、共感であるべきです。教職員保育者もアップデイトしていかなくてはなりません。

 

教育・保育要領解説10

2023/12/21

(2) 環境を通して行う教育及び保育

③ 環境を通して行う教育及び保育の特質3

環境を通して行う教育及び保育において、園児が自ら心身を用いて対象に関わっていくことで、対象、対象との関わり方、さらに、対象と関わる自分自身について学んでいく。園児の関わりたいという意欲から発してこそ、環境との深い関わりが成り立つ。この意味では、園児の主体性が何よりも大切にされなければならない。

そのためには、園児が自分から興味をもって、遊具や用具、素材についてふさわしい関わりができるように、遊具や用具、素材の種類、数量及び配置を考えることが必要である。このような環境の構成への取組により、園児は積極性をもつようになり、活動の充実感や満足感が得られるようになる。園児の周りに意味のある体験ができるような対象を配置することにより、園児の関わりを通して、その対象の潜在的な学びの価値を引き出すことができる。その意味においては、テーブルや整理棚など生活に必要なものや遊具、自然環境、保育教諭等の間での協力体制など園全体の教育及び保育の環境が、園児にふさわしいものとなっていかどうかも検討されなければならない。

環境との関わりを深め、園児の学びを可能にするものが、保育教諭等の園児との関わりである。保育教諭等の関わりは、基本的には間接的なものとしつつ、長い目では乳幼児期に園児が学ぶべきことを学ぶことができるように援助していくことが重要である。また、園児の意欲を大事にするには、園児の遊びを大切にして、やってみたいと思えるようにするとともに、試行錯誤を認め、時間を掛けて取り組めるようにすることも大切である。

保育教諭等自身も環境の一部である。保育教諭等の動きや態度は園児の安心感の源であり、園児の視線は、保育教諭等の意図する、しないに関わらず、保育教諭等の姿に注がれていることが少なくない。物的環境の構成に取り組んでいる保育教諭等の姿や同じ仲間の姿があってこそ、その物的環境への園児の興味や関心が生み出される。保育教諭等がモデルとして物的環境への関わりを示すことで、充実した環境との関わりが生まれてくる。

 

保育教諭等の関わりは、基本的には間接的なものとしつつ、長い目では乳幼児期に園児が学ぶべきことを学ぶことができるように援助していくことが重要であり、園児の意欲を大事にするには、園児の遊びを大切にして、やってみたいと思えるようにするとともに、試行錯誤を認め、時間を掛けて取り組めるようにすることも大切である。時間を決めることも大切ですが、乳幼児期にはじっくり満足いくまで遊びを堪能することも必要です。

 

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