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園からの発信

教育・保育要領解説26

2024/01/19

① 園児の主体的な活動と環境の構成 3

このように、園児の主体的な活動のための環境を構成することは、一言でいえば、園児を理解することにより可能となる。その時期の園児の環境の受け止め方や環境への関わり方、興味や関心の在り方や方向、一日の生活の送り方などを理解し、そこから園児一人一人にとって必要な経験を考え、適切な環境を構成するのである。ここで念頭に置かなければならないことは、保育教諭等自身が重要な環境の一つであることである。乳幼児期には、一緒に生活している大人の影響を特に強く受ける。先に述べたように、保育教諭等の身の置き方や行動、言葉、心情、態度など存在そのものが園児の行動や心情に大きな影響を与えている。したがって、保育教諭等は自分も園児にとって環境の非常に重要な一部となっていることを認識して環境の構成を考える必要がある。

このようにしてあらかじめ構成された環境の下で、園児は主体的に環境と関わり、活動を展開する。主体的に関わるとは、園児なりに思いや願いをもち続け、関わっていくことである。園児の興味や関心は次々と変化したり、あるいは深まったり、発展していく。それに伴って環境の条件も変わらざるを得ない。それゆえ、環境が最初に構成されたまま固定されていては、園児の主体的な活動が十分に展開されなくなり、経験も豊かなものとはならない。したがって、構成された環境はこのような意味では暫定的な環境と考えるべきであり、保育教諭等は園児の活動の流れや心の動きに即して、常に適切なものとなるように、環境を再構成していかなければならないのである。

 

できるようになったら次にまた新しいものに挑戦したい思いや発展的な遊びにするためには更なる環境整備も必要です。年中季節が変わろうがそのままの環境では子どもの発達を促すことさえできないことになります。また無機質で何もないといった空間では子どもの発達は期待できないかもしれません。子どもの興味関心や発達を促すための仕掛けも必要です。また、最初から完璧に設定できるものでもありません。日々過ごす中で敏感になって環境を整えることが大切であると思います。

教育・保育要領解説25

2024/01/18

① 園児の主体的な活動と環境の構成 2

園児が主体的に活動できる環境を構成するためには、園児の周りにある様々な事物、生き物、他者、自然事象・社会事象などが園児一人一人にどのように受け止められ、いかなる意味をもつのかを保育教諭等自身がよく理解する必要がある。環境を構成するためには、遊具や用具、素材など様々な要素が、遊びを通して園児の発達にどう影響するかを考える必要もある。また、遊びの中での事物や事象との関わりが、発達の過程でどのような違いとなって表れるかを知らなければならない。例えば、砂と土では、それぞれ固有の性質があり、そこから引き出される遊びの展開には違いが見られる。また、砂で遊ぶときにも発達の過程によって関わりは異なってくる。同じ事物でも園児の発達によって関わり方は異なり、また、同じ場であっても、園児のそのときの状況によって異なる。砂場が一人で安心していられることを求める場であったり、いろいろな型に詰めて形を作ることができるという砂のもつ面白さにひかれる場であったり、また、友達と一緒にトンネルを掘ることを楽しむ場であったりする。園児の行動や心情によって、同じ場や素材でもそこで園児が経験するものは違っている。したがって、保育教諭等の援助もそれぞれにふさわしいものに変えなければならない。園児の興味や関心に即しながらも、その時期にその園児の中にどのような育ちを期待したいか、そのために必要な経験は何かを考え、その経験が可能となるように環境を構成していくことが大切である。

 

園児の主体性を育むために目の前の子どもを理解し、その時期に必要な環境を整備する、準備することで子どもがそのことに関わりやすくしてくことも必要です。ふさわしい援助が適切に行われるよう一人一人を理解して環境構成を行いたいと思います。

 

教育・保育要領解説24

2024/01/17

① 園児の主体的な活動と環境の構成

園児が意欲をもって積極的に周囲の環境に関わっていくこと、すなわち、主体的に活動を展開することが乳幼児期の教育及び保育の前提である。園児が主体的に活動を行うことができるか否かは環境がどのように構成されているかによって大きく左右される。園児が興味や関心をもち、思わず、関わりたくなるような人やもの、事柄があり、さらに、興味や関心が深まり、意欲が引き出され、意味のある体験をすることができるように適切に構成された環境の下で、園児の主体的な活動が生じる。そして、その基礎には安心感や安定感がある。例えば、ジャングルジムの1番上まで登ってみたいと興味を示しても、恐怖心や自分にできるだろうかという不安から取り組むことをためらっている園児がいる。このときに自分を守ってくれていると感じられる保育教諭等のまなざしや励ましの言葉、楽しそうにジャングルジムに登り始めた友達の姿や友達からの誘いがあることなどによって、園児は活動を始める。

 

ここにも保育教諭等が園児の行動に温かい関心を寄せる、心の動きに応答する、共に考えるなどの基本的な姿勢が大切ですね。子どもの行動に常に見守られているという安心感、もちろん行き過ぎた行動には注意を促すことも必要です。はじめからこれはダメ、あれもダメでルールに縛られすぎると子どもの行動を制限することになり、真のやってみたいといった行動にはならないと考えます。やってみて行き過ぎた行動には注意を促す姿勢で関わる必要があります。一人一人の成長過程を捉え、理解し、子どもの主体性を大切にしたいです。

 

教育・保育要領解説23

2024/01/16

( 5 ) 計画的な環境の構成

幼保連携型認定こども園における教育及び保育は、園児自らが積極的に事物や他者、自然事象、社会事象など周囲の環境と関わり、体験することを通して、生きる力の基礎を育て、発達を促すものである。

園児は遊ぶことが好きであるからといって、保育教諭等は園児の遊びを放っておいてよいわけではない。なぜなら、園児は常に積極的に環境に関わって遊び、望ましい方向に向かって発達していくとは限らないからである。園児が望ましい方向に向かって発達していくということは、幼保連携型認定こども園における教育及び保育の基本に示された方向に向かって発達していくことである。どのような環境にいかに関わるかを、全て園児自身に委ねていたのでは、偶然の出来事に頼ることとなり、発達に必要な体験を保障することが困難な場合も生じてくる。また、園児は一人一人興味や関心を向けるものが異なる。保育教諭等は、園児が必要な経験を積み重ねていくことができるように、発達の道筋を見通して、教育的及び保育的に価値のある環境を計画的に構成していかなければならない。園児一人一人が関わっている活動の各々の展開を見通すとともに、学期、年間、さらに、入園から修了までの園生活、修了後の生活という長期的な視点に立って園児一人一人の発達の道筋を見通して現在の活動を位置付け、園児の経験の深まりを見通すことが大切である。そして、望ましい方向へ向かうために必要な経験ができるよう環境を構成していく必要がある。

見通しをもち、計画を立てることによって初めて、園児が今経験していることの意味を理解し、発達を促す関わりや環境の構成を考えることができる。しかし、園児の活動の展開は多様な方向に躍動的に変化するものであり、常に見通しと一致するわけではない。したがって、計画を立てて環境を構成すればそれでよいというわけではない。常に活動に沿って環境を構成し直し、その状況での園児の活動から次の見通しや計画をもち、再構成し続けていくことが必要となるのである。

 

好きなように自由に遊ぶことも大切です。一人で遊び、徹底して満足いくまで遊び込むことも必要でしょう。そのことに加えて友達と自分たちのルールを作って、さらには共同的な遊びをしていくことも大切です。そこで保育者が見通しをもって、発達を促す環境を整えて得られるものは偶発的ではなく意図した方向となりますが、こういった遊びの積み重ねによって経験の深まりにつながるように感じます。好きなように自由に、に加えて意図性を持った環境整備の大切さを意識して取り組みたいですね。

 

教育・保育要領解説22

2024/01/15

④ 園児一人一人の発達の特性に応じた指導

ウ 園児一人一人に応じるための保育教諭等の基本姿勢

④イに述べたように、園児一人一人に応じた指導をするには、保育教諭等が園児の行動に温かい関心を寄せる、心の動きに応答する、共に考えるなどの基本的な姿勢で教育及び保育に臨むことが重要である

また、保育教諭等がこのような基本的な姿勢を身に付けるためには、自分自身を見つめることが大切である。

園児一人一人に応じた適切な指導をするために、保育教諭等は園児一人一人の発達の姿や内面を理解する必要があるが、保育教諭等の目の前に現れる園児の姿は保育教諭等との関わりの下に現れている姿でもある。ところが、園児の中に入っているとき、保育教諭等は自分がどういう在り方をしているのか十分意識しているわけではない。例えば、泥遊びの場面を見ると、園児から身を引いているかもしれない。

このように、保育教諭等には、必ずしも自覚していない仕方で園児に関わっている部分がある。それが園児の姿に影響を及ぼしていることが十分考えられるのである。それゆえ、園児の姿を理解しようとするならば、保育教諭等は園児と関わっているときの自分自身の在り方や関わり方に、少しでも気付いていく必要がある。実際に行った園児との関わりを振り返り、自分自身を見つめることを通して、自分自身に気付いていくことができるのであり、繰り返し、そのように努めることで、園児一人一人に応じたより適切な関わりができるようになるのである。

また、保育教諭等は自分の心の状態を認識し、安定した落ち着いた状態でいられるように努めることも大切である。

 

保育教諭等の基本姿勢が明記されています。園児の行動に温かい関心を寄せる、心の動きに応答する、共に考えるなどの基本的な姿勢とされていることから、一昔前の一斉的で画一した教育・保育を保育者主導で行うことは時代錯誤です。させる、やらせるではなく、主体は子どもです。これは保護者においても同じことが言えるのではないでしょうか。子どもの意思を尊重しない、親の意思だけで子どもにさせる、やらせるではなく、子どもの気持ち、思いを尊重することが大切です。大人のさせたい思いの押し付けでなく、させたいと思えば、子どもとしっかり話をして、押し付けでないことが大切です。やらせたい経験があれば、興味を持つような誘導もありだと思いますが、決定権は子どもに委ねることが大切なように思います。子どもであろうが、一人の人としての人権意識が大切です。また、逆に子どもが出来ないことを子どもの責任にする。これもいかがなものでしょう。特に学校生活等において子どもの行動に対して、子どもがそうしたからとか、子どもに責任がある、として教育者が責任を逃れることは無責任であり、子どもの責任に押し付けてしまうことは残念な行為です。自己保身に走ることはいかがなものでしょう。恥ずかしい行為です。しっかり子どもと向き合っていくようにすることが大切です。

 

 

 

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