教育振興基本計画36 2025/03/18 Ⅱ.今後の教育政策に関する基本的な方針 ④教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進 (各学校段階における教育DXの推進) ○また、誰一人取り残されず、全ての人の可能性を引き出すための教育を実現する観点から、遠隔・オンライン教育やデジタル機器の機能を最大限に活用して誰もが質の高い教育を受ける機会を確保することが重要である。 ○さらに、子供の貧困や虐待、いじめなどの困難の中には実態が見えにくく、子供に支援が届きにくいという課題がある中で、関係機関とも連携して学校の福祉的役割19をより発揮していくためには、自治体においてデータを連携させることで子供のSOSを把握し、プッシュ型支援につなげていくことが重要である。 ○生成AIについては、教育現場での利用により効果をもたらす可能性と生じうるリスクを踏まえて対応することが必要である。 ○データの利活用に当たっては、個人情報の適正な取扱いとデータの活用のバランスが問題となる。今後、DXの推進により更に充実した指導や支援が提供されていくことに鑑みれば、安心・安全を確保した上で、よりデータの利活用を図っていく方向で検討を進めるべきである。その際、保護者等に対するデータ利活用のメリットや技術的な安全性等についての説明を行うことにより理解を得ていくことが求められる。 ○DXの推進のプロセスにおいては、国や地方公共団体の各レイヤーでルールや標準化を進めるとともに、個々の学校においてその権限に基づき業務フローの改善を行うという、両輪で推進していくという視点も重要である。
教育振興基本計画35 2025/03/17 Ⅱ.今後の教育政策に関する基本的な方針 ④教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進 (各学校段階における教育DXの推進) ○初等中等教育においては、学習の基盤となる資質・能力としての情報活用能力を育成するとともに、そのための教師の指導力向上・ICT環境整備の更なる充実が求められる。また、デジタル教科書・教材・学習支援ソフトの活用に向けた取組の推進、クラウド活用による次世代の校務DXを通じた教育データの利活用や学校における働き方改革にも取り組む必要がある。 ○高等教育においては、コロナ禍において世界的に遠隔・オンライン教育が進展し、高等教育の新たな可能性を開くものとなった。面接授業と遠隔授業を効果的に組み合わせたハイブリッド型教育やデジタルを活用した教育の高度化を図るとともに、データサイエンス等の履修促進などを進めることが求められる。また、社会のDXを支えるDX人材の養成も重要である。 ○生涯学習においては、遠隔・オンライン教育の活用による受講の利便性の向上や学習履歴の可視化におけるデジタル技術の活用を推進すべきである。また、公民館や図書館等の社会教育施設におけるデジタル基盤の強化やデジタル教育の充実も求められる。 ○これらの取組の推進に当たっては、デジタル社会の正負の側面にも留意しつつ、デジタルリテラシーやサイバーセキュリティの知識を身に付け、自分で考え行動できる力を育むことも求められる。その際、地域や学校間の格差拡大につながらないよう、十分な支援が必要である。
教育振興基本計画34 2025/03/14 Ⅱ.今後の教育政策に関する基本的な方針 ④教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進 ○教育DXを推進していくためには、①教育データの標準化などの共通的なルールの整備、②基盤的ツールの開発・活用、③教育データの分析・利活用について、可能な部分から着手し全国的な仕組みにつなげていく必要がある。 ○GIGAスクール構想による1人1台端末の実現をはじめ、第3期計画期間中に全国の小中高等学校等におけるICT環境整備は飛躍的に進展した。これにより第1段階の準備は整ったところである。今後は、全ての学校において第1段階を着実に実行しつつ、当面、第3段階を見据えながら、全国全ての学校で、第1段階から第2段階への移行を着実に進めることが求められる。その際、デジタル技術とデータを活用して知見の共有と新たな教育価値の創出を目指す将来的な第3段階の構想について、ICT活用やデータ利活用のイメージを教育行政や教師をはじめとする教育関係者が共有した上で取組を進めるとともに、第3段階に相当する先進事例の創出に取り組むことが重要である。イメージは、利活用の場面(教育や学習のリソースとしてのデジタルの活用、教育データの利活用など)の分類・整理をした上で示すとともに、そこに至るまでにクリアすべきハードル・時間軸を整理していくことが有用である。また、DX時代の到来に備えて、制度設計を見直していく検討も求められる。 ○DXの推進に当たっては、デジタル機器・教材の活用はあくまで手段であることに留意することが必要である。教育DXを進めた上で、デジタルも活用して問題解決や価値創造ができる人材の育成こそが目指されるべきである。
教育振興基本計画33 2025/03/13 Ⅱ.今後の教育政策に関する基本的な方針 ④教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進 (DXに至る3段階) ○新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、世界全体にデジタル化の飛躍的進展をもたらした。今後、社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)、メタバース活用、Web3.0等の推進に向けた環境整備が加速していく中で、教育の分野においてICTを活用することが特別なことではなく「日常化」するなど、デジタル化を更に推進していくことが不可欠である。 ○デジタル化には一般に「デジタイゼーション」、「デジタライゼーション」、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の3段階があると言われている。 第1段階のデジタイゼーションは紙の書類などアナログな情報をデジタル化することを表し、例えば紙のプリントをデジタル化して配信することがこれに該当する。 第2段階のデジタライゼーションは、サービスや業務プロセスをデジタル化することを表し、例えば紙の教材を組み合わせている現状から、デジタル教材のリコメンドを参考に教材の最適な選択を行うことができるようになることがこれに該当する。 第3段階のデジタルトランスフォーメーションは、デジタル化でサービスや業務、組織を変革することを指し、例えば教育データに基づく教育内容の重点化と教育リソースの配分の最適化が該当する。
教育振興基本計画32 2025/03/12 Ⅱ.今後の教育政策に関する基本的な方針 ③地域や家庭で共に学び支え合う社会の実現に向けた教育の推進 (生涯学習社会の実現、障害者の生涯学習の推進) ○生涯学習は、一人一人が豊かな人生を送ることができるよう、個人の自発的意思に基づいて行うことを基本として、生涯を通じて行うものである。教養を高め、多様な人々と出会い、自己実現を図るための学習は、長寿化が進展する人生100年時代において、生涯を通じたウェルビーイングの実現につながる重要な意義を有するものである。子供や若者、社会人、高齢者など、年齢を問わず学び続け、生涯学習を通じて自らの向上や地域や社会への貢献の意欲を持ち、当事者として地域社会の担い手となる人を尊重する社会が目指されるべきであり、そのために社会教育が果たす役割は大きい。 ○また、障害者の生涯学習機会が不足している状況にあり、機会拡充に向けて一層推進していく必要がある。国や地方公共団体において、障害者の生涯学習の推進を生涯学習・社会教育推進施策として明確に位置付けるとともに、その担い手の人材育成・確保や理解促進のための取組を促進していくことが求められる。