幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 28 2024/11/07 ○ なお、小学校段階では生徒指導上の諸課題への対応が求められているが、生徒指導では、子供の自発的・主体的な成長や発達を支えることが大切である。 このような考え方に立てば、幼児期において、信頼する大人との温かな関係の中で、子供が自己を発揮しながら、他の子供や地域の人々との関係を深めていくことが重要であり、幼児教育の成果が小学校教育へと引き継がれ、子供の発達や学びが連続するようにする必要がある。そのためには、幼保小の先生が、子供がどのように友達のよさや自分のよさ、可能性に気付き、人に対する信頼感や思いやりの気持ちを持てるようになるか、また、現在どのような課題を有しているか等について対話を行い、相互理解を深めることも大切である。 ○ このほか、小学校において、感情をコントロールできない、集中力が持続しないなどといった子供への対応については、脳科学や発達心理学といった様々な研究分野の知見や専門家の助言等を参考にしながら、子供一人一人の特性に応じた指導を行うことが重要である。 生徒指導と聞くと、どうしても生活態度や服装チェックばかりを想像してしまいます。生徒の家庭環境や背景を把握したうえで、子どもの自発的・主体的な成長や発達を支える視点と書かれているので、そう願いますね。どうしても見た目だけを判断し、背景の把握につながっていないし、そういった子どもの環境を理解できない方が生徒指導となると成長を支える支援することにはつながりませんよね。昔の生徒指導と違っているはずですが、よくある「中学生らしい態度」、とかよく言われていますよね。主体が教員側にしかない、ではないはずです。一人一人に寄り添うとはどういうことかも考えて頂きたく思います。子どもの良さを引き出すのも生徒指導の役割ではないでしょうか。また、型にはまらないとすぐに発達に問題があるのではないかといった視点でみられることもありますが、排他せず良さを引き出すことが大切であり、インクルーシブとはなにかも現場では考えていく必要があります。
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 27 2024/11/06 ○ このような架け橋期の継続的なPDCAサイクルを構築していくためには、幼保小の接続担当を園務・校務の分掌に位置づけ、幼保小の合同会議等をオンラインも適宜活用しながら定期的に開催するなど、幼保小の対話を継続するための工夫が必要である。その際、幼保小の合同会議では、参加者が互いに尊重し合いながら率直に語り合い、架け橋期という重要な時期を担う仲間として学び合えるような同僚性を形成しながら対話を行うことが重要である。また、架け橋期のカリキュラムに取り組む意義やねらい、子供の変容等について共有を図りつつ、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」等を活用しながら具体的に話し合い、目の前の子供の実態に応じて、架け橋期のカリキュラムの実践・改善等を行っていくことも大切である。 ○ さらに、このように継続的に行われる対話においては、幼保小だけでなく、「社会に開かれたカリキュラム」の観点から、コミュニティ・スクール等を活用し、保護者や地域住民の参画を得る仕組みとしていくことが重要である。その際、幼児教育施設における遊びは、先生の意図的、計画的な教育であることが保護者や地域住民には伝わりにくいため、遊びを通した学びが小学校以降の教育の基盤につながっていくことについて、幼保小が連携して発信することが重要である。 担任以外の接続担当者の創設。学校も同じですが、そういった多様な人材や余裕の人材を確保することができない現状があります。学校もそうですが就学前の施設においても質の向上かつ多様な人材の確保ができる体制も必要です。その上でのICTの活用も出てくるのではないでしょうか。子ども達が十分に質の高い保育を受け、学校と対話のできる体制作りから早急に整備して頂きたい事項であります。学校も就学前の施設も目の前の業務に追われているだけの状況の打破を願うところです。
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 26 2024/11/05 (イ)架け橋期の教育の評価、家庭・地域との連携 ○ 架け橋期のカリキュラムを作成した後は、その実効性を高めていくため、幼保小が架け橋期の教育や子供の姿等を共に振り返り、教育の改善・充実につなげていくことが重要である。 ○ 具体的には、架け橋期のカリキュラムにおいて明確化された資質・能力がどのように育まれたかについて、小学校1年生の修了時期を中心に幼保小が共に振り返り、架け橋期の教育目標や日々の教育活動を評価することが考えられる。また、当該評価を踏まえて、幼保小それぞれの教育の充実(各幼児教育施設・小学校の教育課程編成や指導計画作成等)につなげていくことが期待される。 繰り返しになりますがこの部分、「幼保小が共に振り返り、架け橋期の教育目標や日々の教育活動を評価」することがそれぞれできていない。一つは学級担任制によってクラスの子ども把握をされているのが担任一人である。移動等がある。将来的にクラウド利用で一人一人の成長記録等を見ることができる。聞くことができる体制も必要ではないでしょうか。そのためには、私学であれ公立であれ、育ちに関しての管轄を撤廃する必要がある。情報漏洩の厳しい喜寿も必要であります。さらには、互いが幼児教育、学校教育の要領を理解する必要もあります。別の意味での質の向上や表示方法など相当な学力も必要なのではないでしょうか。さらに言えば就学前の施設においても私立公立の違いだけでなく認可、認可外といったこともあります。認可においては保育士資格等を有していますが、いわゆる託児施設ではそのような3指針要領とは無関係に「預かり」が行われていることもポイントです。
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 25 2024/11/01 ○ なお、小学校入学当初は、生活科を中心としたスタートカリキュラムの編成・実施により、幼児期の生活に近い活動と児童期の学び方を織り交ぜながら、幼児期の豊かな学びと成長を踏まえて、子供が主体的に自己発揮できるような場面を意図的につくることが求められている。小学校においては、架け橋期のカリキュラムの実効性を高めるためにも、幼児教育と小学校教育の円滑な接続において重要な役割を担うスタートカリキュラムの位置付けを再確認し、架け橋期のカリキュラムを踏まえた教育課程の編成・実施・改善を進める中で、スタートカリキュラムの充実を図ることが必要である。 ○ また、幼保小の相互理解を図るためには、自分が所属する幼児教育施設又は小学校の教育内容等を相手に伝えるだけでなく、相手の教育内容や指導方法を理解し、自らの指導を見直し工夫することが求められる。異なる施設類型や学校種の教育内容や指導方法を理解し、指導の見直しや工夫を行うことは、幼児教育施設や小学校の先生の双方にとって、自らの指導や子供の学びを豊かにする貴重な機会につながると考えられる。 〇 さらに、幼児教育施設においては、私立が多く、また複数の施設類型が存在し、それぞれが特色ある幼児教育を展開していることから、小学校教育との接続の基盤となる幼児教育施設間の横の連携強化に取り組むことも重要である。 学校の先生が保育施設の保育を踏まえてくれるだろうか?保育施設においても学校先生と同じ土俵で子どもの育ちを伝え、互いに共有することができるだろうかといったことがこれまでの歴史です。歴史を大きく変えることができれば潤沢な架け橋になると思います。どうやら保育施設の3指針・要領に学校教育のスタートを合わせる工夫や改善が必要なのかもしれません。そこはこれまで培ってきた学校教育・文科省といった枠がどうなるかによるのではと考えます。明治からの歴史に風穴があくでしょうか?
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 24 2024/10/31 ○ その際には、幼児期の遊びを通した学びが小学校の学習にどのようにつながっているかについて、幼保小の先生が子供の姿の事例を通して、具体的に対話をすることが重要になる。例えば、幼児期に友達と集めた木の実の合計の数を数えたり、同数に分け合ったりすることは数への興味や関心を高め、小学校の算数の学習にもつながっていくものである。このような具体的な事例を用いて、大事にしている子供の経験等の対話を通じて相互理解を深めていくことが非常に重要であり、幼児期の興味や関心に基づいた多様な体験が小学校以降の学習や生活の基盤となること、ひいては言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等の持続可能な社会の創り手として必要な力の育成等につながっていくことについて共通理解を図ることが求められる。 「幼保小の先生が子供の姿の事例を通して、具体的に対話をすることが重要になる。」明記されていますが、対話なくとも子ども理解を示してくださればいいのですが、それは困難なことです。保育の立場からすると子ども一人一人の成長は乳児期からの連続であり、突然に何かを習得するものでもありません。さらには家庭の環境や育った環境、経験、体験の度合いで大きく違ってくるのです。そのことが成長においての速度も違ってくるのです。卒園の際にはそのような差が生じないよう個別に長い期間取り組んでいくこともあるのです。与えられて答えを出すだけの経験と人と関わりを多く持った生活では子どもの経験値も違ってくるのです。様々な経験や体験を通し、考えることや疑問に思うことに応えていく保育も必要です。子どもは個々に成長過程が違うのです。これが学校に行って型にはまらないと問題視されることにもつながっています。