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園からの発信

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン3

2024/07/22

はじめに3

○本ビジョンに基づき、このような社会への変革を着実に実現していくことにより、「こどもの誕生前から幼児期までの育ち」が一層大事にされるとともに、保護者・養育者、保育者、子育て支援者等が、社会からその尊い役割を応援され、安心してこどもの笑顔や成長を喜び合うことができる社会を、全ての人とともにつくっていくことが政府の責務である。

○本ビジョンに基づく社会全体の認識共有と、政府全体の取組を、こども施策の基本的な方針や重要事項等について定める「こども大綱」や次元の異なる少子化対策の実現に向けた「こども未来戦略」等と整合的に進めることにより、「こどもまんなか社会」の実現を強力に牽引する。

 

大人や社会がこの考えを根底に持つように周知啓発活動を積極的に展開していただきたいですね。そしてこの大綱やこどもまんなか社会に必要な財源にも大きく期待します。たとえば、子育てに経済負担がない社会、保育教育に費用が掛からない、充実した保育教育環境、仕事と育児の両立においても時間の制限であったり、仕事のキャリアが失われないようにすることなどこれまで取り組めなかったことから踏み出し、多くの取り組みにも期待したいです。もちろんその財源確保にもしっかり取り組んで欲しいと願います。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン2

2024/07/19

はじめに2

○そのため、こども家庭審議会において、内閣総理大臣からの諮問を受け、「幼児期までのこどもの育ち部会」において議論を行い、「幼児期までのこどもの育ち」に着目し、全ての人と共有したい理念や基本的な考え方が整理され、令和5年12月1日に答申がとりまとめられた。この答申を踏まえ、今般、政府において、社会全体の認識共有を図りつつ、政府全体の取組を強力に推進するための羅針盤として、「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン(はじめの100か月の育ちビジョン)」(以下「本ビジョン」という。)を策定することとした。本ビジョンは、人生の基盤的時期を過ごす乳幼児を含めた全世代の全ての人による、以下のような社会の実現を目指すものである。

・乳幼児を含めた全てのこどもが誰一人取り残されずに、権利主体として、命と尊厳と権利を守られる社会

・乳幼児の思いや願いが受け止められ、社会への参画が応援される社会

・乳幼児と保護者・養育者が安定した「アタッチメント(愛着)」を形成できる社会

・人や場との出会いを通して、豊かな「遊びと体験」が保障される社会

・保護者・養育者になる前から切れ目なく、様々な人や機会に支えられ、こどもとともに育ち、成長が支援・応援される社会

・各分野や立場を超えた認識共有により、乳幼児に関わる人が緊密に連携し、切れ目のない「面」での支援が実現できている社会

・乳幼児と全ての人がともに育ち合う好循環が続いていく社会

 

福祉の先進国である北欧においては、この「乳幼児を含めた全てのこどもが誰一人取り残されずに、権利主体として、命と尊厳と権利を守られる社会。乳幼児の思いや願いが受け止められ、社会への参画。」という言葉が根底にあります。すでにもう何十年も前からの理念の根底としていました。少子化に歯止めがかからない状況下でようやくこういった「誰一人取り残さない」「子どもの社会参画」となりました。ようやくです。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン1

2024/07/18

はじめに

○こどもは、生まれながらにして権利の主体であり、その固有の権利が保障されなければならない。

○令和4年6月には、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、こども基本法(令和4年法律第77号)が与野党を超えた賛同を得て成立し、翌年4月に施行された。こども基本法の制定は、我が国が、権利主体としてのこどもの最善の利益を常に第一に考え、こどもに関する取組・政策を社会のまんなかに据えていく「こどもまんなか社会」の実現を目指すという、大きな価値転換である。

○特に「こどもの誕生前から幼児期まで」は、人の生涯にわたるウェルビーイングの基盤となる最も重要な時期である。全世代の全ての人でこの時期からこどものウェルビーイング向上を支えていくことができれば、「こどもまんなか社会」の実現へ社会は大きく前進する。これは社会全体の責任であり、全ての人のウェルビーイング向上につながる。

○しかし、我が国の状況を見ると、必ずしも全ての乳幼児の権利や尊厳が保障できている現状にはない。また、今の親世代の幼児期までの育ちと比べ、家庭や地域の状況など社会情勢が変化している中で、全ての乳幼児のウェルビーイング向上を、心身の状況や置かれた環境に十分留意しつつ、ひとしく、その一人一人それぞれにとって切れ目なく、支えることができているだろうか。こども基本法及び児童福祉法(昭和22年法律第164号)にも掲げられたこれらの権利を生まれた時から保障し、「こどもまんなか社会」を実現するための取組は途上にある。

 

遅れていた価値概念の転換をようやく図ると明記したものです。子どもは大人に従うものでもなく権利の主体である。とても重要なことです。さらの「こどもまんなか社会」をしっかり踏まえていく必要がありますね。「こどもは、生まれながらにして権利の主体であり、その固有の権利が保障されなければならない。」、「我が国の状況を見ると、必ずしも全ての乳幼児の権利や尊厳が保障できている現状にはない。また、今の親世代の幼児期までの育ちと比べ、家庭や地域の状況など社会情勢が変化している中で、全ての乳幼児のウェルビーイング向上を、心身の状況や置かれた環境に十分留意しつつ、ひとしく、その一人一人それぞれにとって切れ目なく、支えることができているだろうか。」しかりと受け止め、対処していく必要があります。ようやく、こういった言葉が国の文章として明記されました。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン

2024/07/17

新たなシリーズを始めます。

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン

幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン 国提示

(はじめの 100 か月の育ち ビジョン)

令和5年12 月 22 日

こういった国の指針等について連載して、しつこいようですが、就学前のこどもの育ちについて、様々な視点で検討されている国の指針や考え方を示し、より良い育児や教育・保育に活かすために保護者や社会に発信し、共有を図りたいと願うためです。

就学前の教育・保育機関としての役割を考えると国が示すものを理解して進めていくことは、今の子どもの育ちを支えていくものと考えます。預かりさえすれば良かった時代ではありません。育ちをどう支えるかを考えていきたく思います。少子化や人口減少といった日本社会で国際化もさらに進み、情報化社会はさらに進むものと思われます。

そういった中、旧態依然の保育や子育ての理念だけでは子どもの困難さにつながるのではないだろうか?これからの社会に立ち向かう子ども達への支援、育ちをしっかりと考えていく必要があります。どうかこのことにご理解を頂き、投稿にお付き合いください。もちろんこのことで大きく変わろう、社会を変えようなどといった考えでもありません。しっかりと視点を踏まえた園でありたく、保育の実践に繋げたいと考えております。

 

こども大綱87

2024/07/16

(参考)こども・若者や子育て当事者を取り巻く現状 2

出生数の減少は予測を上回る速度で進行し、人口減少に歯止めがかかっていない。令和4年の出生数は77 万759 人で、統計開始以来、最少の数字となり、合計特殊出生率は1.26 と過去最低となった。少子化・人口減少に歯止めをかけなければ、我が国の経済・社会システムを維持することは難しく、国際社会における存在感を失うおそれもある。若年人口が急激に減少する2030 年代に入るまでが状況を反転させることができるかどうかの重要な分岐点である。少子化の主な原因は、未婚化と晩婚化(若い世代での未婚率の上昇や、初婚年齢の上昇)、有配偶出生率の低下である。特に未婚化と晩婚化の影響が大きいと言われており、その主な要因は、若い世代の低い所得と不安定な雇用環境、出会いの機会の減少である。若い世代の8割を超す未婚男女がいずれ結婚することを希望しており、また、夫婦は2人以上のこどもを育てることを理想としているが、若い世代が結婚や子育ての将来展望を描けず、こうした希望や理想が叶わない状況にある。子育て当事者にとっては、こどもの成長や子育てをめぐる状況が厳しく、負担や不安、孤立感が高まっている。子育てしづらい社会環境や、根強い固定的な性別役割分担意識等を背景とした仕事と子育てを両立しにくい職場環境がある。さらには、子育ての経済的・精神的負担感が存在する。若い世代が将来に明るい希望を持てる社会をつくらない限り、少子化トレンドの反転は叶わない。

 

こども大綱シリーズはこれにて終了します。明日からまた新たなシリーズにて保護者や子育て世代の方々と考えていきたいと思います。

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