幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 50 2024/12/09 ○ また、幼児教育施設の先生は、一人一人の子供理解に努めて教育を実践することが求められており、そのためには、勤務時間中に子供と接しないノンコンタクトタイムを確保し、先生同士で子供一人一人の興味深いその子らしいエピソードや気になった子供の姿等について集まって話し合うことや、子供の記録を取るなど、一人一人の子供を丁寧に見取ることができる精神的・時間的な余裕のある勤務環境を確保する必要がある。しかし、実態としては、勤務時間中には、先生が集まって話し合う時間や日々の子供の記録を取る時間すら無いほど多忙であると指摘されている。 ○ さらに、特に女性が多い職場である幼児教育施設においては、仕事と子育てを両立できる勤務環境であることが重要であるが、育児休業から復職した先生が、多忙な業務であるため、子育てと両立できずに離職してしまうケースがみられるとの指摘もある。 ○ そして、これらの多忙な勤務環境が、幼児教育施設での勤務を志望する者の減少や離職者の増大に大きく影響を与えているとの指摘があり、外部専門職等の積極的活用やICT環境の整備をはじめ、勤務環境の改善を図ることが急務となっている。 ○ また、幼児教育施設は、子供が安心して自己発揮できる安全な環境とすることが必要であるが、幼児教育施設における子供の安全・安心な生活が脅かされる事故等が発生しており、国、地方自治体、幼児教育施設においては、幼児教育施設における事故等の発生・再発防止に取り組むことが求められている。 保育士不足、教員不測の要因は、教育保育以外に対応しなければならないことが増えてきたからです。これも保育士がしなきゃならないのか、先生たちがやらなければならないのかといった具合に業務が倍増してしまっている現状と、子ども達や家庭の多様化によって対応すべきことが幅広くなっています。限られた時間ですべてに対応することができないのも現状です。だからこそ職員においてもまずは人数を増やすこと、さらに幅広い人材を登用して業務の分担をはかる必要があり、子ども一人一人と接触する頻度も増やしていくためには職員配置基準を改善していく必要もあります。少しずつではありますが、学校の現場においては学年担任制や教科別の担当課を諮ったりされています。尚、保育所の配置基準は70年ほど改訂されていません。ようやく4,5歳児の配置は30人に一人から25人に一人となったところです。しかも配置ができたところにしか運営費は来ません。これでは子どもの成長を個別に対応したり、各家庭の支援にはまったくもってつながりません。
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 49 2024/12/06 ○ 一方で、次のような課題があると指摘されている。 ・幼保小接続の具体的な内容に関する資料が少なく、現場への支援も幼児教育アドバイザーや指導主事の経験に拠るところが大きく、アドバイスの質のばらつきや指導内容の継続性に課題がある。 ・幼児教育アドバイザーや指導主事の経歴等により、幼保小の設置者や施設類型、学校種の理解度に差が出ており、それぞれの特徴に応じたアドバイスに課題がある。 ・幼児教育推進体制が整備され、責任ある体制で進められている地方自治体がある一方、地方自治体内の取組を推進するための体制が不十分な地方自治体もあるなど、地方自治体の間で取組に差が生じている。 ○ また、幼児教育の質の向上のためには、優れた資質・能力を有する人材を先生として確保し、採用後も研修等を通じて専門性の向上を不断に図っていくことが重要である。 ○ 一方、幼児教育を担う人材については、免許保有者や資格取得者が他業種へ就職する場合も多く、平均勤続年数が短く離職者が多いといった課題があり、人材の需要の高止まりに供給が追い付いていない状況がある。また、「OECD幼児教育・保育白書」第6部によれば、能力開発は教育の質を向上させるだけでなく、燃え尽きやストレスを防ぎ、離職率の低下とも関連するとされており、人材確保とキャリアアップは一体的な取組として支援していくことが求められている。 ○ このため、幼児教育施設の先生の資質・能力や専門性の向上を図る観点から、地方自治体や幼児教育施設においては研修を更に充実することが求められる。しかし、地方自治体や幼児教育施設による取組の差が大きいことや研修に参加しても必ずしも日々の教育実践に還元されていないという課題が生じているとの指摘もある。 課題のとおり、明らかに自治体間、施設間格差がすでに生じていることです。幼児教育は幼児教育施設、学校は自治体とそれぞれでは進歩しません。我々幼児教育保育施設においての認識ももっと子どものこれからのことを考えるべきであり、学校におかれても学校教育といった立場で教えるといったことだけでなく子どものこれからを支える視点をもっと大切にしなければならないのではないでしょうか。そこを誰が方向性を示し、旗振りを行ってくれるか、力を入れるかではないでしょうか。
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 48 2024/12/05 5.教育の質を保障するために必要な体制等 (1)現状と課題 ○ 複数の施設類型が存在し、私立が多い幼児教育の現場において、設置者や施設類型を問わず、幼児教育の質の向上や幼保小の接続等の取組を一体的に推進するため、地方自治体において必要な体制を構築することが求められている。また、子供を取り巻く多様な地域の課題に的確に対応するため、保健・福祉等の専門職をはじめとした人的体制の充実や連携の強化を図ることが求められている。 ○ このため、地方自治体においては、幼保小の担当部局の連携・協働や幼保の担当部局の一元化、幼児教育センターの設置等が進められているところである。しかし、幼児教育センターの設置に関していえば、現時点では、都道府県においては幼児教育センターの設置は30道府県にとどまり、全てには設置されていない。また、市町村においては、人的・財政的体制が弱い傾向にあるため、幼児教育センターの設置が進んでいない。 ○ これまでの地方自治体における幼児教育推進体制の構築の成果としては、例えば、幼保小接続の機運醸成(幼保小の行き来の増加、幼保小の情報共有の促進、幼保小連携会議の設置等)や、幼児教育アドバイザーの配置による幼保小への指導・助言の機会の充実といったものがある。 国の文言に明記のとおり幼児教育保育施設は民営化等によってほとんどが私学であったり社会福祉法人の運営する施設なのです。一方、学校は公立となっており、架け橋が潤沢に行えないのが事態であるから何とかしなさいとしているのです。さらに自治体の多くが、保育所、幼稚園、小学校の管轄がそれぞれ別なので連携が取れない実態をいかに自治体が認識して、取り組むかで差も出てきて、日本国内どの地域においても必要な架け橋が進まない現実を首長や教育委員会が認識するかで大きく異なっているのが現状ではないでしょうか。
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 47 2024/12/04 ②全ての子供のウェルビーイングを保障するカリキュラムの実現 ○ 中央教育審議会「次期教育振興基本計画の策定について(諮問)」(令和4年2月7日)では、「学習者視点に立ち、誰もが、いつでもどこからでも、誰とでも、自分らしく学ぶことができ、誰一人取り残されず、一人一人の可能性が最大限に引き出され、一人一人の多様な幸せであるとともに社会全体の幸せでもあるウェルビーイングが実現されるように、制度等の在り方を考えていく」必要があるとされている。 ○ 上記の中央教育審議会の審議結果を踏まえつつ、幼保小においては、カリキュラム・マネジメントの充実を図り、全ての子供のウェルビーイングを高める観点から、教育課程編成・指導計画作成、実施や評価、改善等を通じて、組織的かつ計画的に教育活動の質の向上が図られるようにすることが必要である。 カリキュラムマネジメント構築にあたっても就学前の施設においては、公立園に聞き取りがある程度で、実質的な子どもの姿を網羅するようなものになってはいないと受け止めています。学校は公立がほとんどであり公的機関、就学前の施設の90%以上が民間(社福や学校法人)であるために交流がまずありません。その上でどうしても学校側の意向が強くなるのではないでしょうか?なぜなら就学前の施設を学校の先生が訪問する機会がないからです。そういった状況で作られて実際の子どもの姿を反映吸うようなものにはならないのではないでしょうか。ましてやいまだに保育所は預かるところで教育施設ではないといったお考えの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。ところが就学前の施設においては既に学びや発達については整合性がはかられているのですが・・・。刷り込みはとても怖いですね。ぜひ一度足を運んで頂きたいですね。
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 46 2024/12/03 ○ また、子供は欲しくないと思う大学生等が一定数存在しているため、中高生や大学生が子供に関わる機会や親になることを意識する機会をつくり、子育ての喜びや楽しさを伝えていくことが大切である。具体的には、子供の発達の段階に応じて、家族の役割や幼児期の子供の発達の特徴について理解し、子供とのよりよい関わり方について考え、工夫することができるよう、中学校や高等学校等とも連携し、幼児教育施設等の子供と触れ合う機会を充実することが考えられる。また、親になる前に子供の接し方が分からないといった場合には、妊娠初期から継続的に関わる伴走型相談支援の活用52や子供と共に人生を歩む喜びなどについて、伝えていくことが必要である。 将来への不安のある理由は経済的な理由が大きいと思われますが、学生にとっては社会でどうなるだろうといった懸念もあるかと思います。自信をもって社会に出ることができればいいのでしょうが、社会は即戦力を求めたり、人員不足、業績のためには効率化等を踏まえた人材を望んでいることもあり、経験もないままでは不安は募ってしまいます。逆に自信過剰で社会に出てもすぐに大きな壁に遭遇してしまうこともあるかもしれません。今の若者の不安を払しょくする受け入れ態勢も必要です。安定感を求める学生もいるでしょうが、社会人となる上での安心があって初めて仕事に打ち込むことができ、結婚というものも希望も出てくるように感じます。学生時代、中高生のころの子どもとの関わりはとても大切です。そういった機会は就学前の施設においては必須であり、いつでも協力する用意もあります。学校のカリキュラムに入れるべきです。