教育・保育要領解説38 2024/02/06 ア 健康な心と体 幼保連携型認定こども園における生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。 健康な心と体は、領域「健康」などで示されているように、他者との信頼関係の下で、自分のやりたいことに向かって伸び伸びと取り組む中で育まれていく。なお、健康な心と体は、領域「健康」のみで育まれるのではなく、第2章に示すねらい及び内容に基づく活動全体を通して育まれることに留意する必要がある。 園児は、幼保連携型認定こども園の生活において、安定感をもって環境に関わり、自己を十分に発揮して遊びや生活を楽しむ中で、体を動かす気持ちよさを感じたり、生活に必要な習慣や態度を身に付けたりしていく。5歳児の後半には、こうした積み重ねを通して、充実感をもって自分のやりたいことに向かって、繰り返し挑戦したり諸感覚を働かせ体を思い切り使って活動したりするなど、心と体を十分に働かせ、遊びや生活に見通しをもって自立的に行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出す姿が見られるようになる。この頃の園児は、幼保連携型認定こども園における生活の中で、ある程度時間の流れを意識したり、状況の変化を予測したりして、見通しをもって行動するようになる。 例えば、「今日の片付けの時間までに、全部の段ボール箱の色を塗っておけば、明日の遊園地づくりに間に合う」とか、「ここは、小さい組の子が通るので、ぶつかると危ないから場所を変えよう」など、遊びの目的に沿って、時間をうまく使ったり、場所を選んだりして、自分たちで遊びを進めていく。ときには、夢中になって、あらかじめ決めたことを忘れたりすることもあるが、そのようなことを重ねながら、声を掛け合ったり自分で気を付けたりして見通しをもって行動しようとするようになる。園内の様々な場所で遊具等を活用しながら、思い切り体を動かしたり様々な動きを楽しんだりするとともに、必要なときに休息をとるようにもなる。また、衣服の着脱、食事、排泄などの生活行動を自分で行うことの必要性や、いつどのように行うかなどが分かり、病気にならないように手洗いやうがいを丁寧にしたり、健康のために大切だと感じて、食べ物などのことにも関心をもちつつ、友達と楽しく食事をしたりするなど、体を大切にする活動を進んで行うようになる。さらに、避難訓練を行う中で、災害などの緊急時の適切な行動が分かり、状況に応じて安全な方法で行動をとろうともする。 具体的な10の姿の解説となります。健康な心と体は、自らが気付くことが大切な要素なのです。見通しができるようになること、危機回避ができることなど様々な体験経験で獲得できることで、言われて気づくことではない。そこもああしなさい、こうしなさいと大人の指示、命令ばかりで動いていると子どもが困るということです。だからかける言葉は、どうしようか?どうしたいのか?と、子どもが考える言葉かけが大切です。また、結果を責めたりばかりでは、子どもは気づきありません。体験や経験の失敗でもいいのではないでしょうか。振り返り、気づくことの体験が大切です。