子どもの成長133 2026/09/18 熱ストレスや脱水、および両者の重複で、長時間運動中の炭水化物利用はどう変化する? 脱水のグリコーゲン利用への影響 脱水が長時間運動中のグリコーゲン利用に及ぼす影響を検討した研究は7条件で実施されており、そのうち2条件で、脱水によりグリコーゲン利用が有意に増加することが示されていた。メタ解析の結果、脱水によりグリコーゲン利用が有意に増加することが示された(SMD=0.62〈0.22~1.03〉)。研究間の異質性は中等度だった(I2=48%)。 これを暑熱負荷の有無別にサブグループ解析した場合、暑熱負荷を加えるか否かにかかわらず、脱水によりグリコーゲン利用が有意に増加することが示されたが、暑熱負荷を加えた1条件の研究では、より大きな影響が認められた。具体的には、暑熱負荷を加えない場合がSMD=0.47(0.14~0.80)であるのに対して(I2=35%)、暑熱負荷を加えた1報の報告はSMD=1.62(0.49~2.75)だった。 暑熱下では脱水回避、非暑熱下では体幹温度を上げない戦略がグリコーゲン温存に働く これらの結果は、以下の3点に整理される。 呼吸交換比(RER)、炭水化物の酸化、グリコーゲンの利用で評価される炭水化物の利用は、暑熱環境では一貫して増加する。 脱水は、RER、炭水化物の酸化、グリコーゲンの利用を増加させる。しかし、暑熱環境下とそうでない場合とで分けると、脱水は暑熱環境でのみ、RERと炭水化物の酸化を有意に増加させ、非暑熱環境では脱水による炭水化物利用への有意な影響は認められない。 これらの結果は、長時間の持久力運動中の暑熱曝露によって炭水化物の利用が亢進し、その一方で脱水の影響は非暑熱環境では明らかでないことを示唆している。 著者らはこのトピックに関する既報文献の考察を加えたうえで、「炭水化物の需要を増やす主な要因は、体幹温度の上昇、とくに筋温の上昇であると考えられる。これらの知見は、とくに暑熱環境でない場合、運動中の炭水化物利用を抑制するための最も重要な戦略が水分補給ではない可能性があることを示唆している。むしろ、長時間のランニングなど、水分摂取の可能性が限られる状況においては、体幹温度を管理するための冷却戦略を実施することが効果的である可能性がある」と結論付けている。