子どもの成長39 2026/05/07 高炭水化物食や加糖飲料の摂取などの食習慣やダイエット願望が、大学生の抑うつレベルと有意に関連 国内の大学生の抑うつに、高炭水化物食品の摂取頻度やダイエット(減量)願望などが、有意に関連していることが報告された。法政大学大学院公共政策研究科および広島大学大学院人間社会科学研究科の原田裕輔氏らの研究によるもので、「Cureus」に論文が掲載された。 若者の自殺のリスク因子として「食習慣の乱れ」を考慮する必要性 国内の10~39歳の死因のトップは自殺であり、15~29歳では全死亡の50%以上を自殺が占めている。自殺の原因として、メンタルヘルス関連疾患、とくにうつ病が大きいと考えられており、栄養状態がメンタルヘルスに影響を及ぼし得ることも知られている。例えば世界保健機関(WHO)は、メンタルヘルス疾患のリスク抑制のための栄養改善を推奨している。 一方、国内の大学生は、朝食欠食や炭水化物中心の食事摂取、加糖飲料の多飲などの乱れた食生活を送っていることが多いと指摘されている。一般成人では、これらの乱れた食生活がメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことを示唆する研究結果も既に報告されている。ただし、大学生の食習慣とうつレベルとの関連は十分に調査されていない。 原田氏らは以上を背景として、国内の大学生を対象とする横断研究により、両者の関連性を検討した。 学生は全体的に軽度のうつ傾向があり、半数がダイエット志向 この研究は、法政大学で保健衛生学を履修している学部生を対象として、2022年11~12月にGoogleフォームを用いたオンラインアンケートとして実施された。事前の統計学的検討から、このトピックに関する有意性の検証に必要なサンプルサイズは354と計算され、それを超える455人が回答した。 うつレベルについては、臨床や研究で頻用されている質問票(Quick Inventory of Depressive Symptomatology-Japanese version;QIDS-J)を用いて評価した。QIDS-Jではうつレベルを0~27点にスコア化し、5点以下は抑うつなし、6~10点は軽度の抑うつ、11~15点は中等度の抑うつ、16~20点は重度の抑うつ、21点以上は最重度の抑うつと判定する。本研究では、このスコアを連続変数として食習慣との関連を解析しβ値を算出したほか、6点以上を「うつ傾向あり」と定義したうえでオッズ比(OR)の算出も行った。 食習慣については、31項目のオリジナルの質問により評価した。具体的な質問項目として、加糖飲料の摂取量、朝食摂取頻度、コンビニエンスストアの利用頻度、高炭水化物食品の摂取頻度、主観的な判断による栄養バランスのよい食事の摂取頻度、主観的な食習慣の乱れの程度、ダイエット(減量)願望の強さ、サプリメントの利用頻度などが含まれていた。