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TEL

2023年 11月

シリーズ幼保連携型認定こども園 22

2023/11/15

1 乳幼児期の特性

(2) 乳幼児期の発育・発達

③ 発達の特性

園児が生活する姿の中には、乳幼児期特有の状態が見られる。そこで、園では、以下に示したような主な乳幼児期の発達の特性を十分に理解して、園児の発達の実情に即応した教育及び保育を行うことが大切である。

○乳幼児期は、身体が著しく発育するとともに、運動機能が急速に発達する時期である。そのために自分の力で取り組むことができることが次第に多くなり、園児の活動性は著しく高まる。そして、ときには、全身で物事に取り組み、我を忘れて活動に没頭することもある。こうした取組は運動機能だけでなく、他の心身の諸側面の発達をも促すことになる。

 

身体の発達とともにもちろんそのことを助長する環境を整えること、自分でしようとするような環境も大切です。見て真似ることのできる環境、物的な環境、支援する言葉も大切ですね。やろうとすることで危険なリスクを大人が先回りばかりして回避してしまうだけでは危機回避力など身につかなくなると思います。やってみようと思う環境と見守ることも大切です。親からすればケガして欲しくないと思う気持ちも大事です。どこまで許容するかは各家庭大きな差もあります。もどかしさもありますが、子どもの成長を支えることを互いに理解しあうことが大切ではないでしょうか。

シリーズ幼保連携型認定こども園 21

2023/11/14

1 乳幼児期の特性

(2) 乳幼児期の発育・発達

② 発達を促すもの

イ 発達に応じた環境からの刺激

園児は、環境との相互作用によって発達に必要な経験を積み重ねていく。したがって、乳幼児期の発達は生活している環境の影響を大きく受けると考えられる。ここでの環境とは自然環境に限らず、人も含めた園児を取り巻く環境の全てを指している。例えば、ある運動機能が育まれていく時期に、一緒に運動して楽しむ友達がいるなど体を動かしたくなるような環境が整っていなければ、その機能は十分に育つことはできないであろう。また、言葉を交わす楽しさは、話したり、聞いたりすることが十分にできる環境がなければ経験できないこともあろう。したがって、発達を促すためには、活動の展開によって柔軟に変化し、園児の興味や関心に応じて必要な刺激が得られるような応答性のある環境が必要である。

 

園児を取り巻く環境の全てが発達に影響しているとしています。子どもを取り巻く環境はとても大切です。家庭と同じ環境、家庭ではできない環境、子ども集団であることも大切な要素です。これらを整えていくことも就学前の施設の役割でもあります。そしてPDCAとよく言われますが、柔軟に展開をしていくことも大切であるとしています。決まりきったことを路線に沿ってさせるだけではないように思います。もちろん約束事だとかの社会性も身に付けつつ行うことも大切です。

 

シリーズ幼保連携型認定こども園 20

2023/11/13

1 乳幼児期の特性

(2) 乳幼児期の発育・発達

② 発達を促すもの

乳幼児期の発達を促すために必要なこととして次のようなものが考えられる。

ア 能動性の発揮

園児は、興味や関心をもったものに対して自分から関わろうとする。したがって、このような能動性が十分に発揮されるような対象や時間、場などが用意されることが必要である。特に、そのような園児の行動や心の動きを受け止め、認めたり、励ましたりする保護者や保育教諭等の大人の存在が大切である。また、園児が積極的に周囲に目を向け、関わるようになるには、園児の心が安定していなければならない。心の安定は、周囲の保護者や保育教諭等の大人との信頼関係が築かれることによって、つくり出されるものである。

 

子どもが興味関心を持つ大人の関わりは環境を整えることです。こういった気づきをして欲しいと描くなら意図性も必要です。子どもの姿を見てプランの立て直しや展開を変えていくことも必要です。また、子どもが安心して活動するためには大人との信頼関係が必要です。安心して過ごせると子どもが感じる事がとても大切ですね。心の安定ってとても大事です。大人の概念や大人からの指示、命令ばかりでは子どもの意思は尊重されることはありません。子ども自らの意思を尊重したいですね。

 

シリーズ幼保連携型認定こども園 19

2023/11/10

1 乳幼児期の特性

(2) 乳幼児期の発育・発達

① 発達の捉え方

人は生まれながらにして、自然に成長していく力と同時に、周囲の環境に対して自分から能動的に働き掛けようとする力をもっている。自然な心身の成長に伴い、人がこのように能動性を発揮して環境と関わり合う中で、生活に必要な能力や態度などを獲得していく過程を発達と考えることができよう。

生活に必要な能力や態度などの獲得については、どちらかというと大人に教えられたとおりに園児が覚えていくという側面が強調されることもあるが、乳幼児期には、園児自身が自発的・能動的に環境と関わりながら、生活の中で状況と関連付けて身に付けていくことが重要である。したがって、生活に必要な能力や態度などの獲得のためには、遊びを中心とした生活の中で、園児が自らの生活と関連付けながら、好奇心を抱くこと、あるいは必要感をもつことが重要である。

園児の心身の諸側面は、それぞれが独立して発達するものではなく、園児が周囲の人やものと関わり、友達と体を動かして遊びを展開するなどの中で、それぞれの側面が相互に関連し合うことにより、発達が成し遂げられていくものである。

園児の発達は連続的ではあるが常に滑らかに進行するものではなく、ときには、同じ状態が続いて停滞しているように見えたり、あるときには、飛躍的に進んだりすることも見られる。

さらに、このような発達の過程の中には、ある時期には身に付けやすいが、その時期を逃すと、身に付けにくくなるものもある。したがって、どの時期に何をどのような方法で身に付けさせていくべきかという適時性を考えることは、園児の望ましい発達を促す上で、大切なことになる。ここでの適時性とは、長期的な見通しに立った緩やかなものであり、人間は生涯を通して発達し続ける存在であることから、その時期を過ぎたら、発達の可能性がないというような狭い意味のものではない。

 

子どもの成長においてどんどん進んでいくように見えるもの、ゆっくりに見えるもの、それは環境と経験に差があるからといった見方もあります。経験のないもの、したことがあるものによってその後の展開も変わるものです。だからこそどういった経験が子どものどういった成長につながるのか、また、助長することになるのか、子ども自身のものになるのかなどしっかり考え、またその時の子どもの対応をも踏まえ成長を支えていきたいですね。ですから指針では年齢区分を乳児、1歳半から3歳未満、3歳以上といった大きな括りで捉えています。0歳児、1歳児2歳児とそれぞれの姿はあるものの、年齢によって「こうしなさい!」「ああしなさい!」とは記述していません。同じ学年でも月齢は12か月も違うのですから、同じにするようにすれば月齢による差は明らかに違います。同じことを同じようにさせるには無理もあります。個々の子どもの成長をゆっくり支える視点が必要です。

 

 

シリーズ幼保連携型認定こども園 18

2023/11/09

1 乳幼児期の特性

(2) 乳幼児期の発育・発達

乳幼児期は、環境と関わり合う生活の中で自己の興味や欲求に基づく直接的・具体的な体験を通して健全な心身の発育・発達が促され、生涯にわたる人格形成の基礎が培われる重要な時期である。また、生理的、心理的な諸条件や生育環境の違いにより、園児一人一人の個人差が大きいこの時期において、園児一人一人の健やかな育ちを保障するためには、園児自らが安心して環境に関わりその活動が豊かに展開されるような環境が整えられ、愛情豊かな思慮深い保護者や保育教諭等の大人との関わり合いが十分に行われることが重要である。この関係を起点として、次第に他の園児との間でも相互に働き掛け、関わりを深め、人への信頼感と自己の主体性を培っていくのである。

そのため、保育教諭等は、園児の発達の特性と発達の過程を十分に理解し、その園児一人一人の発達の過程に応じて見通しをもって教育及び保育を行うことが求められている。

園児は、生まれながらに備わっている諸感覚を働かせながら、身の回りの環境に働き掛けていく。温かく受容し、優しく語り掛ける保育教諭等の大人に見守られながら、園児は環境に働き掛け、環境から働き掛けられる中で、発達していく。そして、その相互作用においては、園児自らが環境に働き掛ける自発的な活動や、身体感覚を伴う直接的・具体的な体験が大切である。また、特定の保育教諭等の大人との親密な関わりにおいて育まれる信頼関係が、園児が主体的に環境に関わるその基盤となる。

園児が人やものなどに触れ、興味や関心を広げていくことは、園児に様々な心情をもたらし、自ら関わろうとする意欲を促していくことになる。

また、園児は人やものなどと出会い、感覚を磨きながら多様な体験を積み重ねていくことにより、自らの生活を楽しみながら、環境と関わる姿勢や態度を身に付けていく。より豊かで多様な環境との出会いの中で、園児は、行きつ戻りつしながら様々な能力を獲得していく。こうした過程そのものが、園児の発達であるといえるであろう。

園児と生活を共にする保育教諭等は、園児に安心感や安定感を与えながら、園児の発達の特性や発達の過程に沿った適切な援助をしていかなければならない。

さらに、遊びや生活を共にする中で、園児一人一人の心身の状態を把握し、園児が自ら環境に働き掛け、感じたり、考えたり、試したり、工夫したり、繰り返したりする過程を見守り、園児と共に環境を再構成しながら共に楽しむことも大切である。

 

解説書に明記されているのです「生まれながらに備わっている諸感覚を働かせながら、身の回りの環境に働き掛けていく」としています。白紙で生まれ、すべて学んでいくという考えではないということです。備えた能力がありそれを引き出す、不要なものは捨てていくといった考え方ですね。しかも相互作用によって成長していくとしています。

子どもは教えればすぐに何でも覚えます、出来るようになります。しかしそのことだけに大人が一喜一憂するのではないですね。だが、その能力は結構早めに挫折してしまいます。子ども自らの意思で行動したからではないからです。教えられることから自ら興味を持ち学ぶことでその記憶や体験が後々役に立つのでしょう。人やものなどと出会い、感覚を磨きながら多様な体験を積み重ねていくことで様々な能力を獲得していく。これが子どもの発達であり成長だと思います。

 

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