38 新たな動き 2 2023/04/14 令和の日本型学校教育の構築を目指して から 新学習指導要領の全面実施 『社会の変化が加速度を増し,複雑で予測困難となってきているといった時代背景を踏まえた上で,新しい学習指導要領では資質・能力を「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」の3つの柱に整理した上で,よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会とが共有し,どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを明確にしながら,学校教育を学校内に閉じず,地域の人的・物的資源も活用し,社会との連携及び協働によりその実現を図る「社会に開かれた教育課程」を重視するとともに,学校全体で児童生徒や学校,地域の実態を適切に把握し,教育の目的・目標の実現に必要な教育内容等の教科等横断的な視点での組立て,実施状況の評価と改善,必要な人的・物的体制の確保などを通して,教育課程に基づく教育活動の質を向上させ,学習の効果の最大化を図る「カリキュラム・マネジメント」の確立を図ることとしている。また,各教科等の指導に当たっては,資質・能力が偏りなく育成されるよう,児童生徒の「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を行うこととしている。』 資質・能力を「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」の3つの柱と明記されていること、地域の人的・物的資源も活用し,社会との連携及び協働によりその実現を図り、教育活動の質を向上させ,学習の効果の最大化を図る「カリキュラム・マネジメント」の確立をめざし、児童生徒の「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を行うこと。難しい表現ですが、机上で教え込まれて学ぶだけでなく、地域や社会にかかわりをもって生徒が主体的で対話的な学びを進め学習を深めていく方向が示されています。
37 新たな動き 1 2023/04/13 令和の日本型学校教育の構築を目指して から 『こうした多くの課題がある中,令和時代の始まりとともに,「新学習指導要領の全面実施」,「学校における働き方改革」,「GIGAスクール構想」という,我が国の学校教育にとって極めて重要な取組が大きく進展しつつある。国においては,こうした動きを加速・充実しながら,新しい時代の学校教育を実現していくことが必要である。 新学習指導要領の全面実施 平成28年答申に基づき,平成29(2017)年に新しい幼稚園教育要領,小学校学習指導要領,中学校学習指導要領,特別支援学校幼稚部教育要領,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領,平成30(2018)年に新しい高等学校学習指導要領,平成31(2019)年に新しい特別支援学校高等部学習指導要領が公示され,幼稚園は令和元(2019)年度,小学校等は令和2(2020)年度,中学校等は令和3(2021)年度から全面実施され,高等学校等は令和4(2022)年度から年次進行で実施されることとなっている。』 このシリーズの冒頭にも書きましたが、新たな学習指導要領は令和4年度高等学校の指導要領改訂を最後にすべての学校で適用されているのです。学校が新しい時代の学校教育に取り組みだしたことを受け、保育施設においても昔ながらだけの保育ではなく、学校の新しい学習指導要領をしっかりと認識した保育施設での保育の展開が必要です。もちろんこれまで培ってきた保育が否定されるわけでもありません。時代に合わせた柔軟な保育が求められています。
<号外>小学校入学おめでとう! 2023/04/12 小学校入学式を終え、たくさんの卒園児が顔を見せてくれました。 小さな体に大きなランドセル。でもとっても軽いんですね今のランドセルは。 元気な姿が一番です。入学おめでとうございます。
36 変化する社会の中で我が国の学校教育が直面している課題 20 2023/04/12 令和の日本型学校教育の構築を目指して から 今日の学校教育が直面している課題 (新型コロナウイルス感染症の感染拡大により浮き彫りとなった課題) 『新型コロナウイルス感染症の感染収束が見通せない中にあって,各学校は,感染防止策を講じながらの学校教育活動の実施に努めている。一方,公立小中学校の普通教室の平均面積は64㎡であり,一クラス当たりの人数が多い学校では,クラス全員で一斉に授業を行おうとすれば,感染症予防のために児童生徒間の十分な距離を確保することが困難な状況も生じている。新型コロナウイルス感染症が収束した後であっても,今後起こり得る新たな感染症に備えるために,教室環境や指導体制等の整備を行うことが必要であるとともに,学校においては平常時から児童生徒や教師がICTを積極的に活用するなど,非常時における子供たちの学習機会の保障に向けた主体的な取組が求められる。』 旧態依然。明治に始まった学校教育における教室の広さをおおむね9m×7mとしたことが今でも続いているのです。就学前の施設においても100年前の基準が原則そのまま。保育士の配置基準ももう何十年も変わっていないのです。子どもの生活空間については、食・寝・遊と分けることが理想とされていますが、多くの施設では面積が確保できない。さらには就学前の保育施設でも年齢別活動にこだわりすぎることも影響しているのではないでしょうか。就学前の施設において年齢ごとに学年にこだわる国は今や東アジアの一部の国だけなのです。さらに保育指針においても異年齢での取り組みとうたっています。 今どきの学校。教室はオープン。オープンスペースが設けられています。
35 変化する社会の中で我が国の学校教育が直面している課題 19 2023/04/11 令和の日本型学校教育の構築を目指して より 今日の学校教育が直面している課題 (新型コロナウイルス感染症の感染拡大により浮き彫りとなった課題) 『新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための臨時休業措置が長期にわたって実施される中で,全国の学校現場は,電子メール,ホームページ,電話,郵便等のあらゆる手段を活用して子供たちや保護者とつながることによる心のケアや,また,教科書や紙の教材,テレビ放送,動画の活用等により,子供たちの学習機会の保障などに取り組んだ。 しかしながら,公立学校の設置者を対象とした文部科学省の調査では,ICT環境の整備が十分でないこと等により,このような状況で学びの保障の有効な手段の一つとなり得る「同時双方向型のオンライン指導」の実施状況は,公立学校の設置者単位で15%に留まっている。また,学校の臨時休業中,子供たちは,学校や教師からの指示・発信がないと,「何をして良いか分からず」学びを止めてしまうという実態が見られたことから,これまでの学校教育では,自立した学習者を十分育てられていなかったのではないかという指摘もある。』 パンデミックを経験したわけなので、そこで検証し、未来を見据えた対策が望まれます。子どもの困り感に寄り添い、手厚い支援。日本では福祉的要素を持った学校教育を望みたいですし、就学前の施設においてもそのことは当然のことと思います。だからこそ施設に対しても子どもの育つよい環境を整えることができる支援も欲しいと考えています。