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園からの発信

教育・保育要領解説20

2024/01/11

④ 園児一人一人の発達の特性に応じた指導

イ 園児一人一人に応じることの意味

④アに述べたように、園児は一人一人が異なった発達の姿を示す。それゆえ、保育教諭等は園児の発達に即して、園児一人一人に応じた指導をしなければならない。園児は、自分の要求を満たしてくれる保育教諭等に親しみや自分に対する愛情を感じて信頼を寄せるものである。しかし、園児一人一人に応じるというとき、ただ単にそれぞれの要求に応えればよいというわけではない。このような要求や主張を表面的に受け止めて応えようとすれば、全てに応じきれなくなり、逆に園児に不信感や不安を抱かせてしまう。また、応じ方の度が過ぎれば園児の依頼心やわがままを助長するなど、自立を妨げることにもなる。保育教諭等の応答は、幼保連携型認定こども園の教育及び保育において育みたい資質・能力を育むために、園児一人一人の何に応じればよいのか考えたものでなければならない。

保育教諭等は、あるときは園児の要求に即座に応えるのではなく、自分で考える機会を与え、園児同士で教え学び合うように促していく必要がある。また、同じような要求であっても、園児に応じて応え方を変える必要がある。そのような応答のためには、保育教諭等が、園児の具体的な要求や行動の背後に、意欲や意志の強さの程度、明るい気分、不満に満ちた状態、気落ちした気分などの心情の状態など園児の内面の動きを察知することが大切である。そして、その園児がそれらの要求や行動を通して本当に求めていることは何かを推し量り、その園児の発達にとってどのような経験が必要かをそれぞれの場面で可能な範囲で把握していることが大切である。

 

保育教諭等は園児の発達に即して、園児一人一人に応じた指導をしなければならない。とするには、一人で多くの子どもの理解が必要です。国はようやく75年ぶりに保育士の配置基準の見直しに着手しました。このことは子ども一人一人に対応できるようにすることでもありますが、多様化する社会環境や家庭環境を加味しても配置をさらに検証していく必要があります。一人一人に寄り添うには、クラス業務のすべてを一人で行うことは困難であり、様々な専門性を持った職員のサポートを受けつつ、配置基準だけでなく、施設全体での様々な職種のサポートに加え、地域のそれぞれの分野の専門家のサポートも必要なのです。子育ては社会で、ということはそういったことだと考えます。

 

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