子どもの成長130 2026/09/15 暑熱ストレスや脱水、および両者の重複で、長時間運動中の炭水化物利用はどう変化する? 暑熱環境下や脱水が、長時間運動中の呼吸交換比、炭水化物酸化、グリコーゲン利用にどのような影響を及ぼすかを、システマティックレビューとメタ解析で検討した結果が報告された。暑熱環境では炭水化物の利用が高まるものの、脱水の影響は暑熱環境でのみ有意だという。 地球温暖化によるスポーツパフォーマンス低下への対策 地球温暖化の影響により、暑熱環境でのスポーツ大会開催が増加している。暑熱環境では、炭水化物代謝が変化し、グリコーゲン利用の増大、炭水化物酸化の増加、乳酸の蓄積が生じ、これらはとくに持久系競技のパフォーマンス低下に関与すると考えられている。また、暑熱環境下での運動では脱水が起こりやすく、脱水もまたエネルギー基質の利用を変化させる可能性が示唆されている。 これらの影響について、今回取り上げる論文の研究背景に述べられているところによると、これまでに2報のナラティブレビュー論文が報告されているにとどまり、システマティックレビューとメタ解析のための優先レポート項目(preferred reporting items for systematic reviews;PRISMA)に準拠したレビューは実施されていないという。これを背景として著者らは、PRISMAに則したシステマティックレビューとメタ解析によって、暑熱環境および脱水が、長時間運動中の炭水化物利用に及ぼす影響を検討した。 5件の研究報告を統合して暑熱と脱水の影響を検討 PubMed/MEDLINE、SportDiscusに2023年12月までに収載された論文を検索し、2024年11月に追加の論文の有無を確認した。包括条件は、暑熱や脱水、またはそれら両者が、長時間(15分以上)の持久運動中の呼吸交換比(respiratory exchange ratio;RER)、炭水化物の酸化、グリコーゲンの利用に及ぼす影響を、18歳以上の成人を対象として検討し、査読のあるジャーナルに掲載された英語による原著論文とした。ヒットした論文の参考文献もハンドサーチで検索した。論文発表の時期は制限しなかった。 一次検索で9,273報がヒットし、重複削除後に2名の研究者が独立して、タイトルと要約に基づくスクリーニングを実施。採否の意見の不一致は3人目の研究者との討議により解決した。251報を全文精査の対象として最終的に51件の研究報告を適格と判断した。