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園からの発信

教育・保育要領解説36

2024/02/02

3 幼保連携型認定こども園の教育及び保育において育みたい資質・能力及び「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」 3

(2) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 3

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、第2章に示すねらい及び内容に基づいて、各幼保連携型認定こども園で乳幼児期にふさわしい遊びや生活を積み重ねることにより、幼保連携型認定こども園の教育及び保育において育みたい資質・能力が育まれている園児の具体的な姿であり、特に5歳児の後半に見られるようになる姿である。保育教諭等は、遊びの中で園児が発達していく姿を「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を念頭に置いて捉え、園児一人一人の発達に必要な体験が得られるような状況をつくったり必要な援助を行ったりするなど、指導を行う際に考慮することが求められる

実際の指導では、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が到達すべき目標ではないことや、個別に取り出されて指導されるものではないことに十分留意する必要がある。もとより、幼保連携型認定こども園の教育及び保育は環境を通して行うものであり、とりわけ園児の自発的な活動としての遊びを通して、園児一人一人の発達の特性に応じて、これらの姿が育っていくものであり、全ての園児に同じように見られるものではないことに留意する必要がある。また、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は5歳児に突然見られるようになるものではないため、5歳児だけでなく、それぞれの時期から、乳幼児が発達していく方向を意識して、それぞれの時期にふさわしい指導を積み重ねていくことに留意する必要がある。

 

保育の現場ではこの「10の姿」が示されたことによって、多くの保育者が達成目標と受け止めたことを受け、解説では「到達すべき目標ではない」と明記しました。子どもの成長はもっと広く深いものです。だからこそ、個別に取りだされて指導されるものではないとも明記しています。させて出来たではなく、プロセスがとても大切なのです。結果のみにこだわり、保育者主導で取り組むべきことでもありません。子どもの成長はプロセスを経て、自身で獲得されるものではないでしょうか。だからこそ多様な体験経験が必要だと思います。結果さえよければ、ではないということですね。しかもその結果は名目上のことであり、真の成長なのかどうかはわかりません。積み重ねていくことが大切であると考えます。

 

教育・保育要領解説35

2024/02/01

3 幼保連携型認定こども園の教育及び保育において育みたい資質・能力及び「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」2

(1) 幼保連携型認定こども園において育みたい資質・能力 2

小学校以降の教育は、各教科等の目標や内容を、資質・能力の観点から整理して示し、各教科等の指導のねらいを明確にしながら教育活動の充実を図っている。一方、幼保連携型認定こども園では、遊びを展開する過程において、園児は心身全体を働かせて活動するため、心身の様々な側面の発達にとって必要な経験が相互に関連し合い積み重ねられていく。つまり、乳幼児期は諸能力が個別に発達していくのではなく、相互に関連し合い、総合的に発達していくのである。

幼保連携型認定こども園における教育及び保育において育みたい資質・能力は、こうした幼保連携型認定こども園の教育及び保育の特質を踏まえて一体的に育んでいくものである。

 

体と心の成長が促されるよう援助していく、環境を整えていくことが大切なように思います。運動に特化するだけでもなく、学びに特化するだけでもなく、一体的に育む環境が大切です。「遊びが大切」にはそういった意味も理解していく必要があります。もちろんそこには多様な人との関わりも大切であることは言うまでもありません。

 

教育・保育要領解説34

2024/01/31

3 幼保連携型認定こども園の教育及び保育において育みたい資質・能力及び「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」

(1) 幼保連携型認定こども園において育みたい資質・能力

幼保連携型認定こども園においては、園生活の全体を通して、園児に生きる力の基礎を育むことが求められている。そのため、教育・保育要領第1章総則の第1の1に示す幼保連携型認定こども園における教育及び保育の基本を踏まえ、小学校以降の子どもの発達を見通しながら教育及び保育活動を展開し、幼保連携型認定こども園の教育及び保育において育みたい資質・能力を育むことが大切である。

幼保連携型認定こども園の教育及び保育において育みたい資質・能力とは、「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」である。「知識及び技能の基礎」とは、具体的には、豊かな体験を通じて、園児が自ら感じたり、気付いたり、分かったり、できるようになったりすること、「思考力、判断力、表現力等の基礎」とは、具体的には、気付いたことや、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりすること、「学びに向かう力、人間性等」とは、具体的には、心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとすることである。

これらの資質・能力は、第2章に示すねらい及び内容に基づき、各幼保連携型認定こども園が園児の発達の実情や園児の興味や関心等を踏まえながら展開する活動全体によって育むものである。実際の指導場面においては、「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」を個別に取り出して指導するのではなく、遊びを通した総合的な指導の中で一体的に育むよう努めることが重要である。これらの資質・能力はこれまでも幼保連携型認定こども園で育んできたものではあるが、各園においては、実践における園児の具体的な姿から改めて捉え、教育及び保育の充実を図ることが求められている。

 

下線のとおりです。知識や技能の基礎は豊かな体験が必要であり、そこで園児自身が感じたり、気づいたり、分かったり、できるようになったりすること。さらに気づいたことや出来るようになったことを使い、考えたり、試したり工夫したり、表現したりすることであって、心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとすることとあります。教えられて育まれるものでなく、自らの体験や思考の成長が大切です。

 

教育・保育要領解説33

2024/01/30

( 6 ) 在園期間全体を通して行う教育及び保育 5

乳幼児期に多様な体験をし、様々なことに興味や関心を広げ、それらに自ら関わろうとする気持ちを育むことは、人生最初の段階である乳幼児期から重要なことである。また、園児が生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な時期に、その生活時間の大半を過ごす場が幼保連携型認定こども園であることを踏まえ、園児の現在が心地よく生き生きと幸せであるとともに、その未来も見据え長期的な視野をもって、保護者と共に生涯にわたる生きる力の基礎を培う生活を保障していくことが重要である。それは、園児が現在を最もよく生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うことであり、また、生涯、発達し続けていく園児一人一人の可能性を信じることでもある。幼保連携型認定こども園における教育と保育は一体となって園児の現在と未来をつなげる営みともいえるであろう。

このように、幼保連携型認定こども園の教育及び保育は、義務教育の基礎を培うことはもとより、義務教育以降の教育の基礎、つまり生涯にわたる教育の基礎を培う重要なものであることを忘れてはならない。

認定こども園法第9条に規定する幼保連携型認定こども園の教育及び保育の目標については、発達や学びの連続性及び生活の連続性の観点からも、満3歳未満の園児の保育にも当てはまることに留意し、小学校就学の始期に達するまでの全体が園児の生きる力の基礎を育成することを保育教諭等や保護者等で共有することが大切である。

 

「多様な体験」「心地よく生き生きと幸せである」大切にしたい言葉です。一人一人の子どもの人権ももちろんのこと、今をしっかりと生き、たとえゆっくりであろうとも望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うことにつながる活動や体験を経験し、育んでいける保育を実践していきたいと思います。

教育・保育要領解説32

2024/01/29

( 6 ) 在園期間全体を通して行う教育及び保育 4

教育・保育要領では第2章において、発達の側面から、乳児は三つの視点として、身体的発達に関する視点「健やかに伸び伸びと育つ」、社会的発達に関する視点「身近な人と気持ちが通じ合う」、精神的発達に関する視点「身近なものと関わり感性が育つ」としてまとめ、幼児は五つの領域として、心身の健康に関する領域「健康」、人との関わりに関する領域「人間関係」、身近な環境との関わりに関する領域「環境」、言葉の獲得に関する領域「言葉」、感性と表現に関する領域「表現」としてまとめ、示している。幼保連携型認定こども園では、これらに示す「ねらい」が総合的に達成されるよう教育及び保育を行うことにより、生きる力の基礎を育成している。そして、その成果が小学校につながり、より豊かな小学校生活を送ることができるようになる。

例えば、幼保連携型認定こども園においては、園児はそれぞれの興味や関心に応じ、遊びや生活といった直接的・具体的な体験などを通じて園児なりのやり方で学んでいくものであって、小学校以降の学習と異なり、保育教諭等があらかじめ立てた目的に沿って、順序立てて言葉で教えられ学習するのではない。園児が、遊びや生活を通じて、学ぶことの楽しさを知り、積極的に物事に関わろうとする気持ちをもつようになる過程こそ、小学校以降の学習意欲へとつながり、さらには、社会に出てからも物事に主体的に取り組み、自ら考え、様々な問題に積極的に対応し、解決していくようになっていく。

 

「就学前の教育・保育は、小学校以降の学習とは異なり」と明記されているのですが、何のためなのでしょうか、「教えている」といった大人の立場の確立なのでしょうか、小学校の前倒し教育こそ必要だと受け止められることがあります。小中高でも似たように、どれだけ進学先等の結果、評価がその立場を確立するように受け止められがちです。これが現実です。学ぶことの楽しさを知り、積極的に物事に関わろうとする気持ちをもつようになる過程が大切であると明記しています。「教えた」のに結果が出ないのは子どもの責任でしょうか。主体性との関連もあります。

 

 

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