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園からの発信

教育・保育要領解説55

2024/03/04

ク 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚 2

保育教諭等は、園児が関心をもったことに存分に取り組めるような生活を展開する中で、園児一人一人の数量や図形、標識や文字などとの出会いや関心のもちようを把握し、それぞれの場面での園児の姿を捉え、その活動の広がりや深まりに応じて数量や文字などに親しめるよう、工夫しながら環境を整えることが大切である。その際、園児一人一人の発達の実情などに即して、関心がもてるように丁寧に援助するとともに、幼児期には、数量や文字などについて、単に正確な知識を獲得することを目的にするのではないことに十分留意する必要がある。

こうした幼児期の数量や図形、標識や文字などへの関心や感覚は、小学校の学習に関心をもって取り組み、実感を伴った理解につながるとともに、学んだことを日常生活の中で活用する態度にもなるものである。

 

幾何学模様、曼荼羅、ぬり絵、線のワーク、大きさ、重さなどなど、実感を持った取組、学んだことの日常生活での活用につながる経験って大事ですね。また、子ども達の言葉の発達においては、実際のものを見ることが先決で、その実体験から認識が始まり、イメージを持つことに繋がり、結果言葉の発達につながるとも言われています。実物を見ること、経験体験することが始まりのようです。

 

教育・保育要領解説54

2024/03/01

ク 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚

遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりし、自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる。

園児の数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚は、領域「環境」などで示されているように、日常生活の中で、数量や文字などに接しながらその役割に気付き、親しむ体験を通じて育まれていく。なお、数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚は、領域「環境」のみで育まれるのではなく、第2章に示すねらい及び内容に基づく活動全体を通して育まれることに留意する必要がある。

園児は遊びや生活の中で、身近にある数字や文字に興味や関心をもったり、物を数えることを楽しんだりする場面が見られるなど、保育教諭等や友達と一緒に数量や図形、標識や文字などに触れ、親しむ体験を重ねていく。5歳児の後半になると、それまでの体験を基に、自分たちの遊びや生活の中で必要感をもって、多い少ないを比べるために物を数えたり、長さや広さなどの量を比べたり、様々な形を組み合わせて遊んだりすることなどを通して、数量や図形への興味や関心を深め、感覚が磨かれていく。また、遊びや生活の中で関係の深い標識や文字などに関心をもちながらその役割に気付いたり使ってみたりすることで、興味や関心を深め、感覚が磨かれていく。

例えば、二手に分かれて行う鬼遊びを繰り返し楽しむ中で、チームの人数や陣地の広さを同じにする必要性に気付き、自分たちで人数を数えて調整したり、陣地を歩測して確かめたりする。また、遊びに必要なものをつくる際に、空き箱や紙などの形や大きさ、長さなどを大まかに捉え、自分のイメージに合わせて選び、図形の特徴を生かして様々に組み合わせながら考えたとおりにつくり上げていく。

また、園内の各部屋などの入り口にあるマークと文字を合わせて見ながら標識がもつ機能を理解して、自分たちの学級等の標識や物を片付ける場所などの標識を工夫して作ったり、その過程で同じ形の文字を発見することを楽しんだりする。さらに、文字には人に思いなどを伝える役割があることに気付き、友達に「あしたもあそぼうね」と手紙を書きながら友達とのつながりを感じたりもする。

 

園生活の中で身近にある文字や数字に興味関心がわくような取り組みをしています。就学前に小学校の前倒しで算数を教えるのではなく、普段の生活や活動の中で数字や文字にかかわりを持つようにしています。また、泥団子遊びもそうですが、ブロック遊びなど立体的な感覚を十分に積むなど遊びの中で体感することにも取り組んでいます。大きさのイメージ作りや組み合わせなど遊びを通して学ぶことも大切にしたいと思います。

 

教育・保育要領解説53

2024/02/29

キ 自然との関わり・生命尊重 2

保育教諭等は、園内外の自然の状況を把握して積極的に取り入れるなど、園児の体験を豊かにする環境をつくり出し、園児が好奇心や探究心をもって見たり触れたりする姿を見守ることが大切である。ときには、園児の体験していることや気付いたことを保育教諭等が言葉にして伝えることによって、園児がそのことを自覚できるようにしたりしながら、それぞれが考えたことを言葉などで表現し、更に自然との関わりが深まるようにすることが大切である。

また、保育教諭等は、飼育や栽培を通して単に世話をすることを教えるだけでなく、動植物への親しみや愛着といった園児の心の動きを見つめ、ときには関わり方の失敗や間違いを乗り越えながら、命あるものをいたわり大切にする気持ちをより育むように援助することが重要である。身近な動植物との関わりの中での様々な出来事に対して、それぞれの生き物に適した関わり方ができるよう、園児と一緒に調べたり、園児の考えを実際にやってみたり、そこで分かったことや適切な関わり方を、学級等の友達に伝えたりする機会をつくることも大切である。

こうした幼児期の経験は、小学校の生活や学習において、自然の事物や現象について関心をもち、その理解を確かなものにしていく基盤となる。さらに、実感を伴って生命の大切さを知ることは、生命あるものを大切にし、生きることのすばらしさについて考えを深めることにつながっていく。

 

園児の体験を豊かにすることを目的に畑の活動や山に行くことなど力を入れています。もちろん、させる、やらせるでは子ども達のこころには響きませんし、体験をしただけにしかなりません。好奇心探求心につながる更にもう一歩の活動を意識しています。例えばこの冬も随分と野菜の収穫、特に大根やカブは毎日のように収穫に出かけましたが、種まきをして、芽が出て、日々水やりをして、間引く機会には葉大根の炒め物を食したり、少し大きくなったころに食してみると辛かったり、大きく成長するとスティックにして食べたり、塩もみして漬物にしたり、柚子味にした吏、甘酢味にしたり、そして何よりおでんにしたり、野菜の成長と収穫だけでなく成長に応じていろいろな料理に変化していくことなどを体験し、言葉に示す以上の経験や体験をしています。そこに食べ物を大切にする心や成長の期待感や好奇心など様々なことを経験しています。

 

教育・保育要領解説52

2024/02/28

キ 自然との関わり・生命尊重

自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる。また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命

の不思議さや尊さに気付き、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わるようになる。

幼児期の自然との関わり・生命尊重は、領域「環境」などで示されているように、幼保連携型認定こども園の生活において、身近な自然と触れ合う体験を重ねながら、自然への気付きや動植物に対する親しみを深める中で育まれていく。なお、自然との関わり・生命尊重は、領域「環境」のみで育まれるのではなく、第2章に示すねらい及び内容に基づく活動全体を通して育まれることに留意する必要がある。

園児は、園内外の身近な自然の美しさや不思議さに触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、関心をもつようになる。5歳児の後半には、好奇心や探究心をもって考えたことをその園児なりの言葉などで素直に表現しながら、身近な事象への関心を高めていく。園児が身近な自然や偶然出会った自然の変化を遊びに取り入れたり、皆で集まったときに保育教諭等がそれらについて話題として取り上げ、継続して関心をもって見たりすることなどを通して、新たな気付きが生まれ、更に関心が高まり、次第に自然への愛情や畏敬の念をもつようになっていく。この頃の園児は、身近な自然事象などに一層好奇心や探究心をもって関わり、気付いたことや考えたことを言葉などで表現しながら、更なる関心をもって自然に触れて遊ぶようになる

例えば、冬に容器に入れた水が凍り、誰が一番厚い氷ができたかを比べる中で、なぜある場所に置くと厚い氷ができるのだろうかと疑問が生まれる。園児は実際にそれぞれの場所に行き、「こっちの方が寒いよ。だからたくさん凍るんだ」「こっちはお日様が当たるから凍らないんじゃない」「いろんな場所に入れ物をおいて、調べてみよう」「水に葉っぱを入れておいたらどうなるかな」などと、それぞれの園児がいろいろな考えを言葉で表現しながら、予想を立てたり確かめたりして考えを深め、身近な自然に多様に関わっていく。

また、園児は、身近な動植物に愛着をもって関わる中で、生まれてくる命を目の当たりにして感動したり、ときには死に接したりし、生命の不思議さや尊さに気付き、大切にする気持ちをもって関わるようにもなる。5歳児の後半になると、動植物との関わりを積み重ねる中で、ただかわいがるだけではなく、命あるものとして大切に扱おうとする姿も見られるようになっていく。

例えば、学級等で飼育しているウサギの世話をしているとき、ケージを掃除している間に年下の園児にウサギを抱かせてあげている。掃除が終わると「あったかいでしょう」「ギュッとすると苦しいから、やさしくね」「ずっと抱っこしてるとウサギが疲れちゃうから、そろそろお家に帰してあげようね」などと、日頃のウサギとの関わりから感じていることを、年下の園児に伝える姿が見られる。

 

記載のとおり自然との関わりについては、山に行く、畑の活動をする。飼育することで探求心や好奇心の多くの体験に繋げていきたいですね。保護者の皆様にはご迷惑をおかけしますが、山に行くには虫や草に負けない服装も大切であり、長袖長ズボンの用意をお願いしたり、畑に行くと靴もズボンも汚れてしまいます。泥団子作りではさらに汚れてしまいます。せっかくの洋服が台無しになってしまうこともあるかもしれませんが、それ以上に子どもが体験することの好奇心、探求心には代えがたいものであるのです。目の前の自然を5感をフル活動させ、体験できる環境を大切にしています。

 

教育・保育要領解説51

2024/02/27

カ 思考力の芽生え 2

保育教諭等は、園児が不思議さや面白さを感じ、こうしてみたいという願いをもつことにより、新しい考えが生み出され、遊びが広がってくことを踏まえる必要がある。このため、保育教諭等には、環境の中にあるそれぞれの物の特性を生かしつつ、その環境から園児の好奇心や探究心を引き出すことができるような状況をつくるとともに、それぞれの園児の考えを受け止め、そのことを言葉にして園児に伝えながら、更なる考えを引き出していくことが求められる。また、園児が他の園児との意見や考えの違いに気付き、物事をいろいろな面から考えられるようにすることやそのよさを感じられるようにしていくことが大切である

幼児期の思考力の芽生えは、小学校生活で出会う新しい環境や教科等の学習に興味や関心をもって主体的に関わることにつながる。また、探究心をもって考えたり試したりする経験は、主体的に問題を解決する態度へとつながっていく。

 

様々な事象に気づき、言葉で表現して、伝えていくことの大切さを多く経験することが、小学校生活における新たな環境に関わり、対応していくことができる。そのことは教わるのではなく、自ら経験し体感していくことであり、指示されて学ぶもので張りません。多くの経験、体験からこういったことに気付き、多方面から捉えることのできる日々の生活でありたいと思います。さらに大人が決めつけることのないようにする配慮も必要です。子どもにとって感じ取ったこと、思考したことを大人の意見に従わせることも避けなければなりません。子ども自身が気付き感じることが大切です。ここが知識を覚えるだけなのか、子どもの創意工夫を育むかの分かれ道だと思います。

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