学習指導要領の趣旨の実現61 2025/11/26 (参考)履修主義と修得主義、年齢主義と課程主義 一方で、履修主義や年齢主義は、対象とする集団に対して、ある一定の期間をかけて共通に教育を行う性格を有する。このため修得主義や課程主義のように学習の速度は問われず、ある一定の期間の中で、個々人の成長に必要な時間のかかり方を多様に許容し包含する側面がある。また、学年別の学級編制の在り方や集団での学びを重視する日本の学校教育については、社会性の涵養等の側面からその教育効果を評価する声がある一方で、過度の同調性や画一性をもたらすことについての指摘もある。 我が国においては現在、制度上は原級留置が想定されているものの、運用としては基本的に年齢主義が採られている。進級や卒業の要件としての課程主義を徹底し、義務教育段階から原級留置を行うことは、児童生徒への負の影響が大きいことや保護者等の関係者の理解が得られないことから受け入れられにくいと考えられる。 全ての児童生徒への基礎・基本の確実な定着への要請が強い義務教育段階においては、進級や卒業の要件としては年齢主義を基本に置きつつも、教育課程を履修したと判断するための基準については、履修主義と修得主義の考え方を適切に組み合わせ、それぞれの長所を取り入れる教育課程の在り方を目指すべきである。高等学校においては、これまでも履修の成果を確認して単位の修得を認定する制度が採られ、また原級留置の運用もなされており、修得主義・課程主義の要素がより多く取り入れられていることから、このような高等学校教育の特質を踏まえて教育課程の在り方を検討していく必要がある。