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2024年 8月

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン27

2024/08/26

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(3)「こどもの誕生前」から切れ目なく育ちを支える

○こどもの育ちは、連続性と多様性が基本である。中でも、乳幼児期はこれらを重視して育ちを支えることが特に重要である。一方、誕生前後、就園前後、小学校就学前後等のタイミングで、こどもの年齢に応じて環境(社会)の面が大きく変わる節目がいくつか存在する。

○このような節目が、こどもの育ちの大きな「切れ目」にならないように、こどもの発達の過程や連続性に留意して、ウェルビーイング向上に必要な環境(社会)を切れ目なく構築していくことが重要である。特に、乳幼児の育ちは、身体的・精神的・社会的な観点(バイオサイコソーシャルの観点)を踏まえて、母子保健分野とこども家庭福祉分野が連携することも含め、「こどもの誕生前」から切れ目なく支えることが重要であることを強調したい。なお、保護者・養育者が必要な支援を受けることに負い目を感じないように配慮することも必要である。

○また、こどもは、「誕生前から幼児期まで」の時期を経て、学童期、思春期、青年期と切れ目なく育っていき、かつて自身の育ちを支えられた者が、様々な立場で次代のこどもの育ちを支えるという循環が続いていく。このような好循環を生み出すためにも、ライフイベントの多様性を尊重しつつ、全ての人が、学童期・思春期・青年期から、教育機関や地域において、乳幼児の育ちや子育てについて学んだり、乳幼児と関わったりする体験ができる機会が重要である。これにより、こどもも「こどもまんなか社会」のつくり手であるという自覚を持つようになる。

○以上のことから、本ビジョンでは、こどもの発達の連続性と多様性を踏まえ、次の4つの時期ごとの留意事項を整理した。

 

こどもは、「誕生前から幼児期まで」の時期を経て、学童期、思春期、青年期と切れ目なく育っていき、かつて自身の育ちを支えられた者が、様々な立場で次代のこどもの育ちを支えるという循環が続いていく。全ての人が、学童期・思春期・青年期から、教育機関や地域において、乳幼児の育ちや子育てについて学んだり、乳幼児と関わったりする体験ができる機会が重要であり、こどもも「こどもまんなか社会」のつくり手であるという自覚を持つようになる。だからこそ保育所等の役割も活用していただきたい。中学生とは就業体験活動があり、高校生とはインターンシップを行っており、保育養成校の学生との関わりはあるものの、一般学生や社会人との関係は全くありません。活用することの有用性は大きいと思います。こういった取り組みも少子化対策ではないでしょうか。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン26

2024/08/23

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める

③幼児期までのこどもの育ちに必要な豊かな「遊びと体験」

(多様なモノ・自然・絵本・場所等との関わり)

○また、こどもは人だけでなく、モノ・自然・絵本等・場所といった多様な環境に興味を持ち、様々な関わり方をする中で成長する。豊かな遊びには、こどもの働きかけにより、変化や手応え等の応答が得られる環境や、こどもの成長に応えられる環境が必要である。

○豊かな遊びの環境に関わる中で、こどもは心や体を動かしながら、気づき、試行錯誤して世界を深め、広げていく。体験、外遊び、絵本等についても、このような「環境との関わり」の観点で捉えることが重要である。

〇なお、遊びは、日常生活の中で、個々のペースや興味・関心に合わせて、こども自身が主体的に展開することが大切であり、おとなはこどもの思いや願いを尊重しながら、遊びの環境を整えていく必要がある。

 

豊かな遊びには、人だけでなく、モノ・自然・絵本等・場所といった多様な環境が必要で、その中に入ると心や体を動かしながら、気づき、試行錯誤して世界を深め、広げていく。さらにこのことは個々の興味や関心に合わせて、子ども自身が主体的に展開するとしており環境を整えることが大切です。無機質な部屋で与えられた課題をこなすことでは成長しないということです。部屋の環境や様々な体験や外遊びが大切なのです。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン25

2024/08/22

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める

③幼児期までのこどもの育ちに必要な豊かな「遊びと体験」

(多様なこどもやおとなとの出会い)

○遊びにおいて、こどもは特定のおとなとの関係だけではなく、多様なこどもやおとなとの出会いの中で育つことを踏まえることが重要である。自分一人でじっくり遊ぶ一人遊びが大切であるとともに、こどもは他者との関わりの中で多様な刺激を受けながら、次第に自分の世界を広げ、成長する。

○こどもは、保護者・養育者あるいはそれ以外のおとなとの信頼関係を基盤にしながら、次第に同年齢・異年齢の親しい友達が生まれる中で、葛藤やいざこざを経験しながら、他者への親しみを通して自己の世界を広げていく。保護者等の特定のおとなや同世代のこども同士の関わりが大切であるが、それ以外にきょうだい、異年齢のこども同士、地域の様々なおとなとの関わりを通して多様な人間関係を学ぶ。

 

様々な人と関わることによる人間関係を学ぶとしています。しかし、なかなか周りの人との関わりがうまくいかなかったり、躓くことも起きるのが子ども時代です。上手くくりぬけることのできる子なんてほとんどいないのです。ぶつかり合い学び合ううえで周りの配慮も必要です。その時どんな支援ができるのか、望むのか。一昔前の時代に様々な関わりを経験して乗り切ることができると言われていましたが、そうではないこともあるのです。このことに対しては子どもや家庭へのヒントや支援が必要なのです。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン24

2024/08/21

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める

③幼児期までのこどもの育ちに必要な豊かな「遊びと体験」

(乳幼児の育ちにとって重要な「遊び」の保障)

○乳幼児期のこどもの生活の中心は遊びであり、ここでの「遊び」とは、こどもが主体的に興味を持ち、夢中になって心と身体を動かして行う行為である。

遊びは何らかの効果を求めてさせるのではなく、それ自体が目的である。

○また、遊びは、こどもが現在を十分に楽しみ、自分の思いを発揮することを通して幸せに生きることそのものであり、ウェルビーイングにつながる。遊びを保障することは、こどもの「楽しい」「したい」という思いや願いを尊重することであり、その中で遊びが変化しながら、やがて自分のやりたいことを成し遂げるための目的のある遊びにもつながっていく。

○さらに、遊びには、こどもの様々な育ちを促す重要な機能がある。こどもが遊びに没頭し、身体の諸感覚を使い、自らの遊びを充実、発展させていくことは、言語や数量等の感覚などの認知的スキルと、創造性や好奇心、自尊心、想像力や思いやり、やり抜く力、相手や現実の状況と折り合いをつける力などの社会情動的スキルの双方を育むことに加え、多様な動きを身に付け、健康を維持することにつながる。ひいては、生涯にわたるウェルビーイングにつながるため、遊びを保障することは重要である。

 

子どもの遊びについて、ようやく専門的な用語で国の示す文に明記されだしました。「子どもは遊ばせておけばいい」。あまり深く表現されてこなかったこともありますし、子ども主体といったことへの理解がなかったり、誤解も多くあったようにも思います。今回ようやくウェルビーイングに繋げるとした視点での遊びの捉え方となっており、社会全体がただの子どもの遊びとして捉える時代はもう終わったと理解を求めたいですね。子ども主体での遊びの保障しっかり考えていきたいですね。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン23

2024/08/20

2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン

(2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める

③幼児期までのこどもの育ちに必要な豊かな「遊びと体験」

(豊かな「遊びと体験」)

○乳幼児期からウェルビーイングを高めていく上では、上述の「アタッチメント(愛着)」を基盤として、人や環境との出会いの中で、豊かな「遊びと体験」を通して外の世界へ挑戦していくことが欠かせない要素である。

○乳幼児の育ちの最大の特徴とも言える行為が「遊び」である。また、自然に触れたり、芸術や地域行事等の文化に触れて感性を育んだり、日常生活における豊かな「体験」を得たりすることも重要である。

○本ビジョンでは、理念や基本的な考え方を全ての人で分かりやすく共有する観点から、「遊びと体験」を念頭に、「安心と挑戦の循環」において「挑戦」という表現を用いている。

○こどもの生活の中心を占める「遊び」について、こどもの育ちにおける重要性の過小評価も見られる中で、生涯にわたるウェルビーイング向上のために乳幼児期に必要な豊かな「遊びと体験」について、できる限り具体的な場面が浮かぶように留意しつつ、「遊びと体験」についての考え方を、こども目線の「遊び」の観点から整理した。

○また、豊かな「遊びと体験」を通した挑戦は、基盤となる「アタッチメント(愛着)」さえあれば乳幼児が主体的に向かうものではない。多様なこどもやおとなとの出会い、モノ・自然・絵本等・場所といった環境との関わりを通して、様々な感覚を働かせながら、環境からの刺激を受けることが必要であり、そうした豊かな「遊びと体験」の機会を、保護者・養育者、幼児教育・保育施設や子育て支援施設の保育者等を含めた全ての人の取組を通じて、日常的に保障することにより、乳幼児の更なる挑戦を支援・応援していくことが大切である。

 

乳幼児期からウェルビーイングを高めていく上で「アタッチメント」を基盤とし、人や環境との出会いの中で、豊かな「遊びと体験」を通して外の世界へ挑戦していくことが欠かせない要素である。育ちの最大の特徴とも言える行為が「遊び」である。自然に触れたり、芸術や地域行事等の文化に触れて感性を育んだり、日常生活における豊かな「体験」を得たりすることも重要。多様なこどもやおとなとの出会い、モノ・自然・絵本等・場所といった環境との関わりを通して、様々な感覚を働かせながら、環境からの刺激を受けることが必要で、これが豊かな遊びと体験としています。このことを日常的に保障することにより、乳幼児の更なる挑戦を支援・応援していくことが大切で、子どもの経験や体験が子どもの挑戦につながるとしています。

 

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