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2023年 3月

18 変化する社会の中で我が国の学校教育が直面している課題 2

2023/03/16

社会構造の変化と日本型学校教育

『我が国の教師は,子供たちの主体的な学びや,学級やグループの中での協働的な学びを展開することによって,自立した個人の育成に尽力してきた。その一方で,我が国の経済発展を支えるために,「みんなと同じことができる」「言われたことを言われたとおりにできる」上質で均質な労働者の育成が高度経済成長期までの社会の要請として学校教育に求められてきた中で,「正解(知識)の暗記」の比重が大きくなり,「自ら課題を見つけ,それを解決する力」を育成するため,他者と協働し,自ら考え抜く学びが十分なされていないのではないかという指摘もある。』

 

明治に始まった戦争に人を供給するため、昭和の高度成長期まで、一定の教育を施すために一方的、画一的な均質的な教え込む教育が行われてきた。子ども達の主体的で共同的な学びへの変換が行われてきても、はやり高等教育や大学などの入試では、どれだけの成績であったか、点数で あったか個の成績が重視され続けています。しかしこれも事実です。幼児教育においても他者と協働し,自ら考え抜く学びの礎が大切であるが、学校教育の前倒しを重視する施設もあります。それは誰が望んでいるのでしょうね。幼児期に子ども同士での共鳴や共感があって、共同的な学びに結びつくものであるが、競争を重視してしまっても社会に出てから通用しなければ、人生はどうなるのでしょう。当然、子どもがやりたい、興味を持つことを援助することを否定するものではありません。それはそれでしっかり支援することも大切ですが、幼少期のコミュニケーションや人との関わり、身体の共鳴を伴う活動を重視しいきたいですね。

 

17 変化する社会の中で我が国の学校教育が直面している課題 1

2023/03/15

『我が国の150年に及ぶ教科教育等に関する蓄積を支えてきた高い意欲や能力をもった教師やそれを支える職員の力により,日本型学校教育が上述のような高い成果を挙げ,また現代社会において不可欠な役割を学校が担うようになっている一方で,社会構造の変化の中で,課題が生じていることも事実である。

①社会構造の変化と日本型学校教育

高度経済成長期以降,義務教育に加えて,高等学校教育や高等教育も拡大し大衆化する中で,一定水準の学歴のみならず,「より高く,より良く,より早く」といった教育の質への私的・社会的要求が高まるようになった。このような中で,学校外にも広がる保護者の教育熱に応える民間サービスが拡大するとともに,経済格差や教育機会の差を背景に持った学力差が顕在化した。経済至上主義的価値観の拡大の中で学校をサービス機関としてみる見方も強まっているという指摘もある。』

 

世界に誇る日本の教育によって学力は高く評価され、さらに私的欲求によって学びを高める家庭もあります。国の文章としては家庭間の格差とは表現されませんが、明らかにこの差があることは事実です。しかし、学びを高めようとする姿やより高い学びを望む子どもに対しては、さらに国や自治体の公的支援が必要な気がします。

子どもの貧困率;

16 日本型学校教育の直面する課題と新たな動きについて 3

2023/03/14

『臨時休業からの学校再開後には,限られた時間の中で学校における学習活動を重点化する必要が生じたが,そのような中でもまず求められたのは,学級づくりの取組や,感染症対策を講じた上で学校行事を行うための工夫など,学校教育が児童生徒同士の学び合いの中で行われる特質を持つことを踏まえ教育活動を進めていくことであり,これらの活動を含め,感染症対策を講じながら最大限子供たちの健やかな学びを保障できるよう,学校の授業における学習活動の重点化や次年度以降を見通した教育課程編成といった特例的な対応がとられた。このように我が国の学校に特徴的な特別活動が,子供たちの円滑な学校への復帰や,全人格的な発達・成長につながる側面が注目された。』

 

ここでしっかりと言及の通り、学校教育が児童生徒同士の学び合いの中で行われる特質を持つことを踏まえ教育活動を進めていくこと、とあるように学校教育は、先生からの一方的な教えで成り立つものではなく、子ども同士学びあいによって形成されることであります。勿論、好きなことを自由のどうぞでもありません。それは放任です。一定のルール、社会性を守り、目的や課題を見つけて子ども同士で関わることが大切です。

15 日本型学校教育の直面する課題と新たな動きについて 2

2023/03/13

『こうした学校の臨時休業に伴う問題や懸念が生じたことにより,学校は,学習機会と学力を保障するという役割のみならず,全人的な発達・成長を保障する役割や,人と安全・安心につながることができる居場所・セーフティネットとして身体的,精神的な健康を保障するという福祉的な役割をも担っていることが再認識された。特に,全人格的な発達・成長の保障,居場所・セーフティネットとしての福祉的な役割は,日本型学校教育の強みであることに留意する必要がある。』

日本の学校の歴史に福祉的な役割を担ってきたことはとても大切なことです。これからも学校が「ただ勉強をするところだけ」ではなく、引き続き、それぞれの立場における子どもの発達や成長を家庭とともに担うことの期待をしたいですね。そこには互いを信頼できる相互関係が大切であると考えています。学校の先生方の大変さもありますが、日本型の学校教育にこれからも期待をしています。

 

14 日本型学校教育の直面する課題と新たな動きについて 1

2023/03/10

本日より再び投稿は文部科学省への中央教育審議会の答申「令和の日本型教育」に戻ります。

答申では、2020年代を通じて実現を目指す学校教育を「令和の日本型学校教育」とし,その姿を「全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学び」としており、これからの教育・保育の基幹となり、既にスタートしています。このことについて改めて発信していきます。

 

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を通じて再認識された学校の役割

『新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため,全国的に学校の臨時休業措置が取られ,地域によっては約3カ月もの長期にわたって子供たちが学校に通えない状況が生じた。この前例のない状況の中で,全国の学校現場の教職員,教育委員会や学校法人などの教育関係者におかれては,子供たちの学習機会の保障や心のケアなどに力を尽くしていただいた。学校再開後においてもその影響は今もなお残っており,引き続き,実態に応じた取組に尽力いただいている。

一方,当たり前のように存在していた学校に通えない状況が続いた中で,子供たちや各家庭の日常において学校がどれだけ大きな存在であったのかということが,改めて浮き彫りになった。「勉強が遅れることが不安」「部活を頑張りたいのに」「友達に会いたい」という子供たちの声が日本中にあふれた。また,家庭の社会経済文化的背景(Economic, Social and Cultural Status:ESCS)に格差がある中で,子供たちの学力格差が拡大するのではないかという指摘や,生活習慣の乱れに伴う心身の健康課題の深刻化や家庭における児童虐待の増加に関する懸念もある。学校という子供の居場所がないことで,多くの保護者が就労面で課題を抱えるとともに,子育てに関する負担が増大し,大きなストレスを抱えるようになったという指摘もある。さらに,学校の臨時休業が続いた影響により,学校再開後の登校を躊躇する子供もいるのではないかという指摘もある。』

 

保育園においても子ども達の育ちに大きな影響がありました。密を避ける、会話を控える、マスクで表情を読み取ることが出来ない。これらのことは生活をしていくうえでとても辛いことでありました。さらに、社会のリモート化も進み、コミュニケーションや共鳴、共感をすることに影響を及ぼしました。子どもの成長時期にとってはとても辛い期間でありました。支えてくれる人があって子どもは守られます。コロナ禍、国を挙げてコロナ対応をする医療機関に向けて「エール」が送られました。介護施設や学校、そして福祉施設に対しても心からエールを送ります。

 

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