こども大綱8 2024/03/21 3 こども大綱が目指す「こどもまんなか社会」 ~全てのこども・若者が身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる社会~ 「こどもまんなか社会」とは、全てのこども・若者が、日本国憲法、こども基本法及びこどもの権利条約の精神にのっとり、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、ひとしくその権利の擁護が図られ、身体的・精神的・社会的に将来にわたって幸せな状態(ウェルビーイング)で生活を送ることができる社会である。 具体的には、全てのこどもや若者が、保護者や社会に支えられ、生活に必要な知恵を身に付けながら 心身ともに健やかに成長できる 個性や多様性が尊重され、尊厳が重んぜられ、自分らしく、一人一人が思う幸福な生活ができる 様々な遊びや学び、体験等を通じ、生き抜く力を得ることができる 夢や希望を叶えるために、希望と意欲に応じて、のびのびとチャレンジでき、将来を切り開くことができる 固定観念や価値観を押し付けられず、自由で多様な選択ができ、自分の可能性を広げることができる 自らの意見を持つための様々な支援を受けることができ、その意見を表明し、社会に参画できる 不安や悩みを抱えたり、困ったりしても、周囲のおとなや社会にサポートされ、問題を解消したり、乗り越えたりすることができる 虐待、いじめ、体罰・不適切な指導、暴力、経済的搾取、性犯罪・性暴力、災害・事故などから守られ、困難な状況に陥った場合には助けられ、差別されたり、孤立したり、貧困に陥ったりすることなく、安全に安心して暮らすことができる 働くこと、また、誰かと家族になること、親になることに、夢や希望を持つことができる社会である。 全てのこども・若者が身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる社会、多方面からの支援や社会構造が必要な国なのです。決して経済的だけでなく、精神的な幸福を求めていくべきですね。ようやく個の多様性や尊厳といった言葉、虐待やいじめなどの言葉が子ども施策に記載されるようになってきました。施策の根底となる大綱に明記されたのですから、しっかりと反映して、子どもを守る施策の充実を期待しましょう。
こども大綱7 2024/03/19 令和3年4月に子ども・若者育成支援推進本部で決定された子供・若者育成支援推進大綱では、まず、社会全体の状況としては、こどもの自殺などの生命・安全の危機、孤独・孤立の顕在化、低いウェルビーイング、格差拡大への懸念、SDGsの推進、多様性と包摂性ある社会の形成、リアルな体験とDXの両面展開、成年年齢の引下げ等への円滑な対応などが指摘されている。また、こども・若者が過ごす場ごとの状況として、世帯構造、児童虐待、ひきこもり、家族観の変化といった家庭をめぐる課題や、生徒指導上の課題の深刻化や教職員の多忙化・不足といった学校をめぐる課題、つながりの希薄化といった地域社会をめぐる課題、インターネット利用の拡大といった情報通信環境をめぐる課題、ニートなどの就業をめぐる課題が指摘されている。 令和元年11 月に閣議決定された子供の貧困対策の推進に関する大綱については、こども基本法施行前に内閣府の有識者会議で取りまとめられた報告書において、現場には今なお支援を必要とするこどもや家族が多く存在し、その状況は依然として厳しいこと、特に、教育と福祉の連携促進やこども施策と若者施策の融合等、貧困の状態にあるこどもや家庭に支援を届ける上での民間団体を含む幅広い主体間の連携体制について改善を求める声が多く更なる施策の充実が必要であるとされている。また、教育分野を中心に多くの指標が改善傾向にあるが更なる改善が求められるとされている。 生命・安全の危機、孤独・孤立と記されていますが、このこと簡単に考えないで欲しいですね。よく子ども本人がヒトと関わるのが苦手だからとか、本質的な理解ができないのは、心底その立場にないからではないでしょうか。そういった経験がない方に理解できない問題です。子どもの置かれている状況は多様なのです。もっともっと深い。何不自由なく順調に生活できた方々には理解しがたいことかもしれません。大人になって社会で苦しむ人もいる中で、子ども期にこういった苦悩を経験してしまう社会こそ認知し、救っていく必要があるのです。すべてのこどもたちに幸福な、不自由なき生活ができる社会構造も必要です。それだけ多様なのです。
<号外>クラッシック鑑賞会 2024/03/18 今日、子ども達はクラッシック音楽に触れました。 ピアノ、バイオリン、チェロの生演奏を聴くことができました。クラッシック音楽や映画で使われた音楽を生演奏して頂きました。 子ども達にとっては、こういった機会、本物に触れる機会となりました。実際に生で触れることで、これからの子ども達にきっといい経験につながるものと感じました。
こども大綱6 2024/03/18 2 これまでのこども関連3大綱を踏まえた課題認識 こども大綱は、これまで別々に作成・推進されてきた、少子化社会対策基本法、子ども・若者育成支援推進法及び子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づく3つのこどもに関する大綱を一つに束ね、こども施策に関する基本的な方針や重要事項等を一元的に定めるものである。令和2年5月に閣議決定された少子化社会対策大綱については、こども基本法施行前に内閣府の検討会で取りまとめられた中間評価において、少子化の背景には、経済的な不安定さ、出会いの機会の減少、男女の仕事と子育ての両立の難しさ、家事・子育ての負担が依然として女性に偏っている状況、健康上の理由など、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っていることが指摘されている。その上で、少子化を「既婚者の問題」、「女性やこどもの問題」とするのではなく、我が国の経済社会の根幹を揺るがしかねない喫緊の課題であることを社会全体で認識する必要があるとされている。一方で、少子化対策は、決して国や社会の都合で若い世代に特定の価値観を押し付けたり、プレッシャーを与えたりするものであってはならず、「こどもまんなか」の考えの下で、これから生まれてくるこどもや今を生きているこどもとともに結婚や子育ての当事者となる若い世代を真ん中に据えていくことが求められるとされている。 喫緊の少子化対策だけでなく、安心して生み育て、負担感のない経済的支援や仕事やキャリア形成に支障のない社会であってほしいと思います。もちろん子供を持つ、持たない。結婚する、しないは自由意志でありそのことも尊重されるべきであります。さらには子どもが健やかに育つことのできる社会的な支援は言うまでもありません。金銭面も大切ですが、社会的な理解、人権を尊重する社会の成就も大切だと感じています。未だに戦中戦後、昭和的、一斉画一的思考、高度経済成長時の人権意識の欠落、同調同圧など「昭和」を引きずる考えが根底に存在していると感じることが多くあります。個々の尊重と理解する思考に社会が変わることも大切です。 出典;ユニセフ
こども大綱5 2024/03/15 政府は、令和5年4月、内閣総理大臣を会長とするこども政策推進会議を開催し、こども大綱の案の作成に当たり、内閣総理大臣からこども家庭審議会に対し今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針や重要事項等について諮問し、こども家庭審議会においてこどもや若者、子育て当事者の視点に立って議論を進めることを決定した。これを踏まえ、内閣総理大臣から諮問を受けたこども家庭審議会が、こどもや若者、子育て当事者等の意見を聴く取組を実施した上で、同年12月に答申を取りまとめた。 政府として、この答申を真摯に受け止め、総合的な見地から検討・調整を図り、こども政策推進会議において案を作成した上で、ここに、こども大綱を策定する。 まずは向こう5年程度を見据えたとしていますが、少子化は待ったなしの状況を重く受け止め、スピード感をもって子育て世帯やこれから控える方々が希望を持てる施策を期待するところです。負担感、困り感の子どもや大人の意見が十分に反映されたのでしょうか。まだまだ必要な課題もあるはずです。策定して運用する中でも引き続き様々な意見を聞く、述べることのできる施策であって欲しいと思います。