シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン24 2024/08/21 2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン (2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める ③幼児期までのこどもの育ちに必要な豊かな「遊びと体験」 (乳幼児の育ちにとって重要な「遊び」の保障) ○乳幼児期のこどもの生活の中心は遊びであり、ここでの「遊び」とは、こどもが主体的に興味を持ち、夢中になって心と身体を動かして行う行為である。 遊びは何らかの効果を求めてさせるのではなく、それ自体が目的である。 ○また、遊びは、こどもが現在を十分に楽しみ、自分の思いを発揮することを通して幸せに生きることそのものであり、ウェルビーイングにつながる。遊びを保障することは、こどもの「楽しい」「したい」という思いや願いを尊重することであり、その中で遊びが変化しながら、やがて自分のやりたいことを成し遂げるための目的のある遊びにもつながっていく。 ○さらに、遊びには、こどもの様々な育ちを促す重要な機能がある。こどもが遊びに没頭し、身体の諸感覚を使い、自らの遊びを充実、発展させていくことは、言語や数量等の感覚などの認知的スキルと、創造性や好奇心、自尊心、想像力や思いやり、やり抜く力、相手や現実の状況と折り合いをつける力などの社会情動的スキルの双方を育むことに加え、多様な動きを身に付け、健康を維持することにつながる。ひいては、生涯にわたるウェルビーイングにつながるため、遊びを保障することは重要である。 子どもの遊びについて、ようやく専門的な用語で国の示す文に明記されだしました。「子どもは遊ばせておけばいい」。あまり深く表現されてこなかったこともありますし、子ども主体といったことへの理解がなかったり、誤解も多くあったようにも思います。今回ようやくウェルビーイングに繋げるとした視点での遊びの捉え方となっており、社会全体がただの子どもの遊びとして捉える時代はもう終わったと理解を求めたいですね。子ども主体での遊びの保障しっかり考えていきたいですね。
シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン23 2024/08/20 2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン (2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める ③幼児期までのこどもの育ちに必要な豊かな「遊びと体験」 (豊かな「遊びと体験」) ○乳幼児期からウェルビーイングを高めていく上では、上述の「アタッチメント(愛着)」を基盤として、人や環境との出会いの中で、豊かな「遊びと体験」を通して外の世界へ挑戦していくことが欠かせない要素である。 ○乳幼児の育ちの最大の特徴とも言える行為が「遊び」である。また、自然に触れたり、芸術や地域行事等の文化に触れて感性を育んだり、日常生活における豊かな「体験」を得たりすることも重要である。 ○本ビジョンでは、理念や基本的な考え方を全ての人で分かりやすく共有する観点から、「遊びと体験」を念頭に、「安心と挑戦の循環」において「挑戦」という表現を用いている。 ○こどもの生活の中心を占める「遊び」について、こどもの育ちにおける重要性の過小評価も見られる中で、生涯にわたるウェルビーイング向上のために乳幼児期に必要な豊かな「遊びと体験」について、できる限り具体的な場面が浮かぶように留意しつつ、「遊びと体験」についての考え方を、こども目線の「遊び」の観点から整理した。 ○また、豊かな「遊びと体験」を通した挑戦は、基盤となる「アタッチメント(愛着)」さえあれば乳幼児が主体的に向かうものではない。多様なこどもやおとなとの出会い、モノ・自然・絵本等・場所といった環境との関わりを通して、様々な感覚を働かせながら、環境からの刺激を受けることが必要であり、そうした豊かな「遊びと体験」の機会を、保護者・養育者、幼児教育・保育施設や子育て支援施設の保育者等を含めた全ての人の取組を通じて、日常的に保障することにより、乳幼児の更なる挑戦を支援・応援していくことが大切である。 乳幼児期からウェルビーイングを高めていく上で「アタッチメント」を基盤とし、人や環境との出会いの中で、豊かな「遊びと体験」を通して外の世界へ挑戦していくことが欠かせない要素である。育ちの最大の特徴とも言える行為が「遊び」である。自然に触れたり、芸術や地域行事等の文化に触れて感性を育んだり、日常生活における豊かな「体験」を得たりすることも重要。多様なこどもやおとなとの出会い、モノ・自然・絵本等・場所といった環境との関わりを通して、様々な感覚を働かせながら、環境からの刺激を受けることが必要で、これが豊かな遊びと体験としています。このことを日常的に保障することにより、乳幼児の更なる挑戦を支援・応援していくことが大切で、子どもの経験や体験が子どもの挑戦につながるとしています。
シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン22 2024/08/19 2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン (2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める ②幼児期までのこどもの育ちに必要な「アタッチメント(愛着)」の形成 ○各分野の専門性の中で議論されてきた、こどもの育ちに必要な「アタッチメント(愛着)」の位置づけやその重要性について、全ての人と分かりやすく共有することが大切である。例えば「『愛着』の対象は母親、血縁関係にある者でなければならない」等の過去の社会通説にとらわれず、乳幼児期に真に必要な愛着について、科学的知見を踏まえた考え方と育ちのプロセスにおけるその重要性を全ての人と共有することが必要である。 ○こどもの育ちに必要な「アタッチメント(愛着)」は、こどもが怖くて不安な時などに身近なおとな(愛着対象)がその気持ちを受け止め、こどもの心身に寄り添うことで安心感を与えられる経験の繰り返しを通じて獲得される安心の土台である。また、「アタッチメント(愛着)」は、こどもが自分や社会への基本的な信頼感を得るために欠くことのできないものであり、こどもの自他の心への理解や共感、健やかな脳や身体を発達させていくものである。 ○安定した「アタッチメント(愛着)」は、自分や他者への信頼感の形成を通じて、いわゆる非認知能力の育ちにも影響を与える重要な要素であり、生きる力につながっていくとされている。また、「愛着」という言葉は、保護者・養育者とこどもの関係のみを指す印象を持つことがある。もとより、保護者・養育者はこどもが「アタッチメント(愛着)」を形成する対象として極めて重要であるものの、保育者など、こどもと密に接する特定の身近なおとなも愛着対象になることができる。 〇なお、こどもの育ちを通して保護者・養育者も育つという観点から、「アタッチメント(愛着)」の形成は、こどものみならず、保護者・養育者にとっても重要である。 文章のとおりです。愛着は大切であり、愛着の上での子どものそだちです。ただ、ここ数年の専門的な表現は、漢字ではなく「アタッチメント」とされることも多く、単に母子血縁関係のみの関係性だけではなく、子どもにかかわるすべての関係者、こどもと密に接する特定の身近なおとなも愛着対象になることができるとして広い意味で用いられています。アタッチメントという言葉をしっかり認識していきたいですね。
シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン21 2024/08/16 2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン (2)「安心と挑戦の循環」を通してこどものウェルビーイングを高める ①育ちの鍵となる「安心と挑戦の循環」 ○「こどもの誕生前から幼児期までの育ち」の最たる特徴は、「アタッチメント(愛着)」の形成と豊かな「遊びと体験」が重要ということである。これらが生涯にわたるウェルビーイング向上の土台をつくる。本ビジョンでは、このこどもの育ちの鍵となる考え方を「安心と挑戦の循環」として整理した。 ○乳幼児期の安定した「アタッチメント(愛着)」は、こどもに自分自身や周囲の人、社会への安心感をもたらす。その安心感の下で、こどもは「遊びと体験」等を通して外の世界への挑戦を重ね、世界を広げていくことができるのであり、その過程をおとなが見守りこどもの挑戦したい気持ちを受け止め、こどもが夢中になって遊ぶことを通して自己肯定感等が育まれていくことが重要である。このような「安心と挑戦の循環」は、こどもの将来の自立に向けても重要な経験である。 まずは「愛着」。母子、家族との絆を深めることは生まれる前からとても重要です。時々その愛着関係よりも優先されるものがあり、悲惨な出来事も起きてしまっています。悪循環とならない社会の構築、倫理観も大切なように思います。困難な環境にあり悲惨な結果となることもあります。すべての子どもの命は大切にして頂きたい。そのことがあって初めて安心して育つ環境が生まれるように思います。大人の都合を子どもに負わすことがないような社会が大切です。
シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン20 2024/08/15 2.幼児期までのこどもの育ちの5つのビジョン (1)こどもの権利と尊厳を守る ○本ビジョンは、生涯にわたるウェルビーイング向上のために、「こどもの誕生前から幼児期まで」を全ての人で支えていく必要があることについて、基本的な考え方を整理したものである。この基本的な考え方に基づき、こどもの育ちの質を保障し、その権利と尊厳を守ることと、育ちの質の向上を図ることの双方が重要である。 〇なお、こどもの心身の状況や置かれた環境等に十分配慮しつつ、乳幼児のウェルビーイング向上を支える観点が重要であることや、全ての人と乳幼児の育ちに関する考え方を共有すること自体が大切な観点であることから、乳幼児の育ちに必要なことや、避けるべき内容の具体例を論じるのではなく、乳幼児の権利や尊厳に基づいて、こどもの育ちの質の保障と向上に関する基本的な考え方を整理している。 ○こども基本法は、児童の権利に関する条約のいわゆる4原則、「差別の禁止」「生命、生存及び発達に対する権利」「児童の意見の尊重」「児童の最善の利益」も踏まえて、こども施策に関する基本理念等を定めている。「こどもの誕生前から幼児期まで」のこどもの育ちの質は、権利主体としての乳幼児の権利を守る観点に立ち返り、こども基本法にのっとり、こどもの権利に基づき、保障し向上させていく必要がある。 「子どもの権利」。これこそないがしろされているように感じます。まずはすべての人と乳幼児の育ちを共有することと示されている通り、これまでも何度か記載してきましたが、子どもの人権や権利をないがしろにする、あまり趣が置かれてこなかったことを社会で今一度確認しあって、新たな少子化時代の社会となることが望まれます。子どもの差立ちには社会の理解と協力が欠かせません。社会において大切にされることが先決なように感じます。