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園からの発信

教育振興基本計画2

2025/01/27

Ⅰ.我が国の教育をめぐる現状・課題・展望

(1)教育の普遍的な使命

○明治5年に我が国最初の全国規模の近代教育法令である「学制」が公布されてから令和4年で150年を迎えた。この間、各般の教育改革を経て、我が国の教育は国際的に高い水準を達成するに至り、社会の発展に大きく寄与してきた。

○近時の新型コロナウイルス感染症の感染拡大やロシアによるウクライナ侵略は、平穏な日常が脅かされ、基本的な価値が揺らぐという事態をもたらし、平成18年に改正された教育基本法の前文にある「たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献する」ことの重要性や教育の目標にある生命を尊重することの大切さを再確認する契機となった。

○同法第1条においては、教育の目的として「人格の完成」「平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」が規定されるとともに、第2条においては教育の目標として、①幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと、②個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと、③正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと、④生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと、⑤伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと、が規定されている。第4条においては、すべての国民がその能力に応じてひとしく教育を受ける機会を与えられる「教育の機会均等」が規定されている。

○これら教育基本法の理念・目的・目標・機会均等の実現を目指すことは、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代においても変わることのない、立ち返るべき教育の「不易」である。教育振興基本計画は、「不易」を普遍的な使命としつつ、社会や時代の「流行」の中で、我が国の教育という大きな船の羅針盤となるものと言えよう。「流行」を取り入れてこそ「不易」としての普遍的使命が果たされるものであり、不易流行の元にある教育の本質的価値を実現するために、羅針盤の指し示す進むべき方向に向けて必要な教育政策を着実に実行していかなければならない。

 

 

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