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園からの発信

教育・保育要領解説56

2024/03/05

ケ 言葉による伝え合い

保育教諭等や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付け、経験したことや考えたことなどを言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いたりし、言葉による伝え合いを楽しむようになる。

言葉による伝え合いは、領域「言葉」などで示されているように、身近な親しい人との関わりや、絵本や物語に親しむ中で、様々な言葉や表現を身に付け、自分が経験したことや考えたことなどを言葉で表現し、相手の話に興味をもって聞くことなどを通して、育まれていく。なお、言葉による伝え合いは、領域「言葉」のみで育まれるのではなく、第2章に示すねらい及び内容に基づく活動全体を通して育まれることに留意する必要がある。

園児は保育教諭等や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付けていく。また、自分の気持ちや思いを伝え、保育教諭等や友達が話を聞いてくれる中で、言葉のやり取りの楽しさを感じ、そのやり取りを通して相手の話を聞いて理解したり、共感したりするようになっていく。このような体験を繰り返す中で、自分の話や思いが相手に伝わり、相手の話や思いが分かる楽しさや喜びを感じ、次第に伝え合うことができるようになっていく。5歳児の後半になると、伝える相手や状況に応じて、言葉の使い方や表現の仕方を変えるなど、経験したことや考えたことなどを相手に分かるように工夫しながら言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いて理解したりし、言葉による伝え合いを楽しむようになる。

例えば、保育教諭等が読み聞かせをした絵本の中に「こもれび」という言葉がある。遠足に行ったとき、皆で木立の間を散策していると、数名の園児が木の下から空を見上げ、「わあ、きれい」「キラキラしてる」「まぶしいね」「目がチカチカする」などと話している。すると、一人の園児が思い出したように「これ、こもれびだ」と言う。「ああ、こもれびね」「こもれびって、キラキラしてるね」と見上げながら会話が続く。近くに来た友達にも、「見て、こもれびだよ」と伝えて一緒に見る。地面に映ったこもれびを見付けると、「下もきれいだよ」「ほんとうだ」「あっちにもあるよ」などと気付いたことを伝え合いながら、散策が続いていく。

 

以前に取り組んだ事例ではありますが、毎年畑で「そら豆」を植えています。種まきから成長の観察、収穫をするなかで、「そら豆くんのベット」という絵本があります。2歳児クラスでよく使う絵本でもあります。そこで、2歳児クラスのおゆうぎ会の演目として「そら豆くんのベット」を選択しました。まだまだ言葉の発達もままならない中においての演目であり、さらには内容理解、登場人物の感情などの理解も十分でなかったため、次年度3歳児で再度同じ演目をした経緯があります。1年前との比較で登場人物の理解や気持ちの受け止め方にも大きな成長があり、熱の入った演目となりました。こういったことこそ、言葉の理解や表現に繋がり、言葉の掛け合いのセリフの理解、豊かな表現につながったものと思いますし、表記の「保育教諭等や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付け、経験したことや考えたことなどを言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いたりし、言葉による伝え合いを楽しむようになる。」ということを時間した覚えがあります。気持ちを言葉で表現することって難しいことではありますが、こどもの成長につながる言葉かけとしたい思います。

 

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